チップはあくまでも奉仕やその他のものに対する感謝の気持ちを表わすものですから、義務であってはいけません。義務になったらもうそこに気持ちはないわけですから。だから残したくない人は残さなくてもいいと思いますが、残さないのであればそのレストランの常連になろうと思わない方が賢明です。
私もチップをもらうことはありました。ウェイトスタッフやバーテンダーのようにもらうのが普通、というような職務ではありませんでしたが、それでも船が停泊していてオンベースの人口が多い時期(一年の約半分)にはかなりの額をもらいました。非課税なのでありがたかったです。
チップをいただく場合というのは主に以下のような場合です。
1.サービスに対する感謝の気持ちを表わす
2.雑談が面白かったから、「笑わせてくれてありがとう」という感謝の気持ち (これも厳密には1.に含まれます)を表わす
3.日本語を話す相手を欲しがっているアメリカ人の話し相手をした場合
4.客がただの女好きの場合
・・・と大雑把にわけるとこんな感じですが、絶対にやってはいけないことは、チップの金額が大きくても「そんなに沢山いただけません」と遠慮すること。
チップをあげたくなるスタッフ、チップをあげたくなるサービスっている/あるじゃないですか。そういう瞬間は「ありがとうございます」と嬉しそうに受け取られると、チップをあげたほうだって絶対に気分がよいのです。チップをあげることによってその人が気持ちよくなれるならば、それに水を注すようなことをするべきではありません。
確かに自分はプラスアルファのサービスをしたけれど、かといって・・・と恐縮してしまうのは理解できます。だけどもし恐縮したのなら、その場でお札を一枚だけ受け取ってもう一枚は返すようなことをするよりも、奉仕で返した方が私はいいと思います。
たいてい私を可愛がってくれていたお客様達は常連さんだったので、うわぁもらいすぎちゃったな、と思っても、後日奉仕でお返しすることができました。
そのお返しをするためには他のスタッフの協力が必要な場合もありましたが、そういう時は私からそのスタッフへこっそりチップを渡して「あそこにいるお客様に●●して」と頼んでおけば大丈夫でした。チップを渡すことで頼まれた側も「くそ忙しい時に余計なこと頼まないでよ!」とはいえなくなりますからね。そこらへんはお互いに合理的に行こうという暗黙の了解が従業員間ではあったような気がします。
あとは自分を可愛がってくれているお客様が元気のない時や困っている時こそ、お返しができるチャンスです。そんな風に「あのスタッフにあげてよかったな」と思ってもらえる人間であり続ける努力をすることが、一番大切なのではないでしょうか。
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