Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

ベースで日本人客が冷たい対応を受ける理由


横須賀基地の娯楽施設で冷たい対応をされた場合、その対応にあたったのは日本人従業員でしたか?日本人女性従業員の中にはそもそも「若いイケメンアメリカ人以外は丁寧に接客する気なんてありませーん」とでも思っていそうなバカもいます。

米軍基地の日本人従業員の態度はいまだに悪いのか? - Inside the gate


だけど今日の記事はそういうbi**h達以外のケースで、「まあ従業員の気持ちもわからなくもないな」と私が感じたケースです。

日本人客はダイニングという空気の中で浮いてしまう

これは私達夫婦が、日本人数人を連れてダイニングに行った時に気がついたことです。

日本人はダイニングでもまるでサイゼリヤにいるかのようにオーダーしようとします。サイゼリヤ風、わかります?おばさんが2,3人で色々なものをちょっとずつつまみながら、ワインを飲んで大満足!「この色々なものをちょっとずつ」に、ウェイトスタッフ達は苦しめられるのです。それについては後ほど詳しく書きます。

Dining Room

(実際の施設の画像ではありません)

横須賀基地にいくつかあるダイニングに入ると、テーブルクロスがきちんと敷かれ、その上には磨かれたシルヴァーウェアとグラス、形を整えてあるナプキンが置かれています。もうその時点で「ファミレスではないな」とわかりますよね?
こういう場所に入って席に通され、そしてメニューを渡されます。開いてみるとたいてい

  1. Appetizer(前菜)
  2. スープ
  3. サラダ
  4. Entree(メイン)
  5. デザート

で構成されているはずです。ですから2人で楽しむのであれば、前菜とサラダをシェアし、Entreeは一人に一つずつ注文すると、ディナーがゆっくりと楽しめます。ウェイトスタッフ達も「あそこは今前菜を食べているから、次はメインで・・・」と流れがつかめます。

日本人特有の「色々頼んでみんなでシェア」がウェイトスタッフを苦しめる

だけど日本人の団体客の場合、この流れはまったく関係なく、「とりあえずこれをオーダーしよっか」と言って前菜とあと何かもう一つオーダーし、皆でちょっとずつつまむ。そして食べ終わりそうになると、またメニューを見て「じゃあ次はこれとこれ」と注文し、皆でつまむのです。ちゃんと敷き皿が使われているEntreeを大人数人でつつく姿は、かなり異様です。そういう風に食べたいならわざわざダイニングに来なくても、居酒屋の方がコスパがよさそうですよね。
アメリカ人やフィリピン人達のテーブルだと「あのテーブルはもうEntreeまで出したから、あとは〇〇だけ」という風に終わりが見えますが、サイゼリヤ風に「みんなで楽しくちょこちょこ」をダイニングでもやろうとする日本人団体客のテーブルは、終わりが見えません。特に忙しい時などキッチンとホールの1往復がどれほどウェイトスタッフにとって負担になるのかは、私もベース勤務時代に彼らが働く様子を見ていたのでよくわかります。
そこに追い打ちをかけるかのように「新しいお小皿いただけます?」(ちょこちょこ食べに欠かせないアイテムですからね)とにっこりお小皿爆弾を落とされると、もう職場放棄したくなるでしょう。

Fuck you!

こんな風にしてウェイトスタッフは精神的にも、体力的にもやられるため、日本人の団体客の姿を見ると、ため息が出てしまうのです。

米軍基地の福利厚生施設で長居するということ

居酒屋が二時間制を導入して久しいですが、そのくらいしないと帰らないのが日本人客。そういうのが国民性なのかはわかりませんが、そのだらだら長居する様子は、米軍基地のダイニングでも見受けられました。
テーブルの上に何も残っておらず、ウオーターグラスしかなくてもずーっと喋ってテーブルを占有し続ける。
米軍基地のダイニングはそもそも米軍関係者達とその家族たちのための福利厚生施設なので、日本人客が食べ終わってもだらだら長居している間、米軍関係者達が店の外で待たされるというのはやはりよくありません。ここらへんの空気を読み取らず長居してばかりいると、「いい加減にテーブル空けてくれないかなぁ」と思われてしまいます。

骨折り損のくたびれ儲けというリスク

過去に「日本人客はチップをおかない」と記事で書きました。チップ制について知らない場合はしようがないのですが、「何が美味しいんですかぁ?」「おすすめはなんですか?」という質問にも丁寧に答え、ちょこちょこ食べで振り回されたあげく、

N, NO TIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIP!

shock_hazard

という結末もありえるわけです。
「チップのために働くのはおかしい」とおっしゃりたい気持ちもわかります。だけど一度味を占めてしまうと、No tipって本当にがっくりするものなのです。
だから日本人客に対しては「どうせ頑張っても何にも置いていかないんだろうな」と思って、冷たくなってしまうウェイトスタッフもいるのでしょう。

 

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