枯れない美女(1) - Inside the gate から読む
実はこの枯れない美女ことアンバーは、真性美人ではありません。まあまあ可愛いほうですが、ぼさぼさの髪の毛をひっつめただけ、そしてすっぴん、上下スウェットでネイビーエクスチェンジに行く時の彼女はまるで別人で、私はそういう彼女を見ると「アンバーでも実はこんなものなのか・・・」とほっとしたものでした。
そんな彼女が美女に化けるのに必要な時間ですが、シャワーを浴びてドアを開けて出かけるまでどのくらいだと思いますか?
なんとたったの一時間なのです。
男性にしてみたら「一時間もかかるのかよ」と思うかもしれませんが、アンバーの化け方を知っている人なら驚く速さです。あれだけ美しく仕上げるのに、シャワーも含めてたったの一時間であるはずがないと思いたいのですが、彼女ならありえる。
なぜなら美しさが持つ威力を知っているアンバーは、それを最大限に引き出すには何を足したらよいのかよくわかっているのです。だから余計なものは絶対に足さない。「他人の目から見て美しいかどうか」がちゃんと意識できているのがよくわかります。自分の黄金時代のメイクに執着し続けるおばちゃんや、まぶたがかぶれてガタガタになっていても構わないからアイプチを使い続ける若い子達にはない感覚です。
しかも彼女の家はきちんと整頓されていますから、家事や身支度の導線もはっきりとしていて、無駄な動きがなさそうです。
洋服だって「ネイビーエクスチェンジで買い物しなさそう」な感じなのに、実は彼女のワードローブはほとんどエクスチェンジで購入したものでした。
「みんなあそこには可愛い服なんて売ってないっていうけど、私はエクスチェンジみたいなところでも、掘り出し物を見つけるのが得意なの!」
そうなのです。アンバーから見たら掘り出し物かもしれませんが、掘り出されて喜んでいたのは洋服の方でしょう。アンバーのようなセンスのよい女性、おまけにボンッキュッボンッ!の極上ボディに着てもらえるのですから。
だけど・・・・
愛を求めて彷徨い続ける美女vs愛されているブス
アンバーが旦那とうまくいっていなくて、ちやほやしてくれる男性達を精神安定剤的に使っていた頃、少し美人度が低くなったのです。
確かにこの頃は、彼女が本来得意としている自分の美しさを引き出す無駄のないメイクというよりも、何かこう迷走していましたね。盛りすぎていたし、不安定な精神状態がそのまま顔面に出てしまった感じでした。
最初の頃はアンバーの美しさに心を奪われていた日本人男性従業員達でさえ「化粧しに来ているのか仕事をしに来ているのかわからない」といい始めたくらいです。
アンバーのような美女が夫婦の問題で苦悩する姿は色気がありそうですが、その色気もありませんでした。そしてそんな彼女を見ていて対照的な女性をふと思い出しました。その女性は美人とはいえない女性でした。ヘアメイク、ファッションもまったく構わない女性でしたが、彼女はアンバーにはない物をたった一つ持っていました。それは愛されているという安心感です。
これは漂わせようと思って漂わせることができるものではありません。むしろそれを意識した時点で作為的になってしまい、なんだかいやらしくなってしまいますから、ほんわかとした安定感にはなりません。
愛されている不美人を目の前にすると、アンバーの厚化粧はますますSOSのサインにしか見えなくなってしまうのです。
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