今更そんなことを・・・と言われそうな話ですが、ずっと気になっていたので書こうと思います。
自分が受けたセクハラに対し、堂々と声をあげていこうという運動 #metoo に乗じ、昨年12月に作家のはあちゅう氏が自らが受けたパワハラ、セクハラについて、加害者の実名を出して告発しました。
告発の詳細を読んで、加害者の岸勇希氏ほどの地位や名声を得た人でも、あんな風にねちねちと若い女性をいたぶるのか、と愕然としました。はあちゅう氏の有料noteの衝撃的なつまらなさに腹が立った時期もありましたが、それでもやはりさすがにこれは可哀そうだと思いました。男は女と違ってさっぱりとしていていいね、なんて思い込みもいいところです。男の方が恐ろしい。
そして岸氏のしたことはただのセクハラ、パワハラとは質が違います。そんなに単純ではない。自分の立場を利用して「おまえやらせろよ」とか、そういうのじゃないのです。
この #岸勇希 という男がやったこと、ただのセクハラ、パワハラと違ってなんとも言えない気持ち悪さがある。女の腐ったのみたい。 https://t.co/WFnvrzfKra
— アベマリア (@m_insidethegate) 2017年12月17日
以下に告発内容の一部を引用します。
「本社に異動した頃、岸さんから『今すぐ飲みの場所に来い。手ぶらで来るな。可愛い女も一緒に連れてこい。お前みたいな利用価値のない人間には人の紹介くらいしかやれることはない』などと言われるようになりました」
あのぉ・・・・可愛い女の子と飲みたいだけなら、太字の部分、要らなくないですか?
このように「ひとこと多いタイプ」はよくいます。だけど岸氏の場合は、その余計なひとことこそが、実はメインなのです。それを言うために「可愛い女の子を飲みの席に連れてこい」というのを口実にしているだけ。はあちゅう氏の自尊心を傷つけることが最大の目的なのです。ああ、もう気持ち悪すぎる。
心で泣いて顔で笑っている人を見て、もう顔でも笑えないくらいまで痛めつることが娯楽になってしまっている人。人の心が血を流すのを見て快楽を得る人。相当病んでいるでしょうね。
嫌がらせに対し、はあちゅう氏の心に耐性ができてしまうと、だいたいのことはスルーできるようになってしまいますが、こういうやつらはそれでは面白くないのです。「こういうやり方ではもはや効かなくなってきた。ではどんな言葉をどういう風に言えばぐさっと心を突き刺すことができるのか」ということを考えて、ハードルを上げてくるでしょう。
はあちゅう氏はかつて電通の中部支社→東京本社への異動を強く希望しており、その相談に乗っていたのが加害者である岸氏でした。岸氏の口添えをはじめとする支援があって、はあちゅう氏の異動が可能になったのかどうかはわかりませんが、仮にはあちゅう氏が岸氏に借りがあったとしましょう。
自分を支援してくれた人が、のちのち自分に対し支配力を持ち続けることの恐ろしさというのは、ある程度覚悟していたとしても、まさかこんな形で支配されるとは思ってもいなかったでしょう。ハラスメントというよりは、もはや精神的虐待ですよ。
「仕事のことでお世話になったのだから、仕事で返す。こいつに力を貸してよかった、と思ってもらえるように何倍にもしてお返ししよう」
そんな殊勝な考えがまったく通用しない世界が電通や芸能界なのです。なんでもありの体育会系らしいですからね。
#岸勇希 は「己を奮い立たせる言葉」という著書を出版しているそうだけど、もしかすると「お前体も使えないのか」「底辺の人間と付き合っているからお前もダメなんだよ」とかそういう弱い者をいたぶる言葉を発することで、心だけじゃなくて他のものまで奮い立ってしまう性癖の人なのかもね。
— アベマリア (@m_insidethegate) 2017年12月17日
はあちゅうさんは、不運にも選ばれてしまったのだと思います。岸氏の鬱憤を晴らしたり、ストレスを解消するためのツールとして、選ばれてしまったのです。そのツールとは、Emotional punching bag=感情をぶつけて処理するためのサンドバッグです。
はあちゅうさんをいたぶることにより、岸氏はすっきりしたり、威厳を保ったりと、様々な感情の処理をしていたのだと思われます。はあちゅう氏はおもちゃなんてレベルじゃなかった。完全にサンドバッグです。
はあちゅう氏が繰り返されるハラスメントに耐えられなくなり、岸氏と連絡を断つことに決めたのは、電通に在籍中でした。ということは、岸氏は直属の上司でもなんでもない存在だったということです。上司だったら連絡を断つなんてこと無理ですからね。上司でもないのにここまではあちゅう氏に対して支配力を持っていたということは、やはり彼女は岸氏に借りがあったのでしょうか。
「深夜に『俺の家にこれから来い』とも言われました。当時、私は田町に住んでおり、彼の自宅は浜松町だったので、歩ける距離にありました。突然電話がかかってきて、どこで何をしていようと、寝ていても『今から来られないのか』と言われました。『寝ていました』と言うと、行かないでも許してくれることもありましたが、翌日、『お前はこの会社には向いていない。CDC(岸氏が所属していた部署)にきたら深夜対応も当たり前だぞ』と言われました」
こうして呼び出されたはあちゅう氏は、岸氏が作業をする様子を延々と見せられて、褒めたり岸氏の嫌いな人の悪口につきあわされたりするのです(岸氏が女の腐ったのみたいに延々と人の悪口を言っている間に寝落ちしてたらどうなっていたのかな・・・)。
私の想像なのですが、おそらく岸氏ははあちゅうさんのようなきらきらした人の頭を抑え込むことで救われていたのではないでしょうか。
友達と楽しみながら書いたブログがヒットして書籍化されて、世界旅行にスポンサーまでついた女子大生が、電通に就職。こういう風に一見順風満帆の人生を送る(もちろん人知れず努力した結果でもあります)=日の当たる道を歩いてきた人=はあちゅう氏は、岸氏のようにねちねちした人=日陰で生息する植物のような精神の持ち主(陰険で性根が腐っているタイプ)のターゲットになりやすいんですよ。
そしてはあちゅう氏はただでさえきらきらしているのに、電通の本社に異動したい!と野心をむき出しにしてしまった。野心を持つことは悪いことでもなんでもありません。ただ相談する相手がまずかった。もう岸氏にとって、はあちゅう氏は完全にカモネギだったと思います。
そういう日陰で生息する植物みたいな輩に標的にされたり、足を引っ張られないようにするために、太陽に向かってすくすくと伸びていくひまわりのような人は気をつけなくてはなりません。
適度に不幸を装って、嫉妬されないようにすればよいのでしょうか?確かに幸せアピールをするよりはましでしょうけれど、結局輝いている人というのは、よからぬものも引き寄せてしまいます。
陰険な人々の手が届かないような高いところまでのぼりつめてしまえば、もうそういう輩に足を引っ張られる心配もありません。だけどそこまでのぼりつめるには、やはり力強い後ろ盾が必要となりますし、その人が岸氏よりひどくて、芯から極悪という可能性もあります。
このようにして精神的な虐待を受けたはあちゅう氏ですが、「おまえだって童貞を傷つけるようなことをやっていただろう」と非難されてしまいました。私はまったく質が、根っこが違う問題だと思うので、「おまえだって」と同じように扱うのはおかしいと思います。
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重大かつ繊細な問題が第三者の横ヤリで妙な方向に炎上して本題から離れていくのは凄く残念で、同時にここらへんがネットの限界なんだと思わされる。
— フミコ・フミオ@下層通過 (@Delete_All) 2017年12月20日
告発の詳細は以下から引用しました