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Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

Flirtの〆にされてどきっとしたのはこんなこと

本題に入る前にflirtとは何かということについておさらいしましょう。

flirtとは、英和辞典だと「いちゃいちゃする」と書かれていることが多いのですが、実際にはそうではなく、つまらない日常を少しでも楽しくするため、彩を与えるために、節度を持って男女が言葉を使って戯れることです。
どんなことを言われたら喜んでもらえるか、あるいはどんな意地悪をしたら喜んでもらえるか・・・そんなことがよくわかる人が得意とする、華麗だけどどこか陳腐な暇つぶし。擬似恋愛みたいなものかな。


・・・というわけで、抑制しなければならない甘い苦しみや、緩急のつけ方を知っている大人同士の方が、flirtは楽しいのです。
また楽しい程度=日々を楽しく過ごすためのちょっとした気晴らしや燃料代わり程度にとどめておけるのも大人である証拠。相手の心に無理やり入り込んだり留まろうと試みて、インパクトの強い言葉を必死で連発するのではなく、相手の心を軽く揺さぶったりほぐしてあげることができる人は、努力の賜物というよりは才能による部分が大きいでしょう。

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そんなflirtですが、ベースで接客業についていると確実に仕事の一部になります。だからといって恋人や配偶者に罪悪感を持つ必要はありません。あなたがflirtのレベルをコントロールできているのであれば。
そんな楽しいflirtの〆にされてどきっとしたことがいくつかありますが、一番どきっとした瞬間について書きたいと思います。

http://www.flickr.com/photos/12508217@N08/14570397486

photo by Sam Howzit

恥をかくかもしれないリスクを受け入れられる男性

このお客様をケビンとしましょう。

彼と初めて会ったのは、私のトレーニングが終わり、一人立ちしてすぐのある晩のことでした。私はまだ自分のキャパいっぱいいっぱいの状態で働いており、ケビンが来店した晩はおそらく顔がひきつっていたことでしょう。
そんな状態のところに友人達と来店し、私が挨拶をすると彼は無言でウィンクだけしてきました。私は気持ちに余裕がななかったため、笑顔を返すこともできずに、彼らが注文するのを待っていました。ケビンは私の無反応に対し、明らかに気分を害した様子でした。

彼が二回目に来店した時、私も接客に少しは慣れており笑顔で迎えることができました。そしてスモールトークをしていたら突然「結婚して何年になるの?」と聞かれたのです。彼が私の左手薬指のリングをチェックしていたことに驚きました。
私は彼がクレジットカードを使う際にIDチェックをしたことで、彼が扶養家族=奥様が軍属 として日本に滞在していることを知っていましたから、お互いの配偶者の話に発展し、その夜以来ケビンは来店するたびにflirtするようになりました。
「滑ったらどうしよう」ということには構わずに臭いセリフを連発し、自虐的に笑う彼に、私はいつのまにか笑わされていました。
女性を楽しませることができる男性は、自分が恥をかいたらどうしようというリスクを受け入れられる人なのです。

効果的なボディコンタクト

http://www.flickr.com/photos/119670994@N05/15044263276

photo by Pippoloide

その後もケビンはちょくちょく来店しましたが、flirtすることもだんだんなくなってきて、よい友達といった感じで冗談もいいあえれば、真剣な話もちゃんとできるといった心地のよい間柄になっていたように思えました。
ところがある晩のこと。私がメンヘラアメリカンDさんと一緒にシフトに入っていたところに来店し、私と彼女、そしてケビンの三人でしばらく雑談をしていました。
彼のテイクアウトオーダーの用意ができたのでそれを差し出すと、彼はそれを受け取って、逆の手を私に向けてカウンター越しに差し出しました。アメリカ人男性ですから、当然手の平を上に向けて差し出しました(レディはいつだって手を乗せてエスコートされる側ですからね)。
手の甲におやすみの軽いキスでもされるのかな、と思い、差し出された手に自分の手を乗せたら、ケビンは何も言わずに私の目を見つめて、親指で優しく手の甲をなぞったのです。caressingというものですね。

caressの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク

その瞬間触れられていた本人である私は当然どきっとしましたし、それを見ていたDさんも「まぁっ!」という顔をしてみていました。
ケビンにはもうすっかり男友達みたいに見られているんだろうなと思っていたところにやられたから、余計にインパクトがあったのでしょう。
次にケビンが来店した時は、もうお互いに何もなかったかのように、またbuddiesに戻っていました。
深い意味はないこんな行為を、暇つぶし程度に楽しめる余裕があるっていいなぁと思いました。コンビニの若い女性店員に、お釣りを渡される時に添えられる手に舞い上がって、変な思い込みをするきもい男性達には理解できないでしょうけれどね。

「人生は暇つぶし」

 

甘い生活 男はいくつになってもロマンティックで愚か者

元辣腕編集者、元集英社インターナショナル社長の島地勝彦氏による、贅沢で粋な暇つぶしネタの宝庫のようなエッセイ。男性におすすめ。

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