Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

言うべきことははっきりと言おう アメリカ風a**holeモード発動

横須賀基地で接客業に就きたいという方は和洋折衷で行くといいよ(2) - Inside the gateという記事の続きです。

日本人従業員でしかも女性というだけでなめられがち。だから君も時には嫌な奴になってがつんというべきだ!と言ったアメリカ人男性従業員・カイル(仮名)がいました。そのカイルがある夜お手本を見せてくれました。彼にしてみればお手本を見せたつもりはないのですが、たまたま私にとってちょうどよい学習の機会になりました。

The race cardを使われた

客がクレジットカードで支払う場合、原則的にピクチャーIDによる本人確認をすることになっていましたが、実際は忙しさにかまけて本人確認をしたりしなかったり・・・というのが実情でした。だけど一時期この本人確認の実施に関して厳しく指導された時期があり、その晩は一人一人きちんと確認していました。
そして若い黒人の男の子が出したクレジットカードの名義がステファニー・なんとかで、明らかに彼のカードではなかったため、IDの提示を求めるもなにも「このカードは受け付けられない」と伝えると彼はのうのうとこう言ったのです。

「それは僕のガールフレンドのカード。彼女は今まだ外で飲んでいるんだけど、カードを貸してくれたんだ」

あほかこいつと思ったので、その彼女をここに呼んでIDを見せてもらわないとお受けできません、と言いました。すると青年はこんなことを言い出したのです。

"I don't know where you are coming from, and I'm not the kind of person who uses a stolen credit card."
「君のいいたいことがわからないし、僕は盗まれたクレジットカードを使うような人間じゃないんだ」


ですから私は"I'm sorry, but this is not about you. This is about the policy."「恐れ入りますがお客様がどうのこうのと言っているのではありません。あくまでもこれは施設の方針です」と答えたのです。

はい、このブログのリピーターはだいたい話の展開が読めましたね(笑)。

 
"Are you saying that because I'm black?"

「僕が黒人だからそういうことを言ってんの?」


このひとことを聞いたカイルがついにキレました。

missile

「一般常識が通用しない客相手にまともに話してもしようがないよ」

"No. She's not saying that because you're black. Bcause you're dumb-ass."
「違うよ。彼女はおまえが黒人だからそう言っているのではない。おまえの頭が悪いからそう言ってるんだよ」

私はカイルがいつのまにか自分の後ろに控えていたことすら気が付きませんでした。目の前にいるdumb-assしか見えていなかったのです。
私は黒人がthe race card(被差別人種という切り札)を使う対象は白人だけだと思っていたのですが、非黒人であればどんな人種にも使うのだということを、この夜身をもって知りました。
The race cardを出されたら、非黒人の人種である自分は様々なトラブルを避けるために、たとえ自分が間違えたことをしておらず、職務を遂行していただけでも、引き下がらざるを得ないと思っていたのですが、カイルは違いました。

「一般常識が通用しない相手にまともに話してもしようがないよ」ということは、カイルが常々言っていたことですが、私はdumb-assはまずいのではないかと思っていたけど、さすがカイルです。dumb-assがぐうの音もでないほど、完璧にやりこめました。

「あんなこと言っても大丈夫だったの?」と聞くとカイルは笑いながらこう言いました。

"Maria, I wasn't saying anything inappropriate or racist. I was just stating the fact. "
「マリア、僕は不適切なことや人種差別的なことは何も言ってなかったよ。ただ事実を述べていただけ」

在日米軍基地で接客業に就いている限り、客に対して土下座などありえないということがおわかりいただけたでしょうか?
ところでなぜカイルはここまで強気でいられるのでしょう。それはまた後日投稿します。

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