Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

モンスター従業員のトレーニング


華やかなキャリアを築くこともなく無駄に長い私の社会人生活で出会った中で、最強・最悪の従業員について書きます。モンスター以上にしっくりくる描写が見つかり次第記事のタイトルとニックネームも変えます。
このモンスター従業員はまるでエスターのようでした。

エスターは同名のタイトルの映画の主人公で、パッケージにあるように「この娘、どこか変」なのです。周囲から見たら哀れで聡明な里子なのに、義母にだけは本性を現して攻撃します。そのずるさと汚さは、周囲に虐待がばれないようにするため、見えるところにはあざを作るのを避けて我が子に乱暴する大人のそれでした。
エスターは見た目は子供でしたが、実は大人だったのです。そうやって陰でねちねちと義母をあらゆる方法で苛立たせ、そしてある日義母は爆発してしまいました。だけどモンスター従業員は私達を爆発させることはできませんでした。なぜなら私達が爆発する前に、汚くてずるい彼女は追い出されてしまったからです。

賢くないのに被害者面して周囲を騙せると思っていたのがそもそも大間違い

モンスター従業員をエス子さんとしましょうか。
エス子さんとエスターの大きな違いは、エスターは非常に賢かった(そして見た目は子供だったけど、実年齢は30代)に対しエス子さんは頭も悪く愚かでした。
何か教えても、指摘しても「はい」で済ませることができない。何かひとこと言わないと気が済まない人。
エス子さんは何に対しても「でもぉ~」と否定から入り、(10回くらい既に教えていることに対し)「え・・・そんなことまだ教えてもらってませんよ」と、ねちねちたらたらとトレーナー達を苛立たせはしましたが、エス子さんにはエスターと違って味方がいませんでした。なぜなら周囲は皆エス子さんが使えない人だということを良く知っていたからです。
なのに「みんなが私を苛める~」という風に見せようと必死で演出していました。

とにかく仕事が覚えられない、覚える気がない

仕事を覚えるのがおそいうえに、「なるべく楽をして稼ぎたい」というのを隠しもしなかったエス子さん。面倒くさい処理を避けたがっているのは一目瞭然で、メモをとるポーズはとっていたけれど、そのメモを頼りに自分で処理しようとしたことは、短い在籍期間中に一度もありませんでした。
そういう面倒なことから逃れることには知恵が働くのに、仕事は覚えられない最悪のパターンです。そのエス子さんのトレーニングの初日は、フィリピン人従業員が担当しました。実はエス子さんは他のコマンドから異動させられてきたわけあり従業員だったため、受け入れ側の従業員達は彼女を「使えない人」という偏見を持って見ていたことは否めません。
彼女のトレーニング初回を担当したフィリピン人従業員から私にメッセージが送られてきて、文章はなく絵文字だけでしたが、その絵文字が多くのことを物語っていました。

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(実際に送られてきた絵文字)

このフィリピン人従業員とは別のフィリピン人が私にこう漏らしました。
「エス子は~、なんか~自分が一番頭いいと思ってるみたい」
仕事ができない人に限って「自分はおかしくない」「教え方が悪い」という自信を持っているものですが、エス子さんもその例に漏れませんでした。私も彼女をトレーニングしていて「ああ、私は今このモンスター従業員に馬鹿にされているわ。見下されているわ」と何度思ったことでしょう。エス子さんの顔には「なんで私があなたのいうことを聞かなくちゃいけないの?」という意思がにじみ出ていましたから。おそらく彼女は東大卒以外の人間のいうことは聞かないでしょう。
そしてある日、私はついにエス子さんにこう言いました。
「私のことを馬鹿にするのはかまいません。『こんな奴のいうことは聞きたくない』と思っておられるのでしょう。ただ私のことを馬鹿にするのであれば、私を頼らないでください。難しいことはすべて私に丸投げですよね?エス子さん、非常に賢い方のようですから、ご自分でなさってはいかがですか?」

私が彼女にこう告げた時、もちろん周囲に他の人達=後から証人になってくれる人達がいるのを確認しましたよ。なぜか?それはこういうモンスター従業員は、HROに駆けこんで事実を捻じ曲げて話しますからね(そしてHROでも相手にされない)。
こういうばばぁに苛立たされて爆発しないように、受け入れ側の従業員達は気をつけるようにしていました。悪いのはエス子ですが、損するのはキレた従業員ですからね。

試用期間中に他施設への異動が決定

エス子さんにとって、この施設は5カ所目でした。とにかく使えないため、横須賀基地内でたらい回しにされていたわけです。彼女はIHAでしたから解雇はなかなかできなかったし、IHAであるということは賞与をはじめとする各種手当もすべて出ていました。何度も書きますが、防衛省に守られているって素晴らしいけれど、これもいつまで続くかわかりませんよね。
そんなエス子さんですが、なんと私達が働く場所に異動してきてから3か月も経たないうちに、他の場所への異動を通達されて出て行ってしまいました。施設内の他のどのセクションでも「彼女は無理だろう」と受け入れ先がなかったからです。
試用期間中でお払い箱になるのは横須賀基地でも珍しいケースだとききましたが、決定打になったのは、彼女の性格的な問題やパフォーマンスの低さが、多くの顧客と他のセクションに迷惑をかけていたという事実です。迷惑をかけていたのが彼女を受け入れざるを得なかったセクション内だけならば、幹部も「君達には悪いけど、もうちょっと我慢して様子を見てくれる?」と目をつぶっていたことでしょう。
見て見ぬふりをできないほどの惨状に私達を陥れても、彼女は6カ所目の勤務先でこういったそうです。

「あそこでは皆に苛められていたの」


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