「blackという表現は不適切で、黒人達が聞くと侮蔑ととらえられます。African Americanを用いましょう」
私はこれを真に受けていた人間のひとりでした。だけどアメリカに暮らしていた時、そしてベースで働いていた時、"black"はしょっちゅうききましたし、私も「ああ、使っていいのか」という感じでTPOに気をつけながら、使うようになりました。確かに不適切であると考えられるシーンもあります。
だけど不適切だからと言って、みんながblackと言っているのに、自分だけがAfrican Americanといい続けると、会話がしらけてくるのです。会話のカジュアル度を感じ取れない、トーンを感じ取れない人が会話の邪魔をしているっていうのかな。ファミレスで自分だけ気取って浮いている人みたいな感じ。
では不適切なシーンってどういうシーン?
Senior Israeli politician's wife's 'racist' joke about Obama; "What do u call Obama coffee? Black and weak." http://t.co/BVaQybtkDW
— Ahmed Shihab-Eldin (@ASE) 2015, 6月 22
これはイスラエル内務省大臣Silvan Shalom氏の妻、Judy Mozes氏が言ったジョークに関する、アルジャジーラ・イングリッシュのジャーナリストAhmed Shihab-Eldin氏のツイート。
人種差別的なジョークはこういうものでした。
「何をオバマ・コーヒーと呼ぶか?ブラックで弱いコーヒーよ」
weakはコーヒーの「薄い」にも使われる単語なので(「濃い」はstrong)、それにひっかけたシャレみたいなものだったのでしょう。「オバマ・コーヒーは薄いブラック」という、ただコーヒーに例えた軽いジョークのつもりだったのかもしれませんが、Judy氏は自分の投稿が物議を醸し出したと知って、こう言い訳しています。
President Obama I shouldnt have written the inappropriate joke I heard. I like people no matter about their race and religion.
— Judy Mozes (@JudyMozes) 2015, 6月 21
「オバマ大統領、私は他の人から聞いた不適切なジョークを書くべきではありませんでした。私が人を好きになる時、その人の人種や宗教は関係ありません」
I heard=(他の人から)聞いた、とつけることでさらに株を下げましたな・・・。
ではオバマ大統領の妻・ミシェル夫人がレストランでこんなジョークをいっていたらどうなったでしょうか。
"Can I have a cup of coffee? I like it black and strong, just like my man."
「コーヒーをいただけますか?私の愛する男性のように、ブラックで濃く(=ブラックで強い)してちょうだい」
極端な例ではありますが、人種差別的なジョークとはとらえられないでしょう。なぜなら
- ミシェルさんはオバマさんの身内である
- ミシェルさんも黒人である
結論:黒人以外の人種も、TPOを考慮していればblackという表現を使っても問題はない。
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