Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

コンビニ惣菜のライン作業バイトで学んだこと 習慣が人を作る

 

コンビニのお惣菜包装ラインのバイト体験記 - Inside the gateという記事の続きです。

夏休みに2週間の短期バイトで、コンビニのお弁当・惣菜工場にもぐりこんだことがあります。そして2日で逃げ出しました。つらかった。やっぱり興味本位で潜り込む場所ではありませんよ。
私がこの2日間で学んだこと。それはここにいるおばさん達とうまくやっていくのはちょっと不幸くらいがいいのです。だってこの人達は他人が不幸だと安心できるのですから。 だけど「不幸なふり」なんてできないのです。ばれてしまうんですよ。
なぜなら幸せな人達が不幸なふりをしたところで、仕草や言動の端々に幸せな人ならではの習慣や心がけがにじみでてしまうのです。そしてそれは彼女達を苛立たせるのです。

http://www.flickr.com/photos/16877319@N07/3907220356

photo by Guwashi999


おばさんA:「ねえ、この間田中さん見かけたの・・・・I駅の近くで・・・」
おばさんB:「それで?」
おばさんA:「キャリーケース引いてたのよ。あんな暑い日に。それで大きなバッグも持ってた。あの人、もしかするとホームレスになっちゃったんじゃない?」

おばさんB:「ええ?そうなの?!」

こんな会話があちこちから聴こえて来るのです・・・。みんな人の不幸が嬉しくてしようがない。そして休憩時間になると、それぞれ皆食事を用意し、食後のお菓子を持ち寄ります。コンビニ惣菜バイトの現場の陰湿なおばさん社会をすいすい泳ぎたかったら、食後のお菓子は安さが命の大袋に限ります。「おかしのまちおか」などに行って買いましょう。間違えても茶屋のお菓子など出さないこと。確実にハブられるでしょう。


ほんと、コンビニ弁当・惣菜のライン作業は夏休みの短期バイトで留めておいた方がいいです。っていうか行くな。精神的にかなりきついです。時間の流れがあんなにも遅く感じられたのは、初めての経験でした。
単調作業の中に楽しみを見出し、創意工夫ができてしかも精神的に強い、あるいは相当鈍い人は大丈夫かもしれません。でもね、創意工夫しようという気持ちすら起きないと思いますよ。そのくらい鬱々としています。
どんどん便利になるコンビニエンスストアですが、そのビジネスを支えている最下層で働くことがいかに大変か身をもって知りました。たった二日間だけでしたけど、これを何年も続ける人はすごいと思います。特に夜勤。

夜勤を選ぶ人というのはやはりお金で色々苦労しているはずです。若干ではありますが、日勤よりも時給がよいので。
だけどお金に苦労する理由は、金切り声で怒鳴り続ける彼女達にもあると思いました。日々の習慣が人を作る、ということを目の当たりにしましたよ。幸せになる人の考え方、どんどん不幸になる人の考え方って絶対にあると思います。

 すぐ怒鳴ったり、負の要素しか含まない言葉を吐き続ける。人を見る時の目つき・・・・。
彼女達も最初からあんな風にぎすぎすしていなかったと思うのです。おそらく彼女達が育った環境も関係しているのでしょう。それにしてもあの人達はなんであんなにきついの?あの金切り声・・・もう二度と聞きたくないよー。彼女達にうまく取り入って可愛がられている世渡り上手でーす(でした)という方がこの記事を読んでいらっしゃったら是非コメント欄から声をお聞かせください(コメントは承認後公開となります)。

とにかく希望とかそういう明るいものがいっさいない環境。桐野夏生さん、あの世界の鬱々とした雰囲気をよく書ききったよなぁ。この小説に出てくる四人の女性達の一人だけが、お金がないゆえにお金に支配され続けていた人生から飛び出すことができた。OUT。その後彼女はどうなったのでしょう。

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