Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

子供英会話講師はもって三年かな、と思う理由


子供英会話講師の募集、たくさんでていますね。


元子供英会話講師としての意見ですが、正社員として働いてもって三年かなと思います。


「先生がよく変わるんですね」と離職率の高さは生徒の保護者から何度か指摘されましたが、とにかくきつい。
私が働いていたところはきちんと諸手当つきましたし、ボーナスもありました。だけどボーナスをたくさんもらっても、サービス残業を含めて時給に換算してみると、すごくむなしくなったのを覚えています。

ですから正社員になろうと思う人は、よく考えてから応募してください。ご主人の扶養の範囲内でいいから非常勤講師で週2日くらい、とお考えの方も、やりがいはあるけれど割に合わない仕事であるということを踏まえたうえで、応募を検討なさってみてください。
「歌でも歌ってりゃレッスンしてるように見えるわよ」という適当なスクールであれば、講師の仕事も楽だと思いますが、カリキュラムがきちんとしている、レッスン・講師の質にちゃんとこだわっているきちんとしたスクールだと、かなり講師の負担が大きいです。
それでは具体的に負担とはどのようなことをいうのでしょうか?

 

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photo by Danila Bedyaev

1.オンとオフの切り替えが不可能なので、精神的に追い詰められる

http://www.flickr.com/photos/51035786238@N01/177100826

photo by RBerteig


子供英会話講師は、常に時間に追いかけられています。

  • レッスンのプランを立て、副教材を作る。
  • 連絡帳を書く。
  • 生徒一人一人のレッスンの成果をレコードに記録し、いつでも引き継ぎできるようにしておく。
  • 営業の電話をする

一日8レッスンびっしり入れられたら、これらの庶務のための空き時間なしということですから、これらはすべて勤務時間外にやらなければなりません(正社員はたいていびっしり入れられます。時給制の非常勤講師にレッスンを入れると経費がかかるため)。

自分で優先順位をうまく立てられるようになったり、同じレベルのクラス間で使いまわせるようなプランや教材作りができるようになると、ある程度効率アップします。
その優先順位をうまく立てられるようになるまで、講師によりますが早い人は三ヶ月くらい、遅い人は半年くらいかかります。それまでは嵐の中にいるようです。私は新人の時、5分空いたら何をやろうか、とそればかり考えていました。
例えばプライベートレッスンの生徒が「風邪で休みます」と連絡が来たとするじゃないですか。マネジャーが「あべ先生、○○君、風邪でお休みだそうです」というと「そうなんですか・・・○○君、大丈夫かな」と気遣っている素振りを見せて、実はその浮いた時間で連絡帳を5冊書けるな、とか電話3本かけて残りは教材作りに使おうとか考えていました。

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2.(正社員の場合)ノルマがきつい

私が働いていたスクールはノルマがありました。
ノルマを達成しなくても基本給はきちんともらえますが、ボーナスの査定に響きます。まあノルマを達成してボーナスをたくさんもらったとしても、既述のとおり、サービス残業した時間数を考えるとまあこのくらいもらって妥当だよなって思うくらいですけどね。

ノルマは「質の高いレッスンをしていれば達成できるもの」ではありません。ここらへんは頭を使って稼がないと、体を壊してしまいます。そして実際に体や心を壊してやめていく講師達の多いことでしょう・・・・。

3.どんなに頑張っても楽にならない

教えること以外の仕事(レッスン準備、父兄応対、営業、生徒一人一人のプログレスの管理)を効率よくできるようになって、少し余裕が出てきます。仕事は楽になるのでしょうか?
残念ながら、楽にはなりません。余裕が出てきたと思ったら、また新たな壁が立ちはだかります。

子供英会話スクールそのものは大きなビジネスですが、競合他社に負けないよう、スクール側は市場リサーチをもとに新たなコース商品を用意します。
すると今まで持っていた「使いまわしのきく副教材」だけでは足りなくなり、新たに作り足す必要がありますし、講師としてそのコースや商品を研究しなくてはなりません。結局サービス残業は減らないのです。
一つできるようになると、どんどん新たにやらされることが増える。これは子供英会話スクールに限ったことではないんですけどね。だからこそ自分できちんと「ここまで」と線引きをして、それを守りましょう!まじめな人ほどこの線引きができず、よいレッスンができるようにと、その準備(レッスンプラン、副教材作り)に時間をかけてしまいがちです。
だけど「○時まで」と決めないときりがありません。その時間を過ぎたら、「こうやればもっとよくなる」というようなことであれば、やらないこと。どうしても必要なことはもちろん終わらせましょう。だけどextraな雑務はやらない!さっさと寝ましょう。

「そんなことをしても、翌朝起きたら何をしなくちゃいけないのか気になって眠れません・・・」

気持ちはわかります。私もそれで長い間睡眠障害を患いました。だからこそ子供英会話講師なんてもって三年だと思うのです・・・・・。

以上が「子供英会話講師はもって三年かな、と思う理由」ですが、探せば楽なスクールもあります。ただそういうところで働いても、教えるというスキルや営業力が培われないので、ただ無駄に年をとっていくだけです。

今の時代、楽な仕事なんてないのでしょうね。

 

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