日本の接客サービスのきめ細かさは、やっぱりすごいなぁと思いますよ。
客が見えなくなるまで頭を下げている、とかそういうのは別にいらないと思いますが(客が振り返った時にまだ頭を下げている自分を見て感動してもらおう、っていう下心が嫌)、接客だけでなく、お役所の仕事の速さや丁寧さは素晴らしいです。
だけど求められるものの質が高い分、与える側には多大なストレスがあるのも事実です。
では他の国で接客業に就いたらストレスは軽減されるのでしょうか?
例えばアメリカ。確かに日本に比べたら緩いですよ。
「この間買ったお茶が賞味期限が切れていたので、新しいものと交換していただけませんか?」と言って客がその商品とレシートを持ってきたら、日本だと店長が出てきて頭を下げ、お茶に加え、お詫びの品の入った手提げを持たせます。
だけどアメリカなら「ああ、すみませんでした。どうぞお持ちください」と、たまたま対応した店員が賞味期限がより長い商品を手渡しておしまいです。私もその程度でいいと思っています。
だけどアメリカではアメリカならではストレスがあります。
例えば西海岸の大都市で、ショッピングモールの中に入っていたアパレルショップに勤務していた女性は「新しく入ってくる人(従業員)がいつかない」と言っていました。理由は客の行儀の悪さです。
- 自分の娘くらいの年齢と思われるうら若き女性店員を、些細なことで怒鳴りつける中年女性客。
- いくらアメリカ文化が返品に対しては寛大であることを考慮しても、「それは返品しないだろう」という状態の物を返品してこようとする女性。(尿が引っ掛けてあったりする。臭う)
- 興奮を求めてフィッティングルームに隠れて行為に及ぶ若いカップル。その後始末をするのはもちろん店員で、そんなのは日常茶飯事。排泄行為をする客もいる。
こういう話を聞くと、日本の客は求めてくるものがいちいち細かいけれど、まあこういうやつらに比べればいいな、と思えてくるから不思議です。
どこの国に行っても接客業に就いた限り、ある程度ストレスはあるんですよ。ストレスの種類は違うと思うけど、人間相手にしている限りストレスからは逃げられないってことですね。
人間は一番愚かな生き物だけど、一番面白い生き物でもありますから、そういう面白い面を見ながらゆる~く生きていきましょう。
どこで生きるかよりも大切なのは、どう生きるか。
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