Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

退役軍人の懺悔

http://www.flickr.com/photos/26551913@N03/3023004654

photo by Theophilus Photography

画像はflickrからお借りしているものであくまでもイメージ画像です。本記事に登場する退役軍人とは何の関係もありません。

Henryさんという退役軍人の方から聞いた話です。

「僕がドイツに駐屯していた時の話だ。もう大昔の話だね。
その時ドイツ人女性と一緒に暮らしていた。僕にはもったいないような素敵な女性だった。心の優しい人でね・・・・。
だけど僕はベトナム戦争で戦いたいと思うようになり、志願した。そしてベトナムに向けて旅立つことになったその日、僕はこっそり家を出たんだ。彼女には何も伝えず、挨拶もせずね。
とてもよくしてくれた女性にひどいと思うんだろう?彼女はいつものように僕の帰りを待っていても、もう二度と帰ってこなかったってことなのだから。
ああ、僕はa**holeだった。若さからくる愚かさではなく、ただ愚かだった。当時僕はまだ若く、一人の女性と落ち着こうという気もなく、ベトナム戦争が正義だと信じていた。
だからちょうどいい機会だと思って黙ってドイツを離れた。だけどあれから何十年も経った、孫もいて幸せな今、ふと自分のしたことの冷酷さに心が痛むことがあるんだ。

君は今彼女が幸せにしていると思う?フェイスブックで探してみようにも、この歳じゃアカウントを開く気にもなれないし、ドイツの新聞に広告を載せようかとも思ったけど、その広告を仮に彼女が見たとして、連絡してきてくれると思うかい?」


彼女はきっと幸せにしていると思いますよ。
広告を見たら連絡してきてくれるかどうかって?

私ならします。
もう大昔に終わったことだからどうでもいいことですけど、それでも元気でやっているよ、ということは知って欲しいということと、罪悪感から解放されてほしい。
思い出話に花が咲くということはないでしょう。だけどかけがえのない時を過ごした人ですよ。自分を深く傷つけた男であることには変わりないけど、そういうことを乗り越えてきた人生も悪くはない。