Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

パリで起きたテロ関連のニュースを見ていて感じたこと 「まさかこの人が・・・」って皆言うのですが、本当にそういうものなのでしょうか


まさに13日の金曜日の悪夢となったパリでのISによるテロ。
そしてそのテロの実行犯達の隠れていた場所であるパリ北部の街、サン・ドニ(Saint-Denis)のアパートには、今回のテロの主犯格とされている Abdelhamid Abaaoud(アブドゥルハミッドゥ・アバウドゥ)というモロッコ系ベルギー人男性や

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他のISのメンバー、そして主犯格アブドゥルハミッドゥの従姉妹であり、欧州初の女性自爆犯とされているモロッコ系フランス人のHasna Aitboulahcen(ハズナ・アイブーラセン)が潜伏していました。 

この拠点をフランスの警察が襲撃するにあたり、警察側は当然アパートの他の世帯をまず非難させています。
アパートの上空を飛ぶ警察のヘリの音、そして多くの世態が出て行くのですから、いくら外がまだ暗いうちとはいえ、テロ実行犯達も「その時」が近づいていることくらいは気がついていたでしょう。
そしてその時がやってくると、ハズナは窓際に立って「助けて!」と叫び警察をおびき寄せて、自爆の道連れにしようとしますが、そこから動いたら撃つぞという警察の返答を聞き、道連れはあきらめました。
そして彼女は部屋に戻ってカラシニコフのライフルを手に取ると、窓の外に向かって撃ち、これが警察との銃撃戦の始まりとなりました。

 

「おまえのボーイフレンドはどこだ?!」


「ボーイフレンドじゃないわ!」


主犯格のアブドゥルハミッドゥを探す警官とハズナとのやりとりが動画中でも聞かれます。このやりとりの数秒後、ハズナは自分が着ていた爆弾ベストに着火しました。
爆発の威力はすさまじいもので、ハズナ達が潜伏していたアパートの床は抜け、ハズナの脊椎は表通りで発見されたそうです。

女性自爆テロ犯を知る人々のインタビュー「テロ実行犯とは程遠い人物像」

「人生を愛していたし、いい子だった。ダンス教室やユースクラブにも一緒に通った。問題なんてなかった。色々経験するなかで自分を見失ったのではないか」(学生時代の友人)

「一年・・・いや、一年半前くらいまでは普通に洋服を着ていたのに、ある日突然ヒジャブを身につけ始めたんだ。だけどそれからもちゃんと挨拶はしてくれたよ」(ハズナが母親と暮らしていたアパートの住人)

あの子がテロリストになろうとは・・・と周囲の人達は語っていて、じゃあ逆にどんな風貌の人ならいかにもテロリストなのかというと、風貌だけでは判断できませんよ。だからこそ女性は特にもぐりこみやすいでしょうね。あーこわい。
ところでこのハズナも主犯格のアブドゥルハミッドゥも、ヨーロッパで生まれ育っているんですよ。
人格形成に大きく影響を及ぼす多感な時期に移民してきて社会に溶け込むのに時間がかかって疎外感を感じていました、というわけではないのです。それぞれベルギー人、フランス人として育っているのです。
人種差別にはあっていたかもしれませんが、もしかすると心の支えや生きていくうえでの道標として、きちんとイスラム教について親から教わることがなかったのかなぁと思いました。
またハズナの心の弱さや不安定な部分を見抜いてリクルートおよび洗脳したISのメンバー達にしてみれば、ハズナなど捨て駒のひとつでしかないのでしょう。

http://www.flickr.com/photos/8078381@N03/3242425845

photo by pareeerica


今回のテロが、彼らが人生に抱えている怒りのやり場としての犯行で、イスラム教を騙って正当化されたのだとしたら、犠牲者達の遺族もやり場のない怒りとともに生きていくことになります。
一瞬癒されたかのように感じたと思ったら、ある日突然、深く降り積もっていることに気づかされるような、喪失による哀しみ。
その哀しみの真っ只中にいる人は、世界中の人々が自分のフェイスブックのプロフィール画像をフランス国旗で飾っていても、きっと見ないだろうから、気がつかない。
そしてようやく涙が枯れて顔を上げた頃には、もうそのフランス国旗は取り除かれているはずです。私達は無力だ。

ところで「まさかこの人が・・・・」といえば、映画「パリより愛をこめて」を思い出した人はいませんか?

 


★この先ネタバレあり

和やかなディナーの途中、ある女性の携帯電話がなりました。

「ローズ?ここにはローズはいないわよ」

そういってその女性が電話を切りました。そして「間違え電話ね」と言って微笑むのです。
その直後、「ローズ」に反応したジョン・トラボルタが演じる敏腕捜査官がこういいました。

「それ、俺が待ってた電話だよ」

そして捜査官はその女性を・・・・。

私はまさかこの女性までがテロ組織に関わっている人間には見えなかったのです。だけど実際に関わっていたわけです。そしてもう一人「まさかこの人が」という人がいる。

最後のシーンの緊迫感をお楽しみください。

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本日の記事は以下を引用しました。

www.telegraph.co.uk


日本だって危ない。

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