Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

ボキャビルのために翻訳版を読んでから原作を読むのはどう?

映画を見てから原作を読むと、映画でストーリーを知っている分、わからない単語に遭遇してもその意味が想像しやすい→読みやすい!それならば翻訳版を読んでからでも効果は同じだと思われるでしょう。実は私もそれが目当てで翻訳版→原作という順で読んだことがあるので良い点と悪い点をあげてみます。

 

悪い点1 飽きる

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(左側はCaddy for Life。右側は翻訳版。レビューはざっくり「ALSと聞くとこの人を思い出します Bruce Edwards氏 - Inside the gate」で書いています)


翻訳版→原作の順だと、もう目的が明らかにボキャビルなので、同じ物を二度読むということに飽きてしまうんですよね。映画→原作なら飽きない理由ですか?それはボキャビル目的で読んでないから。映画が素晴らしかったから、原作はもっと素晴らしいに違いない!とか「あの登場人物のことをもっと知りたい」という期待・願望を込めて読んでいるため、ちっとも苦にならずむしろ単語や熟語がすっと頭に入ってくる。

悪い点2 翻訳された文章に戸惑う

ここ数年アメリカ南部に興味があり、ミシシッピを舞台としたあからさまな黒人差別について書かれた「ヘルプ」を読むことにしました。で、当然翻訳版から読むのですが、なんで黒人女性の喋り方を日本語にすると

「・・・・なのさ」
「やるっきゃないんだよ」
「〇〇しちまった」

というように昭和のヤンキーみたいな話し方になるのが気になりました。

良い点1 会話の流れをはじめとする状況、情景が想像しやすい

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黒人への差別がまだまだあたりまえだった1960年代のアメリカ南部・ミシシッピ。当時の様子を母国語でまず読んでみたことにより、英語で読んだ時の臨場感が強まりました。日本語で読んで予備知識を得てから英語の原作を読むことにより、鍵となる単語や表現が理解できないことがどうしてもひっかかり、読書の楽しさに没頭することができないというストレスが大きく軽減されました。ゆえに英語の原作を読んだ方が鮮明に浮かび上がるものも多く、何度も英語で読み返したくなるのです。

【関連書籍】洋書(原作)が二倍楽しく読める一冊

ハリー・ポッターは大人のネイティブスピーカーもはまってしまうファンタジー。文化や言葉の壁を乗り越えて大人同士として会話をするためにも、この本を堪能できるくらいの語彙があった方がよいでしょう。これは翻訳版ではなく、ハリー・ポッターの原作を楽しむために書かれたガイドブックのようなものです。
これを読むと「この言葉や背景を知らなかったばかりに原作の意味がよくわかないし、楽しめなかった・・・・」ということは避けられるし、原作の面白さを堪能できるというわけです。こういう予備知識のまとめみたいなガイドブックなら、原作を読む前に目を通すのも効果的でしょう。
「あ、これガイドブックでこういう風に書かれていたやつだ」と思うものが出てきたら、知っているからこそ楽しめるという感覚がわかると思いますし、単語や熟語もすっと頭に入ってきますよね。

「ハリー・ポッター」Vol.1が英語で楽しく読める本


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