シリーズ(3)では、ちょっとした雑学が雑談を楽しくしてくれる、ということについて書きたいと思います。
◆シリーズ(2)年上女性の余裕と包容力
私がメーカーで翻訳・通訳をやっていたころ、ケニアからの研修生Randy(仮名)がいました。まだ彼は実験などには参加させてもらえず、事務方の仕事をさせられていました。
ある朝のことです。私が時々仕事前に立ち寄るドトールに入ると、Randyがいました。一人でコーヒーを飲んでいる姿を見て、声をかけないほうがいいかな・・・と思ったその時、彼が視線を上げて私に気がつきました。
「おはよう。確か君は●●部のメンバーだよね?」
「おはよう。そうよ」
私がコーヒーとパイを買うと、Randyが「よかったらどうぞ」と同じテーブルにつくようにすすめてくれました。二人で話すのは初めてでしたが、彼がケニア出身だと知ったのはその時でした。
「ケニアですか・・・。『マサイの恋人』という本を読んだことがありますが、何一つ共感できませんでした。なんなんですかねあのスイス人の著者は」
私がそういうと、Randyの大きな笑い声がドトールに響き渡りました。
普段はとても静かで感情を表に出さない、いかにも生真面目そうな彼が、こんなに大笑いしたのを見たのは初めてだったので、私は驚きましたがつられて笑ってしまいました。
「ケニアについて何かしら知っている人がいるって嬉しいよ」
Randyがそういいました。
そういえば私は海外に出て「Japan?どこそれ?」などと聞かれたことはありません。たとえステレオタイプでも、外国の人達は皆何かしら日本について知っているんですよ。
だけどきっとRandyは「ケニアから来ました」「へえ、そうなんですか」終了ー!という会話のパターンに何度も遭遇したことがあるのではないでしょうか・・・。
私はRandyが感じていた「どうせこの日本人もケニアのことなんか知らないんだろうな」という気持ちは理解できるのです。
なぜなら私「なにそれどこ?知らない」って言われた経験、沢山あるんですよ。日本人同士の会話でね。
それは私が自分の田舎について話す時「●●県なんですけど」というじゃないですか。すると相手は「●●県のどこ?」って聞いてくるんだけど、●●市ですと答えても知らないんですよ。だからちょっと会話がしぼむのです。
私はこういう「どうせ知らないんだったら聞かないでよー」という経験を何度もしているので、「夏祭りで有名なA市と県都のB市のちょうど真ん中にある小さな街です」というテンプレみたいな回答をすることに慣れてしまいました。
どんなに些細なことでもいいから、その人の生まれ育った国や場所について知っていると、会話を始めるきっかけになりますよね。その予備知識や雑学が誤ったものならば、それは違うよ、と説明してくれるところから会話は広がる。
こういう雑学は日頃からストックしていって損はないと思います。あなたの好奇心という名のアンテナの感度は大丈夫ですか?アンテナは色んな方向にびんびんと反応させましょう。広く深く、は難しいから、広く浅く、ね!
Decowall, DMT-1306, ビックサイズの世界地図のウォールステッカー
今がわかる時代がわかる世界地図 2015年版 巻頭特集:「新冷戦」!?不安定化する世界 (SEIBIDO MOOK)
- 作者: 成美堂出版編集部
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2014/11/29
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
Questions in Kenya about the slow police response and why the son of a gov't official was involved in the attackhttp://aje.io/fwj6
Posted by Al Jazeera English on 2015年4月5日
関連記事