Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

アメリカ人みたいに割り切って精神科医とつきあうのもいい


アメリカの大人気ドラマ「デスパレートな妻たち」で、美しく上品な未亡人・ブリーが、ちょっとした手違いで精神病院に連れて行かれた時に「私はどこもおかしくないって言っているでしょう!」と声を上げました。
だけど医師は「こういう病院にくる患者は皆そういう。『私はどこもおかしくない』そこが問題なんだよ」と言いました。

(画像のDVDボックスはシーズン1です。ブリーが精神病院に連れていかれるエピソードは1には収録されていません)

日本人に比べると、精神科医とのカウンセリングのアポをとることにそれほど抵抗はないアメリカ人にとっても、やはり精神病院に送り込まれるのは不本意だったということでしょう。

アメリカの映画やTVドラマを見ていると、shrinkという単語をよく耳にすると思います。shrink(シュリンク)は精神科医をあらわすスラングです。

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photo by @alviseni

親友や家族に胸のうちにあるものを吐き出していくうちに、甘えすぎて話を聞かされている人の気持ちなどわからなくなることがあります。
毎日その人達の顔を見るなり「ねえ聞いてよ」で始まるあなたの長く、重い話。発電に使えたらいいねそのエネルギー、と思うくらいの負のエネルギーの塊を、大切な友達や恋人、家族に投げつけるのです。そうしているうちに、自分の周りから人が離れていく・・・。

そうなってしまう前に、シュリンクのところに行こう。専門家とクライアントとというお金でつながれた、割り切った関係ならどんな話でもできる。

精神科医はアメリカ人にとってそんな存在というイメージができましたが、それでもやはり、専門家のお世話になることに抵抗があるアメリカ人だって沢山います。特に自分の意思でお世話になるのではなく、周囲に「そろそろ専門家のところに行ったらどう?」と促されるのは、とても屈辱的です。あなたメンヘラよ、って言われているのと同じですからね。
だけど専門家のところに行けば、親しい人達があなたに気を遣って言わなかったことを、ずばっと言ってくれるかもしれませんよ。そしてそれは耳が痛いことで、今のあなたにとって一番必要なことなのです。


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