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Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

イケメンアメリカ人上司の焼きもち

 船という船が出払っていたとても静かな横須賀基地で、いつものようにフロントデスクに立っていたある日のことでした。
イケメン上司・ライアンがその日はやたらとデスクの前を用もないのに行ったりきたりするのです。しかもそわそわしている。

"You need help?"などと時折声をかけてくれますが、どうも様子が変でした。彼は確かに現場主義の幹部でしたから、オフィスに一日中座って退勤時刻を待つような怠け者ではありません。だけどそれにしてもうろちょろしすぎだろうという日があったのです。

そしてその理由がわかりました。

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コメントカードを読んで嫉妬したとしか思えない

「君、お褒めの言葉をお客様からいただいたようだね」とライアンが言いました。ああ、Victorがコメントカード書いてたっけ・・・と思い出しました。だけどVictorは私だけに書いたわけではなく、私の同僚達に対する分も書いたのです。

「ええ、私だけでなく他のスタッフにもポジティブなコメントを残してくれたの。私達も大好きなお客様で、話していて楽しい人よ」

そう伝えると、ライアンはVictorが書いてくれたコメントカードのコピーを取り出すと、はい、と言って私に手渡しました。

「ねえ、この-chanって何?」

「Maria-chanっていうのは、そうねぇ・・・。darlingともちょっと違うし・・・親しみをこめてつけるのが『○○ちゃん』なの」

「ふうん・・・だから君の名前だけにつけてあるんだ。他のスタッフの名前の後にはついてなかったよ」

「日本人以外のスタッフの名前の後にちゃんづけしたところで、された本人達がなんのことかわからないかもしれないでしょう。わからなかったら意味がないじゃない」

「君は相変わらず鈍いねぇ。コメントの内容も君の分だけちょっとパーソナルだっていうのに」

そう言ってもじもじしながら、ライアンはその場から離れようとしませんでした。

(もしかして焼きもちをやいているのかなぁ・・・・)

 

万国共通のTurnoff  モテ自慢ほど男性を萎えさせるものはない

若い頃の自分なら、焼きもちをもっとやかせたくて、この会話の流れの中で「この間は他のお客さんにこんなことを言われて・・・・」とか聞かれてもいないのに自ら言っていたことでしょう。だけどそんなことをする年齢ではありませんでした。そういうことをしたらどんな男性でも引いてしまうこと(=turnoff)くらい学習していましたからね。

「ライアン、ここはベースだから客のほとんどが男性でしょ。ってことは女性店員は女ってだけで喜ばれるのよ。特別魅力的である必要なんてないの」

ライアンは私を見つめたまま、黙ってしまいました。

彼はかつてこういいました。

「お互い既婚者だから、この一時的なときめきに未来はなくて、すぐ終わるもの」

だからこそ賞味期限内に嫉妬というスパイスの風味も楽しめばよいのです。気楽に楽しみましょう。ときめきなんて、彼が日本にいる間の暇つぶしなのですから・・・。