私が勤めていた施設の中にあった飲食店をちょくちょく利用する日本人従業員の団体がいました。時々アメリカ人が混じっていることもありましたが、日本人だけということが多かったです。
日本人の団体客なのに支払いがスマートで(※)、いつも決まった人がクレジットカードで支払っていました。その決まった人を仮名で森さんとしましょう。
私がある日、ウェイトスタッフの一人にこう聞きました。
「ねえ、今日日本人の団体客がいたでしょう?あの中でちょっと雰囲気が日本人離れしている男の人、いるじゃない?」
「ああ、よく来る人でしょ?ちょっと業界人っぽいような・・・」
「そうそう。あの人何者か知ってる?」
「△△で○○をしている人らしいよ」
「
よく日本人男性は「どうせアジア人の男なんてアメリカ人女性には相手にされないんだろ?」といいますが、この男性は日本人にもアメリカ人にも、そしてフィリピン人にも一目置かれるタイプに見えました。
来店したら「丁重に扱わなくてはいけない客」と思わせる何かがあるというか、接客する側の身も気持ちも引き締まるような、そんな感じで、とても静かでセクシーな人でした。
本当に「日本人離れしている」人は、それを自ら言ったりしない
アメブロの国際恋愛・結婚ランキングに参加しているブログを見ていると、時々こんな恥ずかしい文章を見かけることがあります。
「君は日本人の手には負えないだろうな、ってよく言われるんです」
日本人男性の手には負えないのではなく、日本人男性に相手にされていないの間違えではなかろうか?と思いましたが、こういう風に「自称日本人離れしている日本人」にとって、日本人離れしている、というのは最高の賛辞です。セルフヘイティングな部分を持っているのでしょう。
だけど森さんは同じ日本人として誇らしく感じるような、格好いい日本人でした。白洲次郎をちょっとチャラくしたような感じ。本当に魅力的な人は「俺が」「俺は」「俺の」・・・・というくどいアピールをしないのです。
また森さんはとても静かな方で、アメリカ人かぶれしているところも、これっぽっちもありませんでした。話している英語も、TOEICとか英検とか、そういうものとはもう別次元のものでした。おそらく興味もなかったことでしょう。
だからといって「英語ができる俺はすごい」をふりかざさないところも、また彼の魅力でした。「まあ仕事で使うものだから・・・・」という程度だったのだろうと思います。
ただものじゃないオーラ
これを持っている人達は、日本人に限らず、目立たないようにしていても目立ってしまうんですね。周囲から興味をもたれることにも、賛辞にも慣れているから、そういうものに対して執着がないのです。輝いている人を周囲がほうっておかないのは、万国共通。魅力のない人ほど「僕は・・・」「私は・・・・」と自分から必死にアピールするみっともなさも、万国共通・・・・。
(※)誰かがまとめて支払った後に、レストランのすぐ外で割り勘し、支払ってくれた人に一人ずつ渡していくのが日本人団体客の特徴です。まとめて支払った人が、必要に応じて一人一人におつりを返すやりとりも含め、これはスマートな印象からは程遠いので、是非テーブルについてオーダーする時に、遠慮なくサーバーに「会計を別にしてほしい」(split check)と伝えてください。食べ終えて会計する前でも会計は別々にしてもらえます。
◆split checksのやり方→ アメリカのレストランでのテーブル会計のやり方(クレジットカードで支払う場合) - Inside the gate (テーブル会計じゃなくてもsplit checksはできます)
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