Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

仮面夫婦を生みだす米軍の福利厚生の手厚さ


一見幸せそうでも、実はもう結婚生活が暗礁に乗り上げているという米軍関係者夫婦を何組か見てきました。その中で一人親しくしていた女性がいて、彼女がこう漏らしたのを今でもよく覚えています。

「本来ならね、私は今頃日本にいないはずなの。アメリカにいた頃から離婚を考えていた。原因?夫の浮気。だけどどうしても夫が関係の修復をしたいから一緒に日本に来てくれって言ったから来てみたけど、このざまよ・・・」

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福利厚生に執着するのは通常女性側。だけど男性が執着する場合もあるというケース

たいてい離婚されたら困るのは女性の方です。社会的、経済的に夫に依存しているからです。だから浮気だってよほどひどくならない限り、目をつぶるでしょう。ただこの女性の場合は

  • 経済的に自立していた
  • 修復を考えつつも離婚のことは常に頭の片隅にあったため、子供を作っていなかった

ため「やれるだけやったから、もういい。これからはもっと幸せになるために頑張ってみようと思う」と離婚に踏み切った勢いがかなりあったほうです。だけどこの夫婦の場合、離婚に向けて彼女の背中を押したのは福利厚生に対する夫の執着でした。

「彼は関係を修復したいから一緒に日本に来てくれって言ったけど、実はそうじゃないのよ。彼にとって大切だったのは、愛じゃない。私(=扶養家族)がいることで、与えられるハウジングだって手当てだってより大きくなる。特に日本に駐屯している間はものすごく手当てがいいでしょう。彼にとって大切だったのは、そこなのよ。それをひしひしと感じて、どんどん愛が冷めていった」

 
彼女と語った夜、本音を語るためにお酒の力を借りるは必要ありませんでした。二人ともカフェイン・アディクトということもありますが、コーヒーを飲みながらしんと夜が更けていく中でずっとこんな風に語りました。
その時に聞いた話の中で心に残っている言葉がたくさんあるので、今度ご紹介しようと思いますが、今日は一つだけ。

"I love my husband, but I'm not in love with him anymore."
「夫を愛しているわ、でももう男として愛していないの」

 

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