Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

わけありと言われる人の「わけ」は把握しておいた方がいい


わけありで安くなっているものでも、その「わけ」が自分にとって気にならないものならいいですよね。だからこそ買う前にはっきりさせておきたいのですが、わけありなのが物ではなく人間の場合、見極めることが難しい場合もあります。

http://www.flickr.com/photos/83346641@N00/4918906463

photo by JD Hancock

恥やわだかまりを覚悟で出戻ってきた男

私が働いていた施設に、新しく男性職員が入ってくることになりました。仮名でフルーティー梅田としましょう
実はフルーティー梅田は出戻りでしたが、その施設を一度退職した理由を聞いて、私はよくそんなことをしておいて戻ってくる気になったなぁと思ったのです。そしてその時に私は気がつくべきでした。
そこまでしておいて(詳細は書けませんが)ここに戻ってくるということは、もはや他に行くところがない人なのだということに。

猫を被っている間には決して見えてこなかった一面

ベースは日本社会不適合者の寄せ集めみたいな場所の一面もありますが、自分も不適合者の一人でもあるせいか、彼らは同類の人々なのだと思うと親近感すら沸いてくるものです。私達は皆ここで救われるのだと。
だからフルーティー梅田が出戻ってまだおとなしくしていた頃は、なんだいい人じゃないか、と思っていたくらいです。出戻りに際し古参の従業員達が「戻ってくるやつ、嫌な奴だよ~」と冗談交じりに警告してきても、大して心配していなかった私ですが、彼らは正しかった・・・。
だけど四十にもなって職を転々とし、そしてオフベースで社会人をしていた頃に勤めていた場所がいかに華やかで、外見が選考基準において高い比重をしめるところだったかを得意げに語るフルーティー梅田を見ていて、やっぱりこいつ変だ、と思うようになりました。
そしてそんな華やかなところを去って「なんでここに戻ってきたんだろう」と思うようになったのです。そして後に、その答えを私は身をもって知ることになるのです。

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「この人はもう他に行くところがないのだ」と私に思わせるようなことを、フルーティー梅田はやり始めました。そして私は大きな問題を抱えました。それは、私が彼に好かれてしまったことです。

猫を被っている間には決して見えてこなかった一面

横須賀基地に流れ着いた社会不適合といっても色々います。

  1. 日本社会で窮屈な、息苦しい思いをしてきた、社会性と協調性を備えつつもぶっとんだ面白い人達。
  2. 人間として成熟していないため、自分の思い通りにならないとすぐに「辞めようかな・・・」と言い出すような、ただの我侭な人達。


フルーティー梅田は2.のタイプでした。四十歳を過ぎて2.ということは、もう学習・成長することはないと思いますのでかなり危ないわけあり物件だったということです。それを私は最初の段階で見逃し、また見誤り、仲良くしてしまったのです。
こんなやつがなぜ再雇用されたのかといいますと、当時この施設は猫の手も借りたい状態だったからです。出戻りの人間は多少わけありでも、トレーニングにかかる時間が少ないからいいだろうという安易な判断でフルーティー梅田は雇われました。

確かにわけありだけど、昔は昔。今はきっといい人になったはず、なんていう私の甘い考えのせいで、私はフルーティー梅田という寄生虫のような男にとって、居心地の良い宿主のようになってしまいました。よく考えてみればフルーティー梅田が、こんなやつに好かれたら厄介だ、という人間であることだというヒントはたくさんありました。
例えば彼は有給をまったく使いませんでした。日系企業に比べると、ベースではどこでも比較的有給はとりやすいはずなのにとらなかったフルーティー梅田。彼の本性を見抜き始めていた私は、それはなぜなのかすぐに理解できました。一緒に過ごす人がいないのです。
かといって一人きりで過ごすのも嫌だったのでしょう。恋人も友達もいない(できるわけない)寂しい男だったのです。
ある雨の日のこと。その日寄生虫彼は休日のはずなのに、勤務先にやってきて宿主である私にこういいました。

「まりあさん、さっきそこのスタバでお茶してたら急に雨が降ってきたんだ。それで傘借りようと思って来てみた!」

そのスタバからベースまで徒歩で約5,6分かかります。
スタバの隣にはイオンがあり、その向かいにはローソンがあります。

ベースまでわざわざずぶ濡れになって来なくても、すぐ近くで傘は手に入るのです。おそらく休日は話す相手もいないため、傘を借りるという口実を作ってまでベースに話し相手を求めにやってきたのでしょう。
フルーティー梅田はなぜ人が自分から離れていくのか知りません。そしてきっと今も知らないのです。

・・・とここまで書きました。皆さんは「じゃあフルーティー梅田のどこがそんなに危ないわけ?」と不思議に思っていらっしゃることでしょう。それを書いてしまうと確実に個人の特定につながってしまうため、残念ながらここでは書けません。いつかうまくフィクションにして書こうと思います。