Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

愛すべき客とのやりとりで改めて気が付いた 物や金を与えるのはタイミングが大切である

"米軍基地の日本人従業員の態度はいまだに悪いのか? - Inside the gate"という記事に苺ミ様からいただいたコメントを読んで、閉店時間を過ぎても居座り続けた客に私も随分いらいらしたなぁということを思い出しました。
だけど閉店時間を過ぎて掃除をしているような、怒りと疲れがK点越えした後にひょっこり現れる客に対しては、もう完全に脱力してしまって悟りの境地に達したような感覚に陥ることがありました。

つい食べ物をあげたくなる、なんだか哀れな客

closed

私が働いていた店で実際にあった話です。

閉店時間を20分くらい過ぎた頃でしょうか。掃除をしていると少し酔っぱらった若い男の子が現れました。ドアはロックしてあったので、どこから紛れ込んで来たのだろうと思いました。

"What kind of food are you still serving?"

「今の時間だとどんなものがまだ買えるの?」

閉店のサインも読まず、しかも閉店20分後にのこのこ入ってきてこの質問。怒る気力もなくなります。

"I'm sorry, but we're closed."

「閉店しております」

その男の子はうなだれました。
なんだか可哀想になったので、調理士が「マリアさん、よかったら食べて」と言ってくれたものがあったのを思い出し、青年に声を掛けました。

"Well, I have some accident food..."
「間違えて作っちゃったものが残ってますけど・・・」

青年は視線をあげて私が取り出した食べ物を見ると、目が輝きだしました。

"How much?!"

「いくら?!」

"Don't worry. I can't charge you for this. But you have to promise me that you won't tell anyone about this."

「お代はお気になさないでください。この分を請求することはできません。だけど誰にも言わないと約束してください」

"I promise!"

「約束するよ!」

"I'll be in trouble if I my boss finds out about this. You didn't see anything,ok?"

「上司に見つかると大変なことになります。何も見なかったことにしていただけますか?」

"I didn't see anything. You didn't serve me anything! You're soooooo lovely!!!"

「何も見なかったことにするよ。何も出してくれなかったことにするよ!君はとっっっても優しいね!」

そういって青年は去っていきました。
その食べ物は、実はその日の夜の私のおつまみになる予定でしたが、青年に食べられた方がその食べ物も幸せだろうなと思いました。そのくらい嬉しそうでした。
そんな風に考えていたら、青年が戻ってきました。

"Excuse me.Can I have some sauce too?"
「すみません。ソースも少しいただけますか?」

なんてちゃっかりしているんだ!!!!!
さすがに溜息が出ました。

空腹時に与えられる食べ物、お金がなくて本当に惨めでしようがない時に与えられるお金が持つ力ってすごい

この青年が食べ物をつまみながら嬉しそうに立ち去る後姿を見て感じたことなのですが、$3.00くらいの少し冷めた物でも、もう無理だと思っていたのに食べられるとわかった瞬間に美味しさが倍増するんですよね。

Pancakes Served
「ベースには24時間開いているお店もあるんだから、そこに行って何か買いなさいよ」で済まないのです。どうしてもあのお店のあれが食べたい!っていう時、あるじゃないですか。一度は「閉店しました」と言われてあきらめた後だと、出されたものがそのお店の残り物だとしても、嬉しさが増すんですよ。これってお金がなくて惨めな思いをしている人に渡すお金が持つ力と似ていませんか?
おそらくタニマチと言われる人達がお金の力を使って恩を着せる場合、相手が一番困っている時を狙うんですよ。

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