Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

米軍関係者(将校・退役)、または妻によるマウンティング

横浜市のあるバーでの一コマです。

Beer
それまで面識のなかった二人のアメリカ人中年男性がそれぞれカウンターで飲んでおり、雑談を始めました。フェルナンドさんとタイソンさんとしましょう。その会話の内容から、タイソンさんが現役のネイビーのChiefだとわかったフェルナンドさんはこう言いました。

I wanna buy this chief a drink.

おお、気前いいなと思うじゃないですか。そしてこの時点でフェルナンドさんのランクはChief以上であることが想像つきます。

案の定フェルナンドさんは5分後にはWell, I retired as a lieutenant and....とさりげなく盛り込んできました。別にマウンティングのつもりはなかったでしょう。軍ではランクがすべてだから、互いのランクがわからないとその後の話がしにくかったりしますから(それにしてもlieutenant=中尉でリタイアって珍しいですね)。ちなみにフェルナンドさん、ものすごく羽振りがよかったです。
で、フェルナンドさんはリタイアした後に来日して民間人と仕事をしているわけですが、退役軍人はアメリカでは需要がないって本当なんだなと思いました。それはうちの夫を見ていても同じことがいえるわけですが、年金もらっているとはいえ、それだけだと長い人生心細いですからね。やはり55歳くらいまでは働かなくちゃいけないでしょう。

続きましてワイフによるマウンティング。

私がまだ横須賀基地で接客業に就いていた頃の話です。日曜日の昼下がりでした。家族連れのお客様が来店し、あるものを16時までに用意してほしいと頼まれたのです。その日の人員と通常営業を考えると、無理なお願いでした。キッチンに確認してみたら、やはりどう考えても人も時間も足ないからおまえうまく断ってくれよ。あばよ!と言われました。
「ただお断りするのもなんだから、妥協案として何か提案できないかな?例えば18時ならなんとかなるよ、とか」

18時でOKをもらい、お客様のもとに戻りました。

「申し訳ございませんが、16時ですとどうしても間に合いません。18時でしたらなんとかご用意できますが、いかがでしょうか?」

すると奥様はこういいました。

「私達、今日XXXXXX streetに引っ越してきたばかりなの。それでhousewarming partyをするから、できれば16時には届けてほしかったのよね。まあ18時でもいいわ」

XXXXXX streetというのは、オンベースハウジングの中でも、幹部が集まって住んでいるところです。

Ronnenberg - Life in a Suburb

(実際のストリートとは関係ありません)

そのストリートの名前を出してくるなんて、私はカルチャーショックを受けました。なぜならあのストリート沿いに住む人達はランクで言ったらO6以上だから、そこまで上り詰めたらもう夫のランクをひけらかす奥様なんていないはずなのです。

U.S. Navy Ranks - Officers


「あのストリートに住むくらいランクの高い男でもこんな女を娶るのか・・・」
私がイメージしていたアメリカンあげまん像が崩れていく中「今後XXXXXX(あるもの)のご相談がございましたら、この番号にお電話ください。オフィスは平日〇時から〇時まで開いております」とお店の広告を渡して売り込むことは忘れませんでしたよ。おほほほほ。
ちなみにご主人、お子さん達は皆長旅のせいかぐったりしていて、私に高圧的な態度をとっててきぱきしていたのは奥さんだけ。これはこれで家族として均衡がとれているんだろうなぁと思いました。

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