ベルギーのブリュッセルでテロリスト達が空港や地下鉄の駅を攻撃し、多くの人々が命を落とし、負傷しました。これでまた欧州に住むイスラム教徒達への偏見や警戒心といったものは強くなるだろうと思われますが、ここ横須賀・どぶ板通りではイスラム教徒達は今までとまったく変わった様子もなく商売しています。
彼らが経営するバー(そのうちのほとんど・・・というか全てがフーカバー)は若い米兵達に大人気です。
大人気のフーカバーの一つ・Istanbulの店内の様子は、オーナーのトルコ人夫妻にしてみれば「こんなのちっともエキゾチックでもTurkishでもないよ」というものかもしれません。私の推測ですけどね。
だけどアメリカ人客(ここに来るアメリカ人客の多くは若い米兵)や、日本人客にもわかりやすい「いかにも中近東風」というのを目指すとこういう雰囲気なんだろうなって思いました。
やはり自分達が目指すものと、客が好きなものが一致するとは限らないのでしょう。悪趣味だぜと思いながらも、ビジネスだと割り切る。
ところである晩のこと。どぶ板を歩いていたら、前を歩いていた若いアメリカ人のグループの一人がこういったのが聞こえました。
"Istanbul....? It's so durka durka."
「(フーカバーの)イスタンブール?(まあ行ってもいいけど・・・)すごくダーカダーカだよね」
さて、durka durka(ダーカ ダーカ)ってどういう意味なのでしょう?
Photo courtesy of http://www.funnyjunk.com/funny_pictures/469429/Durka/
ダーカダーカ モハマド ジハード
実はこれ、私もよく意味がわからないのですが、東アジア系の平たい顔族に対して濃い顔の欧米人達がチャンチュンチョンというのと同じような感じで、アラブ系の人達に使われる表現なのかな、と思いました。
大人が使えば侮蔑的だし、子供が使えばふざけて言っているだけで、深い意味はないんだろうなという感じ。あるいはフジヤマ、ゲイシャ、スキヤキ的なもの。
夫に聞いてみたら「確かサウスパークから始まったんじゃないっけ?」と言っていたのですが、どこから始まったのかは定かではありません。
どぶ板にあるケバブのお店(店内ではフーカも楽しめます)アリババも若い米兵達に言わせれば、典型的なダーカダーカな場所になります。こうして米海軍基地のある街でイスラム教徒が彼らと平和に共存できる理由は、イスラム教徒達がビジネスに徹しているからだと思います。アラブの商人達にとって、どぶ板はアメリカ兵と交流する場所ではなく、お金を儲ける場所でしかない。
「ダーカダーカ モハマド ジハードで結構!目標額稼いだらエジプト/トルコに帰るんだから!」
ダーカダーカとからかわれているうちは客が来る。「ダーカダーカな場所=なんだかエキゾチックな雰囲気の場所」でフーカをふかしてもらってなんぼなのですから。
ところでこのIstanbulですが、船がいる間は週末の夜になると大繁盛しています。そこで私の友人は開店直後を狙って行って、まだ客のいない静かな店内でフーカを吸うのが最高の瞑想タイムなのだそうです。ちょっとした非日常の世界にトリップした感じになれるんですって。
昨年の12月のことです。アリババを通りかかった時にクリスマスのデコレーションが輝いていたので「イスラム教の方もクリスマスをこういう風にお祝いするんですね」と声をかけたら「商売だからしようがないんだよ!」と店主のイマドゥさんに言われてつい笑ってしまったことが昨日のように思い出されます。だけどすぐにそのデコレーションは撤去されていました・・・。