Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

そこにもはや信仰心はなく、ハイテクを使いこなすき○がい集団にしか見えません



ヨルダン操縦士の焼殺動画、米FOXが全編をネット公開 (ウェブニュースのためリンク切れの可能性あり)

この動画を見た方はいらっしゃいますか?
私は昨夜どこの国のものかよくわからないサイトで、フルで見ました。

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焼殺されてしまったムアズ・カサスベ中尉やISのメンバーが話しているのはすべてアラビア語で英語字幕がまったくなく(ということは動画はアラビア語圏のみへ向けてのメッセージだったのか)、地図や画像の挿入がなければなんのことを話しているのか見当もつきませんでした。
やつれているカサスベ中尉の口調はとてもはっきりとしていて、話している内容が真実なのか、それとも言わされていることなのか、アラビア語のわからない私には想像できません。
また後藤健二氏、湯川遥菜氏と違い、アラビア語を母国語とする彼はISのメンバーの話していることが全てわかってしまうため、絶命の瞬間まで言語が理解できるからこその恐怖もあっただろうと思うと、いたたまれません。

なぜカサスベ中尉は斬首ではなく、焼殺だったのか。
その理由はフィフィさんのツイートで知ることができましたが、その理由を知るとISは彼に肉体的な苦痛を与えただけでなく、同じイスラム教信者としてこの上ない方法で侮辱するための処刑だったことがわかります。
焼殺する直前に映し出される、檻の中でうなだれるカサスベ中尉と、その檻に向けて垂らされた燃料が描く一本線にトーチの火がつけられる瞬間を、少し離れたところから見届けるISのメンバー達。この瞬間の震え上がってしまうような静寂を演出していたのが、今にも風でその表面をなぞられる音が聞こえてきそうな砂漠の色。澄み渡る空との境界線は、本来ならば美しいはずなのになんだか不気味で、もうこれはISのプロモーションビデオとしか思えませんでした。

そして火がつけられる直前に天を仰ぐカサスベ中尉。最後の祈りを捧げていたのかもしれません。灯火する瞬間にISのメンバーが人の心を取り戻して焼殺をやめることはないのだろうか、などと私はなんと馬鹿なことを考えていたのでしょう。
檻の中と外にいるのは共にイスラム教徒ですが、檻の中で絶望と恐怖にさらされていた者は信仰を支えとし、檻の外にいるメンバーを突き動かしているものはもはや信仰ではないのです。

この動画を見た後は、こんな風にまともに交渉しようとするだけ無駄な人間達の支配する地域に友人の制止をふりきってまで取材に行こうとした後藤氏が、そこまでして伝えなくてはいけないと思っていたことは一体なんだったのだろうと考えてしまいました。生まれたばかりの赤ちゃんと奥様を残して。もう今となっては後藤氏がそれを語ることもできません。
カサスベ中尉、後藤さん、湯川さんのご冥福をお祈りいたします。