カウンセリングという言葉を聞くと、悩みを聞いてもらったり相談に乗ってもらったりという様子をイメージするでしょう。
ところがベースで働く人間にとって、カウンセリングといえばポジティブなイメージはありませんでした。なぜならそれは上司に呼ばれて指導を受けるという意味も含まれたからです。現場が全く見えていない理想主義の上司と衝突した際"Just let us do this now and you can give me a counseling later!!!!" 「(この状況ではあなたの指示には従えないから)今はひとまずこうやらせてくれ、お説教ならあとで聞くから!」と言い放った男性従業員のことを今でもよく覚えています。
もちろんカウンセリングなので自分にも発言の権利は与えられ、相談に乗ってもらう機会としても設けられていますが、「マリア、カウンセリングするよー」「はーい♪」といいたくなるようなものとは程遠く、むしろその正反対でした。
事務職に異動してからは一度も聞きませんでしたが、接客業に就いていた時はしょっちゅうこの言葉を聞きました。私自身も一度カウンセリングシートにサインをさせられそうになりました(結局サインせずに済んだ。それは後述)。ところがそのカウンセリングは指導ではなく、ただの嫌がらせだったのです。
カウンセリングをすると追い出しやすくなる理由
まずなぜカウンセリングの実績を作ることが追い出す準備なのでしょう?
それは仮に私を「問題のある従業員」として他の施設へ飛ばす及び解雇する場合、それなりに証拠が必要となります。「こんなことやあんなことをやっていた厄介な従業員です」という証明になるのが、カウンセリングの履歴。回数が多ければ多いほど、雇用者としてはスムーズに追い出せるのです。
逆にカウンセリングの履歴が何もないと「なんでそんなちゃんとした人を解雇・異動させるの?」という風になってプロセスが難しくなります。
カウンセリングの対象が急に厳しくなった
フロントラインで働く人間の一部に対し締め付けがきつくなり始めた時期がありました。「今後は厳しくカウンセリングしていくわ」と言い出したのはメグ(仮名)というフィリピン人。権力を与えてはいけない人間に与えるとこういう風になるんだなというよい例でした。
◆このブログを初めて訪問されている方は「なんで在日米軍基地で日本人がフィリピン人の下で働かなくちゃいけないの?」と不思議に思われたと思いますので、暇でしようがない時にでもこちらの記事をご覧ください>>横須賀基地の聖域がフィリピン人に侵略されるのも時間の問題 - Inside the gate
メグの口癖は「解雇されないように気をつけなさいよ」。
ベースの従業員は正職員(IHA/MLC)であればちょっとやそっとのことじゃ解雇されませんが、メグは当時自分にとって邪魔な従業員を解雇に追い込める力を持っていました。ここらへんの詳細はいつか私が本を書くことになったら書きたいと思っています(うへへへへ)。本にはサインをして皮のカバーをかけてメグ本人に送り付けて、日本語が読めないこの糞ビッチのために私が自ら音読したオーディオブックも添えたいですね。
話が脱線しましたが、メグが急にこのように女帝のように振る舞い始めたのは危機感からでした。そもそも自分に自信のある人間はこんな風に下の人間を押さえつけようとは思わないものです。なぜ彼女が危機感を持ったのかは、個人の特定に確実につながるためここでは書かないことにします。
スーパーバイザーに呼び出された
当時の私のスーパーバイザーはアメリカ人女性でした。私は着替えてタイムカードを打刻し、チェンジファンドを取りにこうとすると「マリア、勤務を始める前にちょっと時間をもらえる?」と彼女に声をかけられました。ああ、嫌な予感・・・・。そのまま彼女と一緒にキャッシュケイジに行くと、こういわれました。
「あなたはこの間XXXXXし忘れたから、これからそのことについてカウンセリングします」
え・・・・・????
一瞬英語が聞き取れなかったのかと思うほど、信じられないようなことをスーパーバイザーに言われたのです。XXXXX=そんなことでカウンセリングするの?というようなことでした。どのくらいくだらないことだったかわかりやすく説明すると、給湯室のポットの入/切のつまみを切り替え忘れたとか、カップヌードルに日清がせっかくつけてくれているシールを使わなかったとかそのレベルですよ(苦笑)。
その瞬間「これはメグの指示によるものだ」とすぐにわかりました。どんなくだらないことでもいいから、アベマリアに1ストライク与えたい。そしてアウトのaxを振り下ろす時の手続きをスムーズにしたい、ただそれだけなのです。
「カウンセリングを受ける前に確認させてもらいたいのですが、私はたかがXXXXXをし忘れたことでカウンセリングをされるのですか?」
スーパーバイザーは言葉に詰まりました。彼女は軍人の配偶者でしたから、よほどのことがない限り解雇されません。よって女帝メグを恐れる必要もなかったのですが、何しろ彼女は遅刻が多く、その分メグが彼女の業務をカバーしていたため、弱みを握られている立場としては、その施設で事実上ナンバー2だったメグの言いなりだったのです。
サイン拒否
2/2に続く
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