Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

「お客様は神様です」は米軍基地に来たら忘れましょう


ベース・・・そこは文化もアメリカ文化です。
日本の接客を期待しないようにしましょう。
接客というよりはベビーシッターのようなサービス。

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photo by Chris JL

 

私の知人が働いていたある施設は、日本人客もかなり来店したそうです。
そこはカフェのような場所で、カウンターで注文をしてからテーブルにつきます。テーブルにメニューが運ばれてくることはなく、メニューといえばカウンター内に掲示されている大メニューだけ。

そこでよく言われるのがこれ。


「英語のメニューが読めないんですけど・・・・」

米軍基地なんだから、メニューだって当然英語だろうという想像くらいつきそうなものです。一つ一つ読めってか?と知人は思うそうですが、そんなことをしていたらきりがありませんから「気になるものがありましたらお聞かせください。ご説明いたします。ごゆっくりご覧ください」と言って逃げきるそうです。
日本だったらお客様のいうことは何でも聞くとか、ぶつぶつ文句を言い続ける客に対してとりあえず平謝りするとか一般的ですが、ベースではありえません。
客と従業員の関係が、日本とアメリカでは異なるからです。

先日はこんな日本人女性客がいたそうです。
その女性はビールを一本買いました。そしておしぼりをくださいといわれたそうです。

「おしぼりはございません」

するとウェットティッシュをくれ、というのだそうです。ビールしか飲んでいないのだから手は汚れていないはずなのに・・・・と彼女は不思議に思ったそうです。

「ウェットティッシュはございませんが、店内には備え付けのペーパーナプキンがございますので、よろしければそちらをご利用ください」

そういってカウンターにおいてあったナプキンのディスペンサーを指し示しました。
この話を聞いている時点で、私も頭の中が「???」の状態でした。なぜそこまでしてウェットティッシュで手を拭きたいの?

ああ、そうだ。
私も私の知人も、もうすっかり日本の接客業からは取り残されているのだ、とその時強く感じました。

「なんでいちいち・・・・細かいわねこの客」

ベースで働くと、こうなっちゃうんですよ。
ベースの外=日本のお店における接客が、接客というよりベビーシッターに思えてくるのです。特にベースを訪れる日本人の中年女性の団体は面倒です。ベースにきてまで「このくらいやってもらって当然」という客が多いように感じました。最悪の場合、振り回すだけ振り回してチップは残しません。

そういえばこの女性客も中年女性だったそうですが、ベースには日本人の中年女性のグループが結構見かけられます。彼女達を見ていると、日本のおばさんパワーってすごいな、と思うんですよ。
おちょぼ口で食べているせいか、信じられないくらい食べるのが遅いのが日本人女性の団体の特徴でもありますが、彼女達はアメリカンなその場を一瞬にしてさいか屋(※)に変えてしまうパワーがあります。
優雅とは程遠いけれど、やっぱり中年女性はこうでないとね、と変に納得してしいました。

※さいか屋:川崎、藤沢、横須賀に店舗を構える百貨店。おばさんの聖地。


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