Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

心のオアシスが閉店しました

茶豆湯が閉店してからしばらく心のオアシスを求めて難民になりましたが、やっと発見して以来好んで通っていたカフェ。そこも閉店してしまいました。

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新しい心のオアシス - Inside the gateこと大滝町のカフェ・コンセール

ドアの張り紙にはこう書かれていました。

御礼

取って置きの縁・思い出いっぱい

ここで閉じます

ありがとうございます

主・伴人

素敵なお店が閉店してしまい大変残念ですが、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。コーヒーに支払った金額では安すぎるんじゃないかというくらいの安らぎをもらいました。私だけでなく、夫も「アメリカ人客が入ってこないお店で、一人になりたい時」にこのお店をよく使っていました。
横須賀には珍しく、欧州の雰囲気が感じられるお店で、お洒落なんだけど居心地がよくて、ご主人達の美意識やスタイルが反映されていたのだと思います。なかなかこういう空間の演出はできない。そんなお店が閉じられてしまいました・・・。もう横須賀には同じようなお店は現れないだろうなぁ。

情報が交錯するベースでガセネタを広めるいい加減な人達

狭く、また非常に馬鹿げていてどうしようもないけど、私を惹きつけてやまない閉鎖的な村・米海軍横須賀基地。
そこではドラマとゴシップに欠くことはありません。だけどその中には多くのガセネタや、あるいは話が捻じ曲げられてしまってもはや真実が何なのか誰もわからず、語った人間の数だけ真実があるような状態になっているのも確かです。
それ完全にガセネタだよね?と思いながらも顔は口角だけあげてにっこり(目は笑っていない)しながら聞き流す話のなんと多いこと。
そんなガセネタを流す人や話を捻じ曲げてしまう人達には共通点があります。

 

例1.空母の帰港日程

毎年決まった時期に試験的な航海に数日出て、そしてその後半年ほどの定期展開に出る空母とそれらを支える船の一団。横須賀基地で接客業に就く人達にとって、空母がいつdeployment(定期展開)から帰ってくるのかというのは非常に気になるところだと思います。平和な閑散期が終わり、また忙しい日々が始まるのですから。空母が戻ってくるベースとその周辺の人口が一気に増えますからね。

関連記事:空母がいないと商売あがったり・・・のどぶ板のバー - Inside the gate


NEXやカミサリーなんて、空母が帰ってくる1,2日前になると、空母の船員達が帰ってきて店が混む前に自分達の買い物を済ませてしまおうという客で混みあうくらい。
ところがこの帰港日の情報に関して様々な憶測が出て、ガセネタが拡散されるのは本当に迷惑だなぁと、筆者自身が接客業に就いていた頃のことを思い返しています。
そしてガセネタは現在でも拡散されているようで、例えば昨年でしたら知人から聞いたこんな話があります。
空母のロナルド・レーガンの司令官がCapt. Michael DonnellyからCapt. Patrick Hannifinに交代になる時期が9月で、まだ船が展開に出ていた時でした。横須賀基地で働いている人ならもうオチは想像つくでしょう?

「Change of command(司令官交代)のセレモニーをまさか海上で行うわけないから、deploymentの途中だけど横須賀に一時的に帰ってくるらしいよ!」


だいたい空母は春に出港し、サンクスギビングのあたりから12月初旬にかけて毎年deploymentから帰ってきますが、「今年は9月に一時的に横須賀に立ち寄ってChange of commandが執り行われる」という話をし始めた人間が大勢いるそうです。
で、Change of commandですが、実際は航海中のロナルド・レーガンのエアクラフトの格納庫で行われました。横須賀になんて帰ってきていません。

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(新しい司令官のCapt. Patrick Hannifin。こういうイメージ画像に憧れて横須賀に来てもなかなかこういう人達には遭遇せず、その代わりにフィリピン人の多さ戸惑うというのも横須賀基地あるある。Photo courtesy of USS Ronald Reagan Welcomes New Commanding Officer in At-Sea Ceremony > U.S. Indo-Pacific Command > 2015

こんな憶測にすぎない情報を無責任に垂れ流す人間が働いているのが横須賀基地です。
いい加減な人が垂れ流すいい加減な情報に振り回されず、自分の頭でちゃんと考えましょうね。

例2.横須賀基地の司令官が解任された理由(笑)

自分が聞いた話をちょっと考えれば「それは違うだろう」とわかりそうなものなのに、考えずに広めてしまう人っていますよね。私が心底呆れたガセネタは「横須賀基地のグレニスター(元)司令官が解雇されたのはね、お偉いさん達の奥様会の費用(ランチョンなど)を削ったから、奥様達が怒って引きずりおろしたらしいよ」というガセネタ。ふきだしそうになるのをこらえるのに必死でしたがなんとか持ちこたえました。
海外の米海軍基地で最大と言われている横須賀基地の司令官が、奥様会の費用がらみのことで解雇されるわけないことくらい、ちょっと考えればわかるのに・・・。そもそもそういう経費があるのかどうかもわかりませんが、あったとしたら、横領に目をつぶったというようなことでもない限り、これだけ大きな海外の基地の司令官がたかが奥様会のことで解雇にはならないはずです。

グレニスター司令官が解雇された本当の理由:横須賀基地のCOが解任された理由 - Inside the gate

ガセネタを信じて広める人達

横須賀基地のガセネタは、自分の英語の理解力のなさに対し無自覚である分、「こう言っているに違いないはず」と誤って訳して広めてもその誤りにすら気が付いておらず、あるいはなんとか聞き取れた単語から言葉尻をとらえて、話の核心を掴まないまま広めてしまう日本人、フィリピン人だけが発信源ではありません。尾ひれどころかまったく違う話にすりかえて(頭が悪いからなのかわざと捻じ曲げているのかは不明)広めてしまうアメリカ人達もいます。
最後にもう一度言います。いい加減な人が垂れ流すいい加減な情報に振り回されず、自分の頭でちゃんと考えましょうね。そしてこのブログに書かれていることをどこまで信じるかも、あなたにおまかせします。

 

 

【随時更新】ジャンクフードを食べる旅に出たくなる

横須賀に暮らしていると、アメリカ人達から「時々無性に恋しくなる食べ物」の話をよく聞くので、当ブログでシェアしていきたいと思います。

  1. これは新たにお店の情報が入り次第随時更新される記事です。初回投稿日:2019年1月14日
  2. 誰の口にもあう「これは〇〇州で一番美味しい!」というグルメ記事ではありません。「帰省すると食べたくなるんだよね」というアメリカ人達の声をもとに作成しております。
  3. コメント欄からの「こんなおいしいお店もあるよ!」という情報提供も歓迎ですが、アメリカ人から直接得た情報以外は当記事でとりあげて紹介することはありません。訪問者にとって有益な情報をコメント欄でシェアしていただけることに感謝いたします。

 

1.オハイオ州 Wild Mike's

メニューにはウィング、バーガー、サンドイッチがありますが、私にこのお店の話を聞かせてくれた人によりますと、「とにかくウィングが美味しくて有名」とのことでした。

Buffalo Wings

 

Wild Mike's Home Page


2. ミシシッピ州/ルイジアナ州 Mugshots Grill & Bar


このMugshotsというお店の「ピーナッツバターバーガーを絶対に食べてほしい!」と言われました。このお店以外にもピーナッツバターバーガーを出しているところはあるそうで、ピーナッツバターはチャンクでもスムースでもどちらでもビーフとあうとのこと。

3.随時追加予定

ベースで働いていて、日本社会よりここが楽だと感じた点(2)

社員の飲むお茶やコーヒー。現在ではディスペンサーを置く会社も増えてセルフサービスが普及していますが、お茶くみ担当はかつてあたりまえのように女性の仕事であったように、日本の企業では「これは女がやるものだろう」という不文律がまだ存在します。例えば・・・・

 


こういうのありますよね…気持ちはありがたいんだけど、女性社員を苦しめるお土産。
私が働いていたベースの施設では、こういうことは女性がやって当然という感じで求められる空気はありませんでした。もしかすると私が空気を読んでいなかっただけかもしれないけど、女性従業員=小間使いみたいな文化ではなかったことは確かです。むしろ女であるというだけで楽をさせてもらったという記憶があります。
アメリカ人男性従業員やフィリピン人男性従業員は女性に対しての気遣いがあたりまえのようにできる人が多く、そこで甘やかされた私は「もう二度とベースの外で働くことはできないな」と思いました。オンベースでもSRFあたりで働いていたら女中、仲居のように働かなければならなかったかもしれませんが・・・・。

ベースの外で働いていた頃、手土産で羊羹をいただいた時は冒頭部分に貼り付けたツイートで書かれているようなことを私もやむを得ずやった経験はあります。そして配って回るとやっぱりみなさん「ありがとう」と笑顔を向けるんですよね。その笑顔を見るたびに「自分のことは自分でやるよ制」への私の支持は強くなっていきました。
なんで私はこんなことをやっているんだろうと思ったし、こんなことをやるために勉強してきたわけじゃないのになって思いました。だけどお金をもらっている時間は感情などもたないロボットに徹していた方が何かと楽だし、日本社会で生きていく上での割り切りとか線引きは自分でどこかでしていかなければならないものです。

eastercross2002

 

ではベースの外の会社ではどこでもあたりまえのように女性が小間使いのように働いているのかというとそうでもありません。私がある企業で働いていた時、アメリカ人の上司をもったことがあります。ここまで読むと「じゃあ会社の文化はアメリカ文化だったのね」と思われることでしょう。確かにこてこての日系企業に比べたら随分気楽なものでした。だけどこの上司の奥さんが日本人女性で、彼を随分甘やかしていたので、共に働くチームメイトとして仲良くなり打ち解けてくると、徐々に彼は私に対してもそういうことを求めてくるようになったのです。
例えば取引先の人がスイカを差し入れてくれた日のこと(スイカですよ・・・羊羹より厄介w)。隣の部署にいた女性が気を利かせて人数分に切って私達の部署にも分けてくれたのです。そしてそしてチームのみんなで食べていると、私の上司が「僕の妻はスイカを出す前にちゃんと種も取ってくれるんだよね」ぼそっといいながら、私のほうをちらっと見たのを、私は見逃しませんでした。私に種を取れというのはもちろん彼の冗談でした。
ですから私もジョークで応酬することにし「そうですか・・・素敵な奥様ですね。ただ残念ながら私はあなたの妻ではありません」と返したら上司も同僚のアメリカ人達も爆笑していました。
「今日はなんだか暑いねぇと上司が言えば、さっと席から立ち上がりエアコンの温度を下げるのが日本人」だと聞いていた彼らにしてみれば、こういう日本人もいるのかという発見だったことでしょう。

関連記事:ベースで働いていて、日本社会よりここが楽だと感じた点(1) - Inside the gate

横須賀中央ふらつ記録(25)Rock City 頑張って営業中

 

先日の記事のコメント欄で「Rock Cityってまだやってますか?」というご質問をいただいたので、先日そのお店があるどぶ板通りまでふらっと行ってきました。

Rock City、頑張って営業中です!

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このお店は今から15年前(まだ20代・・・若い頃)に一度入ったきりなのであまり懐かしさなどはないのですが、そのたった一度の経験こそが、自分が横須賀という街に惹かれるきっかけになったとも思います。経験というほどのことでもないのですが、私が目にした光景は、年配の白人男性がカウンターで一人で飲んでいると、いつのまにか隣に若くも美人でもないフィリピン人女性がやってきて交渉開始し、そのままあっという間に消えてしまったというものです。
私と一緒にいたアメリカ人の青年が「あんなのどぶ板じゃ珍しくもなんともないよ」と教えてくれました。当時の自分は横須賀基地やその周辺の外国人の滞在ステイタスがよくわからなかったのであっけにとられましたが、今の自分であれば「空母が停泊している間だけ横須賀に単身赴任しているコントラクターが女性をホテルにお持ち帰りしたんだな」とすぐに分かったと思います。需要と供給のバランスが見事にとれている、コンパクトでchaosなミートマーケット=The Honch、最高ですよ!

Rock Cityのことを書いていて思い出したのですが、私がこの交渉を見かけた頃のどぶ板を象徴するのが、JUICY COUTUREのスウェット


 

1990年代後半は、パリス・ヒルトンをはじめとするセレブがこのブランドのスウェットスーツを着たことで日本でも人気が出たわけですが、当然これを着ている日本人女性は当時どぶ板でも多く目にしました。フィリピン人女性もかなり着ていましたが、なぜか彼女達はスウェットにヴィトンのバッグを合わせていました。
スウェットって難しいですよね。ある程度体にメリハリがないと部屋着っぽくなるし、顔立ち、髪型によっては体育の先生に見えてしまう。

 関連記事:年増のぶらぱんの垂れ尻を見ていてふと思い出したエクササイズ - Inside the gate

 
話は脱線しますが、イギリスのロックバンド・Oasisが全盛期を迎え、彼らのファッションが日本人の若い男性で流行っていた頃、私の母が困惑し「あの子達はお金がないからジャージを着ているの?」と真剣に私にたずねてきたことがあります(苦笑)。

ベースに暮らすアメリカ人達はmidnight snack難民になっているのではないか

セブンイレブン横須賀本町二丁目店。ベースで暮らすアメリカ人達がmidnight snackを調達するお店であり、ここで大量に氷結STRONGやらお弁当を購入し、E6以下の米兵は01:00amの門限を守るためにメインゲートへと戻っていくのですが、現在改装のため一時閉店していて驚きました。

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 このセブンがリオープンするまで困っているアメリカ人達は大勢いると思いますよ。中を覗いてみたら広さは今までの二倍になりそう。これにあわせて増員しないと店員さん大変だろうなぁ。

関連記事:【どぶ板】バーによって集まる人種が違います - Inside the gate

アジアン・ビューティー風メイクはもっと目元にパープルを取り入れてもよい(3)

 

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画像はNARSのフェイスブック公式ページからお借りしました

上記リンク先のページを見てこういう風にアジアン特有の切れ長の目を涼しげに且つ妖しく見せたいと思い、NARSのカウンターに立ち寄りました。
実際に試してみたら、妖しく見せることも、清潔感のある目元に見せることも、また優しげなラベンダーアイズを作り出すこともできる素晴らしいコンボだということに気が付いて購入しました。やはりオンラインで買うんじゃなくてちゃんとカウンターで買うよさってここなんですよね。

この二色で作れるグラデーションなのですが、実家の庭にある紫陽花を思い出させてくれました。特に雨露に濡れた時のそれ。

Hydrangea

NARSって異性ウケというよりはどちらかといえばモードな仕上がりになるイメージのブランドでしたが、NARSのアイシャドウでも和の優しさみたいなものが演出できるんだなという発見をした気分です。
もしもアメリカのアニメに出てくるアジアンみたいに切れ上がったラインを強調したいのであれば、M.A.C.のスモールアイシャドウのIN THE SHADOWSというブルーを締め色にもってきてもいいと思います。

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美しいアイシャドウを最大限に活かすために

「お客様の目の形の場合は・・・・」とブラシの選び方から動かし方まで美容部員さんがわかりやすく説明してくれて、#5329(VERONA)のような色を瞼につけたら一層はれぼったく見えるのではないか?という私の思い込みが間違えていることもちゃんと証明してくれました。彼女の説明を聞きながらメイクをしてもらっていて;

  1. 自分の目の形や骨格にあったブラシを持ち
  2. それらを正しく動かし
  3. プライマーは必ずつける

この3つを守らないと、どんなに美しいアイシャドウを買ってもまるで意味がないことを再認識しました。またブラシも「ここにこうあてて、横に滑らせるのではなく下から上へ動かしてください」とそれこそ魔術師のように、私の凹凸のない瞼の上でさっと動かしてくれたのですが、そうするとね、グラデーションがすごく自然になるんですよ。べたっとつかないからアイメイク頑張りました!っていう目元にならずに済む。

プライマーをケチりたくなったら思い出して。「絵具は白い画用紙の上に垂らすことで見たままの色が出る」という感覚

アイメイク用のプライマーって別につけなくても・・・と思いたくなりますが、私は他ブランドの美容部員さんに言われたひとことを聞いて以来必ずつけています。

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「絵具って透明のガラス板の上にぽたっと落とした時よりも、白い画用紙に落とした方が見たままの色がはっきりと出ますよね。だからプライマーをつけるんです。瞼の皮膚の色を補正してからアイシャドウを乗せると、アイシャドウの色がきれいにでます」

画像はここ数年愛用しているNARSのティンティッドスマッジプルーフアイシャドウベース
同ブランドの美容部員さんの話によるとつける順番としては1.スキンケア→2.これ→3.化粧下地→4.ファンデ→5.メイク開始の順だそうですが、私は寝坊した日は1.スキンケア→2.これ→3.アイメイク→4.あとはグロスをさっと塗る程度で行ってきます!って感じです。そして仕事の休憩時間にパウダーをたたいておしまい。一日中アイメイクがよれることもなく助かっています。
目の周りのシミやクマが気になる人はボビイブラウンのインテンシブスキンセラムコンシーラーがおすすめ。コンシーラーの魅力についてはフィリピン版「ファンデーションは使っていません」 - Inside the gateでも書いています。

美容部員さんのこのひとことに陥落し、買ってしまった逸品

さて、VERONAとSULTANで作った優しい目元ですが、「よろしければこの二色ととても相性の良いアイライナーがございますので、引いていかれませんか?」という悪魔のささやきが聴こえてたので、悪魔に魂を委ねました。

www.narscosmetics.jp

ナイトシリーズアイライナーと言って、夜空をイメージして作られたそうです。だから控えめではありますがパールが入っていてとても綺麗。私がつけてもらったのは#8025でコバルトブルーのパールが煌めくブラック、とあります。
下瞼にひくアイラインって不潔に見えたり、ケバく見えたりするじゃないですか。だけどこの時美容部員さんに仕上げにひいてもらって鏡を見た時に「あ、これ欲しい」と思う美しさ。白目がクリアに見えるんですよ。そして美容部員さんの

「なんだか幻想的ですよね」

Night time sky


というダメ押しのような殺し文句もあり、アイシャドウと一緒に購入。お尻の部分にシャープナーも内蔵されていて実用的でもあるこのアイライナー。リピート決定です。

関連記事:アジアン・ビューティー風メイクはもっと目元にパープルを取り入れてもよい(2) - Inside the gate

こうやってシリーズを読み返してみると、全部NARSなの。私の中でパープル=演歌歌手というイメージを払拭してくれたブランドであることは間違えありません。

日本人特有の「病気でも頑張る!」というパフォーマンスはアメリカ人の目に異様に映る

ベースに勤めていた頃の話です。


「あいつまた休みなんですよ。信じらんない。マリアさんがおととい会った時、彼女具合悪そうでした?」


日本人女性従業員真由美さん(仮名)が私にこう聞いてきました。
真由美さんは、他の従業員が病欠して自分がカバーしなくてはならなかったため、激怒していたのです。困った時はお互い様なのにね。

「どんなに苦しくても働く」そのパフォーマンスが客にとっては見苦しい

彼女は古参の従業員で、典型的なドメスティック思考の従業員でした。そしてどんなに具合が悪くても出勤して働いて「自分はこんなに苦しくても、頑張っているんだ」というところをちゃんと見せて、「だったら帰っていいよ」と言われてから帰るのが社会人のあるべき姿だと思っている人でした。
げほげほいいながらお客様に商品を渡す・・・。
「私、苦しいけど頑張ってます」というパフォーマンス。渡される側の気持ちは考えずただの自己満足です。

Day 59, Project 365 - 12.18.09

だけど当時の上司・ライアンは違いました。根性!みたいな精神論と、質の良い接客はまったく関係ないという、常に顧客目線のプロフェッショナルな人でした。っていうかそれが社会人のあるべき姿ですよね。どんなに苦しくても頑張ると言い張るのであれば、お客様に見苦しいところを見せるべきではないのです。

You can't be sick here.というのが彼の考えでしたから、接客にあたる従業員がぜいぜいゲホゴホ鼻をずるずるさせていたら、そこで食事をしたいと思う人はまずいないだろうというような人。「そういう従業員に接客される客の気持ちを考えろ」
ですから彼は具合の悪い従業員はさっさと帰宅させて、自分も率先して現場に立ってフォローしてくれる上司でした。
病欠の従業員をカバーすることに対し真由美さんがあまりにもぶーぶー文句を言い続けるので、私はライアンが巡回してくるのを待ちました。

プロフェッショナルな考え方、働き方ができない女性従業員への対応

真由美さんは直接ライアンに不平は言いませんでした。ぷりぷりしながら、嫌々仕事をこなすのです。物を置く時にわざと大きな音をたてたりして「私、怒ってるの。なんで怒っているのか聞いて!」と待っているような人でした。男性にとって一番面倒くさいタイプです。
そしてライアンは真由美さんに「どうしたんだ?」と声をかけました。そして真由美さんの気が済むまで話させたのです。
私達はロボットではありませんから、365日健康で完璧に仕事はできません。ダウンすることもあります(ただしあまりにも当日欠勤が多いと、当然ながら業務評価、HPTの場合は契約更新に響きます)。
そういう時にお互いを助け合うことも仕事の一部なのに、自分が助ける側に立たされた時に過剰反応する真由美さんに、ライアンは静かにこういいました。
「帰っていいよ。僕がここに立つから」
ライアンらしい最終通告だなぁと思いました。聞いた瞬間は親切のようにも聞こえるけど、「そんな態度の従業員をフロントラインに置くわけにはいかない」という完全に匙を投げた冷たい言い方。
相手が恥ずかしくなるような、申し訳ないと感じるようなひとことで片づけるのです。負けたふりをして実は常勝というライアンらしい。真由美さんもバカではありませんので、このひとことを聞いてさすがにまずいと思ったようで、文句を垂れ流すことをようやくやめました。
病欠の人間が一人いてもカバーできる人員がそろっているのに、上司が現場に立つということは、従業員の誰かしらがきちんと仕事をしていないことになります。自分がその張本人になることは、真由美さんもまずいと感じたのでしょう。
ここまで書いてみると、この「病気でも頑張る!」というのは日本人特有より真由美さん個人の問題だったのかもしれません。同じ施設で働いていた他の日本字従業員達はここまで鬱陶しいパフォーマンスをしていませんでしたから。

休めと言ってくれるボス。じゃあ誰のせいで休みにくいの?

とはいえ慢性的に人不足である横須賀基地のフロントラインで働く人達はcall in sick(体調不良のため休ませてほしいと電話連絡すること)しづらいでしょう。

Head cold!

では誰のせいで当日欠勤しにくいのかというと、シフト調整をしているスーパーバイザー(フロントラインで働く従業員にとっては直属の上司にあたります)が漏らす「仕事増やしやがってよー」という本音のせいです。
責任ある立場でいろいろ大変なのは理解できますが、本音が出そうになってもぐっとこらえて「お大事にね」のひとことがちゃんと言えて、代打を速やかに手配できる器の人がスーパーバイザーであるべきです。

 
関連記事:朝礼くらいさわやかにやらせてほしい 日本の大声信仰が辛い - Inside the gate