本書は「日本人にしては英語がうまい人」の域を脱して一段上のコミュニケーションを取りたい人(例えば配偶者がネイティブスピーカーの場合など)におすすめの教材です。「日本に暮らしてどのくらいになりますか?」「納豆は好きですか?」くらいの文章が話せればいいや、という人にはおすすめしません。
過去記事で「たった1100語覚えてもねぇ・・・・」というようなことを書きましたが、今後3年この1100語の定着に注力することにしました。ところがこれがなかなか簡単にはいきそうにもありません。
このテキストブックのターゲット
- SATやACT(アメリカの大学進学のための試験)やその他の試験のために準備をしたいアメリカの高校生
- 成績を上げたいアメリカの大学生
- 読書やインターネット、映画、そしてテレビから得られたものをもっと活用したいアメリカ人
英語でテストを受ける学生達や英語に囲まれて暮らす大人達向け、ということです。
最初に小さな挫折を感じた理由
実はこれ、単語の意味をだいたい知っているだろうという前提のテキストブックです。なぜならネイティブスピーカー向けに書かれているので、ある程度わかっているだろうという前提ですから、単語一語ずつの導入・紹介が省かれているのです。
だからセンテンスを完成させるために空欄を埋める単語を選ぶにしても、その単語の意味がわからんというノン・ネイティブスピーカーである私は、出鼻をくじかれた気分になりました。これが小さな挫折ですね。
ところが一日五語、覚えていくうちに「さすがベストセラーであり続けるだけある!」と納得しました。
教養のある大人としてこのくらいは知っておこうね、という厳選された1100語
語彙を増やすというよりは、知っておくべき単語を確実におさえて、土台を築き上げるといった方がよいでしょう。だから日本人(ノン・ネイティブスピーカー)がよく覚えようとする「日常会話、これだけ覚えればOK!」という単語とは質やゴール設定が異なります。
英語圏で社会人として生活していく中で、このくらい知っておかないと教養のある大人としてやっていけませんよ、という1100語です。ですから日本人の英語学者がネイティブスピーカーのチェックを受けて作った、ノン・ネイティブスピーカー向けのテキストとは文章が違います。
文章が自然 ソースは名だたるメディアや名作と言われる文学
これは日本人の英語学者が作成したものが劣っているといっているのではありません。むしろターゲットを考えたらあたりまえのことなのです。なぜならまずそういうテキストは例文ありきですよね。
だから「これからこれをわかりやすく教えますよ」という単語なり文法なりを例文に入れることを最優先すると、文章としては若干不自然になるのはやむを得ません。
だけどこの1100 WORDS...は、アメリカ人の日常会話に知性と教養を補った延長線上にある文章から拾い集めてきた単語集なので、英語を英語で考えながら覚えていく力が求められます。
手を変え品を変え、ユニークなダメ押しで定着をはかる。さすがは45年間ベストセラーのテキスト!
1.毎週第一日目~第四日目
一日五語。穴埋め問題とマッチング問題で単語を理解する。
【注意】発音記号がネイティブ・スピーカー向けの簡略化されたものになっています。母音が短母音/長母音/その他で分けられており、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。ですから最初のうちは簡略されていない、通常の発音記号を書き込むようにしておくと便利です。
私はこれを2週間分くらいまとめて最初のうちに書き込んで置きました(上の画像の赤い文字は私の書き込み)。そうすると次第にネイティブ・スピーカー用の簡略された発音記号の法則がわかってくるのでおすすめです。
2.第五日目
REVIEWとWORDSEARCHで復習テストをする。
REVIEW→一日目~四日目で学習した合計20語をテストし、正解しなかった単語はWORDS FOR FURTHER STUDYとしてリストアップし、復習するようにする。
3.TODAY'S IDIOMはおまけだと思ったら大間違い!
毎日覚える五語とともにイディオムも一つ、地味にページ最下部に書かれているんですよ。この地味さからするとおまけだろうなと思っていたら、大間違い!これもREVIEWでしっかりテストされます。
4.46週終わった後、どのくらい覚えているか総チェック。そのチェック方法がユニーク
まず一つ目のテストとしてFINAL REVIEW TESTという四択問題があります。アンサーシート付。全問正解するまでお世話になると思われるため、何部かコピーをとっておきました。
これだけなら普通のテキストなのです。1100 Words You Need To Knowがユニークなのはここから先です。
<PANORAMA OF WORDSで試される理解度>
46ページを割いてToronto Globe&Mail, TIME,シェークスピアと言ったソースからの引用文を掲載。これらの引用文全てに、学習した単語が含まれています。自分が今の時点で読んでもほとんど心に刺さらない引用文ばかりです。だって語彙が貧しいからわからないんだもの!今から46週間後にはこのうちの6割くらいが刺さるようになっているといいなぁ。
<THE LIGHTER TOUCHを読んで笑える?>
はい、引用文のお次はジョーク100選。単語が定着していれば笑えるはず!
三回繰り返して使う予定なので、回答は直接テキストに書き込まずノートに書いて使っています。ちなみにこれを使っていることは夫に内緒。
「なんか最近ちょっと会話にめりはりを感じるようになったな」と思った夫が私に「何か始めたの?」と聞いてきて、「実はね・・・・」と言いながらにやりとこれを見せるのが目標です。
◆1100 Words You Need to Know(フラッシュカードもあります)
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