Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

横須賀基地のHPT(時給制臨時従業員)の明暗が分かれた改正労働契約法の施行

横須賀基地のことを書く前に、博報堂九州支社で何度も契約更新を繰り返し、無期雇用への転換を申し込める立場にありながら、契約を更新してもらえなかった元嘱託社員のニュースをシェアします。 

headlines.yahoo.co.jp

ウェブニュースはすぐリンク切れになるため、以下に無期雇用への転換に関するニュース(朝日新聞デジタル掲載)の重要な部分を引用します。 

訴状によると、女性は1988年4月、博報堂九州支社に嘱託社員として入社。1年契約の雇用契約を29回更新し、今年3月末まで経理などを担当していた。
改正労働契約法の施行で、2018年4月には無期雇用に転換できる権利を得る予定だった。しかし、博報堂は17年12月、女性に18年度以降の雇用契約を更新しないと伝えた。
女性側は「無期雇用に転換されるのを阻止するためで、公序良俗に反し、無効だ」と主張。博報堂側は「契約書で18年4月以降は契約を更新しないと合意している」と反論している。

これまでに29回(!)更新し、おそらく正社員と同じくらいの責任のある仕事もさせられていたでしょう。ところが「18年4月以降は契約を更新しないことに合意している」と会社側が主張しているということは・・・・。

これは私の推測ですが、おそらくその合意がなされた際、おそらくこの女性が気がつかないようなちいぃぃぃぃぃぃぃさな文字で「今後は更新しない」「今回が最後の契約更新」というようなことが契約書の隅にでも書かれており、それに気づかず女性が署名をしてしまったのではないでしょうか・・・。
改正労働契約法の施行は横須賀基地で働くHPT(時給制臨時従業員)も当然対象となりました。この法律の施行によりついに報われるべきだった人々が、無期転換を避けたい雇用者側の阻止により雇止めになる、ということは横須賀基地ではないでしょう。なぜならHPTは、雇用主は米軍基地内の施設ではありますが、お給料は防衛省から出ているのです。さすがにお国が身勝手な阻止などするわけないでしょう。

今年で勤続5年目(あるいはそれ以上)に入っているHPTはセーフ

厚生労働省のウェブサイトによりますと、米軍基地の従業員に限らず、今まで一年ごとの契約更新をしてきた人で、現在勤続五年目以上に入っている人は、次回の契約更新を経て、ようやく無期雇用への転換に申し込むことができるというわけです。

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画像は厚生労働省の無期転換の概要 契約社員、アルバイトなどの方 | 有期契約労働者の無期転換サイトからお借りしました

この説明を読むと、博報堂の女性元嘱託社員が更新してもらえなかったのは、もう確実に会社側の意図的な阻止としか思えません。ベースではこのような阻止はないと思いますし、上記のページには

有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します(使用者は断ることができません)。

と書かれています。
繰り返します。
使用者は断ることができません
ですから横須賀基地における雇用主がただの意地悪で「あら、わからないわよ。法律なんて突然変わるかもしれないんだから、今から喜ばない方がいいんじゃない?」などと言っても心配する必要はないし、もしも「あなたの無期雇用への転換は僕/私次第でどうにでもできる」などと脅されたらこの厚生労働省のページを見せて「どういうことでしょうか?」と突っ込んでもいいと思います。きっと意地悪な幹部は静かになると思いますよ。そういう意地悪をするのがフィリピン人ならば(横須賀基地あるある)、そのページに書かれていることが読めないから余計に悔しいでしょうね。うふふふふ。
不安な人は書面で残すようにしましょう。きっとLMOから何かしら送られてくるのでしょう。

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画像は厚生労働省の無期転換の概要 契約社員、アルバイトなどの方 | 有期契約労働者の無期転換サイトからお借りしました

ということは・・・HPTでも残念ながら勤続年数が4年以下の人達は、この無期雇用への転換対象にはならないということですよね。今頃皆ベース内のIHA/MLCに応募しまくっている頃でしょう。頑張れ!!!幸運を祈ります!

今後横須賀基地のHPTの募集はどうなるのか?

もしかしてHPTは廃止になるのかな?と思いLMOの求人応募サイトを見てみました。ところが廃止にはならないようで、まだ募集は続いていますが、今後はますますフィリピン人従業員が増えそうな予感がします・・・Oh no.......なぜなら以下がHPT(時給制臨時従業員)の募集要項なのですが

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※備考欄参照」とあるのが気になって見てみたら

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画像はエルモの求人サイトからお借りしました

「長くても3年までしか働けませんよ」というとても大切なことが、備考欄の一番下に書いてあるのです。こんな大切なこと、詳細ボタンをクリックして散々詳細を読んだ後に読まされて、応募者達にしてみたら時間の無駄ですよ。もういっそのことエルモのトップページに「HPTは最長でも3年までしか働けません」とでかでかとバナーを貼ればいいのにとすら思いました。
3年しか働けないところに「いずれは正職員に」と思う日本人の若者は応募しないでしょう?応募してくるとしたら「日本語の読み書きが不得手だからベースで働きたい。雇用形態は二の次だ」というフィリピン人ばかりになるに決まっています。
グアムもハワイもどんどんフィリピン領のようになってゆく昨今、ついに横須賀も・・・。

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