昔アメリカの零細企業で働いていた頃、私があまりにもすっとぼけたことをしてしまった際、ボスにこう言われました。
"Are you blonde?!" 「君はブロンドか?!」
これは私がアジアンであって、しかもボスを中心にスタッフ全員が家族のように仲が良く、結構きついジョークもお互いにかませる間柄だったから言えたちょっとracialなジョークです。ブロンドの女性に言ってはいけません。
あと横須賀基地で働いていた頃"Are you having a blonde moment?"と言われたこともありました。
こんな風にとにかくブロンドというのは「頭が空っぽ」の代名詞としてジョークにされることが多いのです。
(この画像のどこが面白いのかわからない方は、多分続きを読んでも面白くないのでここでお別れです)
「ブロンド=見た目はよいが頭の中が空っぽ」をネタにした映画といえばLegally Blonde
邦題は「キューティー・ブロンド」。主演のリース・ウィザースプーンが見事におバカなブロンド娘・Elleを演じきっています。エンターテイメントとして成り立たせるには、話し方や歩き方、ちょっとした仕草などこのくらい大げさでちょうどよいと私は思いました。
"If i'm gonna be a senator, I need to marry a Jackie, not a Marilyn."
「もしも僕が上院議員を目指すとしたら、マリリン(モンロー)みたいなタイプではなく、ジャッキー(ジャクリーン・オナシス・ケネディ)みたいなタイプと結婚しなくちゃいけないんだ」
てっきりプロポーズされると思ってディナーに出かけたElleを待ち受けていたのは、こんな展開でした・・・。そして取り乱すElle。
「じゃあ私がブロンド過ぎるから結婚できないって言うの?」
「私の胸が大きすぎるの?!」
ボーイフレンドはあわてて否定しますが、「東海岸の人間はちょっと違うんだ」と火に油を注ぐようなことを言ってしまいます(笑)。
"My brother's in the top three at Yale Law, and he just got engaged to a Vandebilt."
「僕の兄はイエール・ローのトップ3で、名門ヴァンダービルト家の娘と婚約したばかりなんだ」
これに対し「古いだけのヴァンダービルト家よりも、(西海岸の)高級住宅地でしかもアーロン・スペリング(※)の向かいで育った私の方がよっぽど育ちがいいって、ほとんどの人が思うはずよ!」と言い返すElleのおめでたさが、もういかにも「頭がからっぽのブロンド」で可愛いのです。
「可愛ければ頭は空っぽでもいいじゃない。でもファッションに関しては甘く見ると痛い目にあうわよ♪」
ボーイフレンドにプロポーズされることを期待していたElleは、デート用のアウトフィットを買いに行くのですが、そこで意地悪な店員がこそっとこんなことを言うのです。
There's nothing I love more than a dumb blonde with Daddy's plastic.
「パパの家族カードを持ったバカなブロンドほど大好きなものはないわ」
そしてセール中であることがばれないようタグをはずして、Elleのところに持って行きます。そしてうまいことを言って定価で買わせようとするのですが、それがラストシーズンのものであるということは、ファッション命のElleにはすぐにばれてしまい「定価で買わせようと思うのなら、相手が悪かったわね」と逆にやられてしまうのです。
◆a Jackie, a Marilyn....「なんで人名の前に不定冠詞("a")がつくの?」と思われた方は
(17)pull a(an) + 固有名詞 - Inside the gateという記事を下までスクロールして「a+固有名詞」という部分をご覧ください。
以下の動画はネタバレになりますが、Legally Blondeのラスト。よくやった、Elle!!
ブロンドネタといえば、メンヘラアメリカンDさんのことを書きたかったのですが、長くなってしまったのでまた今度にしましょう。
※アーロン・スペリング:ググらなくてもこの人が誰なのかわかったあなたは多分アラフォー。
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