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Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

「帰れ!」と言った途端、元気になる虚弱体質の同僚

もう誰のことか、想像つくでしょう。メンヘラアメリカ人女性・Dさんです。

Dさんは1回のシフトを平和に、無事に終えたことがありません。1回のシフトの中で大きなアップダウンが数回あるのです。最初のうちは皆それに振り回されていましたが、慣れてくると多くの従業員が気に留めなくなりました。完全に放置。彼女のアップダウンを理由に気分を害したり、気が散る人は、放置のできない人達ばかり。私は後者だったということです。

まずは暗い表情で出社し「具合悪いアピール」をして勤務開始

どんよ~りした顔で出勤してくるDさん。こそっと「今日の天気予報はどんより曇り空、時々激しい雨です」と従業員同士で声をかけあっていたのも最初のうちだけで、周囲の同僚達は慣れてきたら完全にスルーし始めました。Dさんがどんなに暗い雨雲を持ち込もうと、自分達の頭上は澄み渡った青空のまま変わりないのです。
当然彼女の具合悪いアピールに対し「大丈夫?」とたずねる人達もいなくなりました。自ら好んで雨雲を発生させている人に、傘を貸す必要はないからです。
「大丈夫?」と声をかけるのがついに私だけになった頃のある晩、同僚のフィリピン人男性が「マリア、いい加減に相手にするのをやめろよ!君がそうやってたずねるから、いつまでたってもDが『世界で私が一番不幸アピール』をするんだろ!」と強い口調でいいました。彼の言うことは、確かに正しい。

いつもどこかしら具合が悪い同僚・Dさんに関する関連記事(サブブログに飛びます):それは性格の問題なのではなく、病気なのでは?と思う時(2) - マリア様はお見通し 

 

http://www.flickr.com/photos/41864721@N00/2046660306

photo by ecstaticist

「頭痛がする」と言って、さらに雲が暗くなる

Dさんが頭痛がするといって座って休むのはしょっちゅうだったので、彼女が痛がっていても誰も心配しなくなっていました。むしろ皆「持病に近いのなら痛み止めくらい携帯していればいいのにね」とすら思っていました。
この日も頭が痛いといって座り込んだDさん。彼女は頭を抱えて座っていますが、皆自分の仕事を淡々とし、声をかける人はいませんでした。もういつものことですからね・・・。そんなところに私が通った時、頭を抱えていた指と指の隙間から、私の方を見ているDさんと目があったのです。
指と指の間から見える瞳はちょっとホラーでしたし、これにはさすがに彼女も気まずそうにしていましたが、私はこの時「ああ、これって『大丈夫?』って声をかけてもらうためのポーズなんだ・・・」と改めて確信しました。

もう帰っていいよ、と言った途端元気になった

これならDさんがいない方が現場の空気がよくなるな、と思うほど彼女の上を覆う雲が暗くなってきました。そしてあげくのはてに、「頭痛いけど、頑張って働いてんのよ!」というのが接客態度にもありありと出て、お客様に注意を受けてしまいました。

そこで私は列が途切れたところで彼女に言いました。

「もう帰っていいよ。そうやってここでどーんと落ちていられると、周りの空気も悪くなるからさ。それにあの接客はさすがにまずいよ。客のために店員がいるというよりは、店員のために客がいるような状態になっちゃってるでしょう?
後片付けも全て私がやって帰るから、早退報告するならマネジャーのところに自分でいってきて」


そしたら彼女は急に目を大きく見開き「大丈夫!ぜんっぜんなんともないから!」と言って椅子から立ち上がりました。なぜDさんのような人が「え?ほんと?帰っていいの♪」と言って大喜びで帰らなかったのか、わかりますか?
彼女は気分のムラと関係しているかのように、体調にもムラがあったため、ちょうどこの頃当日欠勤・早退が増えていたのです。これ以上早退をしたらさすがにまずいと思ったのでしょう。しかも彼女は試用期間中でした。せっかく手に入れたSOFAのステイタスを手放したくなかったのでしょうね。
そんなわけで、閉館までの残された時間は、もうまるで別人のように感じのよい接客をしていました。

「なんだ、元気じゃん」と皆呆れていました。

 

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