Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

在日米軍基地で働く従業員の現地採用、本国採用はどう決まる?


◆この記事は住宅手当のない現地採用のアメリカ人にも親切な対応をしてくれた唯一の不動産会社 - Inside the gateという記事の続きです


クイズです。(★全員架空の人物です)

a) 原子力空母ロナルドレーガンに乗船する現役兵士を夫に持つ久美子さん

b) 横須賀基地で米海軍をリタイアし、2か月ほど無職で過ごした後運よくGSとして横須賀に仕事を得た夫を持つ真由さん

c) グアムの米海軍の基地で民間人として働いていた夫が、横須賀基地でよりグレードの高い仕事を得たため家族そろって来日したというフィリピン人のシンシアさん。

久美子さん、真由さん、シンシアさんの共通点は全員SOFA Sponsored(横須賀基地では俗にAmerican sideと呼ばれる。私もこれです)であるということです。彼女達が全員横須賀に暮らしながら、同じ仕事をしていると仮定します。だけどこの中で本国採用(American hire)は二人、現地採用(Local hire)は一人です。同じ仕事をしたとしても待遇は違います。


【正解】

(a)久美子さんー本国採用
(b)真由さんー現地採用
(c)シンシアさんー本国採用

同じように横須賀に住み、横須賀基地で働く夫を持つのになぜステイタスが違うのでしょうか?

America


久美子さんもシンシアさんもこの仕事に応募した時は既に横須賀に暮らしていました。なのになぜ現地採用なのではなく本国採用なのかというと、夫が現役将兵あるいは駐在員(ともに本国から派兵・派遣されている立場)なのでその扶養家族ということで自動的に本国採用となります。要するに配偶者が日本国の居住者ではなく、日本国に滞在しているだけのアメリカ国民だと本国採用になるようです。
一方、現地採用組・真由さんの場合、夫が横須賀でリタイアして無職になり、いったんアメリカ政府と雇用関係がなくなってしまい日本在住の一民間人(=アメリカ政府から派遣も派兵もされていない。日本国の居住者)として横須賀基地の空席に応募・採用されたため(現地採用)、妻の真由さんも自動的に現地採用となります。
もしも真由さんの夫がリタイア後にいったんアメリカに帰国し、そこから同じポジションに応募して採用された場合、駐在員として横須賀に戻ってくる(本国採用)ことになりますから、住宅手当も支給されますし、真由さんが横須賀基地の空席に応募して採用された場合、同じように本国採用となります。

以上私がわかる範囲で書きましたが、もっとわかりやすく説明できる方からのコメントもお待ちしております!

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