Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

日本人特有の「病気でも頑張る!」というパフォーマンスはアメリカ人の目に異様に映る

ベースに勤めていた頃の話です。


「あいつまた休みなんですよ。信じらんない。マリアさんがおとといやつに会った時、彼女具合悪そうでした?」


日本人女性従業員真由美さん(仮名)が私にこう聞いてきました。
真由美さんは、他の従業員が病欠して自分がカバーしなくてはならなかったため、激怒していたのです。困った時はお互い様なのにね。

「どんなに苦しくても働く」そのパフォーマンスが客にとっては見苦しい

彼女は古参の従業員で、典型的なドメスティック思考の従業員でした。そしてどんなに具合が悪くても出勤して働いて「自分はこんなに苦しくても、頑張っているんだ」というところをちゃんと見せて、「だったら帰っていいよ」と言われてから帰るのが社会人のあるべき姿だと思っている人でした。
げほげほいいながらお客様が注文した食べ物を渡す・・・。
「私、苦しいけど頑張ってます」というパフォーマンス。渡される側の気持ちは関係ありませんでした。

Day 59, Project 365 - 12.18.09

だけど当時の上司・ライアンは違いました。根性!みたいな精神論と、質の良い接客はまったく関係ないという、常に顧客目線のプロフェッショナルな人でした。っていうかそれが社会人のあるべき姿ですよね。どんなに苦しくても頑張ると言い張るのであれば、お客様に見苦しいところを見せるべきではないのです。

You can't be sick here.というのが彼の考えでしたから、接客にあたる従業員がぜいぜいゲホゴホ鼻をずるずるさせていたら、そこで食事をしたいと思う人はまずいないだろうというような人。「そういう従業員に接客される客の気持ちを考えろ」
ですから彼は具合の悪い従業員はさっさと帰宅させて、自分も率先して現場に立ってフォローしてくれる上司でした。
病欠の従業員をカバーすることに対し真由美さんがあまりにもぶーぶー文句を言い続けるので、私はライアンが巡回してくるのを待ちました。

プロフェッショナルな考え方、働き方ができない女性従業員への対応

真由美さんは直接ライアンに不平は言いませんでした。ぷりぷりしながら、嫌々仕事をこなすのです。物を置く時にわざと大きな音をたてたりして「私、怒ってるの。なんで怒っているのか聞いて!」と待っているような人でした。男性にとって一番面倒くさいタイプです(だからバツ2なのかな)。
そしてライアンは真由美さんに「どうしたんだ?」と声をかけました。そして真由美さんの気が済むまで話させたのです。
私達はロボットではありませんから、365日健康で完璧に仕事はできません。ダウンすることもあります(ただしあまりにも当日欠勤が多いと、当然ながら業務評価、契約更新に響きます)。
そういう時にお互いを助け合うことも仕事の一部なのに、自分が助ける側に立たされた時に過剰反応する真由美さんに、ライアンは静かにこういいました。
「帰っていいよ。僕がここに立つから」
ライアンらしい最終通告だなぁと思いました。聞いた瞬間は親切のようにも聞こえるけど、完全に匙を投げた冷たい言い方。相手が恥ずかしくなるような、申し訳ないと感じるようなひとことで片づけるのです。負けたふりをして実は常勝というライアンらしい。真由美さんもバカではありませんので、このひとことを聞いてさすがにまずいと思ったようで、文句を垂れ流すことをようやくやめました。
病欠の人間が一人いてもカバーできる人員がそろっているのに、上司が現場に立つということは、従業員の誰かしらがきちんと仕事をしていないことになります。自分がその張本人になることは、真由美さんもまずいと感じたのでしょう。
結局真由美さんはその日、きちんと病欠の人の分もカバーして帰りましたが、今思うと真由美さんはそれなりに雰囲気のよいお店で食事をしたことがないのかなぁと思いました。自分が客としてされたら嫌なことが想像できないのですから、質の良い接客に触れたことがないのです。
ここまで書いてみると、この「病気でも頑張る!」というのは日本人特有より真由美さん個人の問題だったのかもしれません。同じ施設で働いていた他の日本字従業員達はここまで鬱陶しいパフォーマンスをしていませんでしたから。

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