日本に10年、あるいは20年以上暮らしているのに、日本語が初級レベルのフィリピン人達と英語で話す時に気をつけていたことは、正しい英語を話すことではなく、彼女達に伝わる英語を話すということです。
彼女達の日本語習得レベルから言語習得のセンスの有無を判断すれば当然のことです。これと同じ事を感じていらっしゃる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
文脈を理解してもらえず、単語だけでフライング・判断されてしまう怖さ
例えば先日投稿した「「いい男はいい女のもの」それは日本もアメリカも同じ - Inside the gate」に登場したセクシーなボス・ライアンの栄転が決まった時のこと(こういう立派な人は、どんどん上に行っちゃうからねぇ・・・)。
誰もが口々に「ライアンにずっといてほしいよねぇ」「次のボスは、ライアンと比べられちゃうから大変だろうね。ライアンが立派過ぎたから」などと言っていました。その時に私がこう冗談っぽくいいました。
"Yeah, Ryan will definitely make the new boss look bad."
「そうね、ライアンのせいでどうしても新しいボスは悪く見えちゃうね」
その場にいたのがネイティブスピーカー達だけだったら、私の言葉には"because he's too good to be real."「彼は素晴らしすぎるから」という意味が含まれていることを理解してくれたでしょう。
だけど私がこれを言った時、フィリピン人のおばちゃん達が全員「えっ?!」という顔をしたのです。badという単語に食いついてしまったんですね。だから その単語に思考回路が支配されてしまって、文章の主旨がとらえられず、bad=新しいボスの悪口と思ってしまったのです。もちろんこういうことは、ネイティブ/ノンネイティブに関わらずわからない人にはわからないものです。言葉通りにしか受け取れないというか、ある言葉だけ拾ってそれしか見えなくなる人。
これは同じ言語を母国語とする人間同士でもありますよね・・・・。会話が噛み合わない人っているじゃないですか。話していて面倒くさいし疲れる相手。
【例】
@sinrinet 皮肉や冗談がわからない人が意外と多くて驚きました。そういう人達にもわかりやすい説明をするのは大変だし、興ざめですが、しかたありませんね。
— ブロガー アベマリア (@m_insidethegate) 2015, 9月 13
異なる言語を母国語とする人間同士なら、尚いっそう避けられないことです。
簡潔で的を得た表現よりも、単純な単語を組み合わせた冗長な表現の方が伝わりやすい
これは何もフィリピン人に限ったことではなく、英語が苦手な日本人従業員相手にも言えることなのですが、ネイティブスピーカーが聞いたらまどろっこしいくらいの言い方の方が、英語があまり話せない/理解できない人達には伝わりやすいということです。ポイントは、彼らでもわかる単語だけを組み合わせて話すということ。
例文を思いつかないのが残念ですが、思いついたら追記します。
この記事で書いたような簡潔な表現を避けた方が、自分のためでもあり、彼らのためでもあるということ。→留学時代にライティングのクラスで教わったことが、今もスピーキングで活かされています - Inside the gate
「え?それどういう意味?」という単語でも、その人の話を聞き続ければヒントが出てくるだろう、と考えることをしない。そのせいで無駄な誤解が生まれて「マリアがこんなこと言ってたよ」と言いふらされないようにするのは大切なことです。自分の身は自分で守る!
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