定食屋のやよい軒からこんにちは。
京浜急行線・横須賀中央駅を出てすぐの三笠ビル商店街や大滝商店街にある飲食店が、米兵達で埋まっていることは日常茶飯事ですが、やよい軒もその一つです。
味付けが濃い→ご飯がすすむ→すぐに満腹感が感じられる・・・こういう食べ物を男性が好むのは、やはり万国共通だなと思うのですが、やよい軒にくるアメリカ人は米を白いまま食べることに抵抗がない人達ということでもあります。
米を白いまま食べるなんて普通ではありませんか?と思わそうですが、アメリカ人達にはそのような習慣がありません。
このような違いをはじめとし、アメリカ人にとっては来日してみて食文化の違いに驚くことは多々あります。例えばもうこれは皆さんご存知だと思いますが、ビザの具(笑)。
私が元同僚に抹茶味のペーストが入ったチョコレートを無理やり食べさせながら、「ねえ、もう日本のピザは食べてみた?」と聞いたところ"No.....I heard that....they put weird stuff." 「食べてない・・・・(日本ではピザに)変なものを乗せるって聞いたから」と彼女はいいました。
わかる。わかるぞ!!!アメリカではやたらとコーン乗せたりしないし、ツナやカレーソースが乗っているピザもないもんね。ところがこの元同僚女性、カレーが大好きなのです。インドカレーも日本のカレーも両方大好き。カレーと一緒なら白米、サフランライス、ナンと全ていける!というほどなので、カレーソースがかかっているピザの存在を知ったら喜ぶだろうと思い教えました。そしてあっ!一つ大切なことを言っておかなくちゃ、と私は思い出しました。
「マヨネーズもかかってるはずなんだよね」
余計なことしやがって!という表情がありありとした彼女は「やっぱり日本のピザのデリバリーは遠慮しておくわ」と言い、二人で大笑い。彼女のように駄目なものは駄目、だけど他のものは挑戦してみるわ!というように違いを楽しめるアメリカ人ばかりとは限らないんですよね。
私の知人の夫(海軍中尉)は、知人と交際する前にアメリカ人女性将校とつきあっていたのですが、そのアメリカ人女性が徹底して日本のものを受けつけない人だったのです。
生魚なんてとんでもないし、米軍関係者が大喜びで便利に使っているコンビニにも近寄らない。アメリカでは富裕層になるほど日本食を好む人が増えるといいます。この女性も将校でしたから、選民意識も強く経済的にも豊かな生活を送っている部類の人達でしたが、日本食・・・というより日本そのものが受けつけなかったようです。
というわけで私の知人の夫は、この女性将校とつきあっていた頃は、デートをしても彼女に合わせてT.G.I.Fridaysやハードロックカフェ、アメリカンクラブ、そしてホテルニュー山王のブランチという風にいつも決まったところばかりで食事をしていたのですが、彼は日本にいる間に居酒屋をはしごするような夜を楽しんでみたかったのです。
彼女と別れた後に私の知人と出会い、念願のジャパン・ナイトを初めて楽しんだ時、自分の元彼女はこんなに素晴らしいものを体験しようとすら思わなかったのか、と残念にすら思ったそうです。だけど人間誰もが異なるものを受け入れる、またそういうものに興味を持つとは限りません。
どこから出ているのかわからないような声で言われる「いらっしゃいませ」なんて日本人の私が聞いても耳障りですから、アメリカ人から聞いたらかなり異様でしょう。でもその異様さを楽しめる人の方が私は好きです。
You Know You've Been in Japan too Long...
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◆おまけ◆ stupid proofという単語
やよい軒で夫にこう聞きました。「あなたは私がついているからこうやって好きな定食の食券を買って席について・・・ってできるけど、アメリカ人同士で来ている人は最初は戸惑うよね」
夫はこういいました。
「だいたいこういう飲食店の情報はアメリカ人同士の間で交換されるだろ。その時に『まず店に入ったら食券を買って』とかその程度の手順だって事前に教えてもらえるだろうから、戸惑うことはないと思うよ。しかもこの食券販売機はstupid proofだしね。効率いいと思うよ」
どんなバカでも間違わずに、戸惑わずに操作できる=stupid proofな販売機。
以上、本日の単語でした。
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