Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

米軍のアフリカン兵士達を見ていて思ったこと 

横須賀基地所属の米海軍兵士の中には、アフリカ諸国からの移民兵士もいます。
見かけた数は少ないけれど、接客をしていて英語の独特のアクセントや名字で「アフリカンだな」とわかるものです。

アフリカからの移民兵士かな?と思うのはこんな時

ワーキング・ユニフォームの右胸には、兵士の名字が刺繍されていますが、その名字が:

  • 「ン」で始まっている(ンガ・・・ンゴ・・・みたいな苗字)
  • うまく説明できないけどゲルマン系の言語でも、スラブ系でも、ローマン系でもないエキゾチックな響きの苗字

の場合、話してみると予想通り独特のアクセントのある英語で、アフリカンだとわかります。時々ほとんどアクセントのない、むしろアメリカンアクセントで話すアフリカン兵士もいますが、そういう兵士はおそらく小学生、中学生くらいの時にアメリカに移住したと思われます。
アフリカ系の米軍兵士といってもやはり様々で「〇〇系は最悪」とひとくくりにしてはいけないのも事実です。まあこれはどこの国にも嫌な奴ってのはいるということなんですよね。

大きな声で自分達にしかわからない言語を大声で話すガーナ系兵士の集団

この人達は漂うオーラがちょっと苦手なので近づかないようにしていますが(妻達も怖い)、筆者がまだベースで働いていた頃、ガーナ系兵士達とその妻の集団をあるイベントで接客したことがあって、もうひどかった。詳細をここで書くことは控えますが、今その夜のことを振り返ってみると、同胞で揃って民族衣装に身を包んで集まってパーティーにかけつけて、一体感に酔いすぎて気が大きくなってあんなことをしたのかな・・・と思いたいです。

彼らも子供の頃は皆こんな風に可愛いかっただろうにね。

Ghana


また私が彼らのオーラがちょっと苦手だなと思う理由は、彼らのタフさからくるものなのです。
彼らが生まれ育った国には豊かな文明こそあるものの、それだけでは食べていくことができないゆえに、外に出なくてはならなかった人達にはそれなりの強さ、したたかさがあります。強くないと海外で生きていくことは難しいのでしょう。そしてそれらは年月をかけて彼らの顔立ちや振舞いを作り上げていきますが、私はそれらを見ると日本で何不自由なく育った私など、彼らに容易にひねりつぶされてしまうような気がしてしまうのです。萎縮するっていうのかな。

つるまないアフリカン兵士達の場合

彼らを見ていて思ったことは、寂しそうということ。

http://www.flickr.com/photos/27365066@N02/4390947165

photo by -Reji


「同じ黒人でも俺達はBroって声をかけてもらえないんだ」
「いや、俺別にBroって呼ばれなくていいし。そもそも無理してまでBroになろうと思ってないから」
「そうだよ。アフリカンとしてのアイデンティティに誇りを持ってるからいいんだよ」

そんな声が聞こえてきそうです。だけどつるまないアフリカ系兵士の場合お行儀がよい人が多いので、先述のガーナ系のガラの悪そうな集団のせいで「これだからアフリカ系はよぉ」とジャッジされてしまい迷惑をしている兵士達ともいえるでしょう。
また既婚のアフリカ系兵士でも、妻と子供と静かに暮らしながら同じアフリカ系兵士と群れて騒がない人達もいますし、そういう人達はやはりマナーもきちんとしています。もちろん奥さん達も、です。

そして彼らは不思議とあの例のガラの悪い集団と顔立ちが違うのです。これは筆者の思い込みではありませんよ。確かに何かが違う。

語学の壁は思った以上に高い

American Flag,

「伝えたい、わかってほしい、誤解されたくない」という語学学習のモチベーション(1) - Inside the gate」という記事では、中学の途中で中東欧某国からアメリカに移民した美女の例について書きましたが、アメリカ人の中に溶け込んで生きていくには、そのくらいの年齢がもう最後のチャンスだと思います。
恥ずかしい思いや痛い思いをしてネイティブフォースの英語を身につけ、ちゃんと大学に行って学位もとれば可能性は広がりますし、逆に言えば、英語が話せないことを補っても余りあるほどぬきんでているもの(才能や資産)がない限り、英語がネイティブレベルで話せないということは、アメリカでは明るい未来につながるほとんどの扉が閉ざされている状態ともいえます。
だけど横須賀基地の米軍にいるアフリカン兵士のアクセントを聞く限り、成人してから移民してきたのが明らかな方もいます。アメリカがいくら移民の集まる国とはいえ、やはり言語の壁は高く「さあ、言語の壁なんて越えて仲良くしようじゃないか!忍耐強く聞いてあげるから、英語なんてゆっくり覚えればいいよ」と両手を広げて迎え入れてもらおうなどと考えるのは甘いのです。

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母国語だったらいくらでも面白いことなんていえるのに、英語になった途端自信を喪失してしまうという気持ちは私も理解できます。そして自信が持てないことにより「どうせ自分といても楽しくないだろうな」と遠慮がちになることで、輪から少しずつ離れていくことになると、英語で思うように自分の言いたいことが伝えられないというストレスや劣等感から解放されると同時に、孤立していきます。そして英語力が停滞していく→さらに強い疎外感という悪循環に陥ります。
アフリカン兵士のこういう孤独は、毎月二回のpaycheckの数字を見るたびに報われるのでしょうか・・・・。

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