残念ながら(いい男関連記事に関してはいつものことですが)本人の画像はありません。
横須賀基地とその周辺にいるアメリカ人男性には、「なんで米軍に入隊したの?モデルでもやればよかったのに」と不思議に思うほどのレベルのイケメンは数えるほどしかいません(背も高くガタイもよい人が多いため、体のレベルはやはり平均的に高い)。
私が先日遭遇した青年は、顔もかなりイケメンなうえ、全体的な雰囲気がとてもアバクロだったのです。人種差別だ!と騒がれるアバクロがブランドのイメージとして従業員に求めていた「容姿端麗な白人」であることは軽くクリアしたうえで、さらに強いプラスα=努力して手に入る物ではなく、セックスアピール等生まれ持った魅力のある青年であることは間違えありませんでした。
陽に灼けた小麦色の肌で、顔の中央を通る高い鼻筋は日焼けのあとが赤くなっていて、髪の毛は暗めのハニーブロンド。たくましく引き締まった腕にはシンプルなタトゥーが入っていて、「マリーンですか?」と聞きたくなるようなパンプアップされた胸板。そして180cmを超える長身。ああ神よ、彼に何か大きな欠点をあたえたまえ。水虫とか包茎など。または両方。
この青年が着ているTシャツは、薄い体で着たらよれっとして見えそうだけど、マッチョで美しいマネキンはそんなTシャツさえ魅力的に見せます。白人にしか着こなせないようなロイヤルブルーは、彼が着ることによりワイルドな色に見えました。preppyな白人男性が同じ色を着たら、きっと清潔感のあるブルーに見えたであろうその色は、彼に穢されることにより妖しい美しさを得たのです。
あまりにも異彩を放っていた、ほどよく上品でほどよく悪そうなその彼が近くに来たので、私はついこう言ってしまいました。
"I hope you don't take this the wrong way, but you are so Abercrombie & Fitch."
「悪くとらないでほしいんだけど、あなたってすごくアバクロっぽいよね」
別にflirt目的ではありませんよ。私は既婚者ですから。
するとこの青年は、condiment stand(調味料が置かれているスタンド)に落としていた目線をあげて私をきっ、と見つめるのです。そしてしばし無言で、調味料を選んでいるようでした。不快な思いをしているのか、それとも焦らしているだけなのか、まったく感情のよめない表情すら魅力的です。
「やっぱり悪くとられたか・・・」と思ったその時、その青年はにやっとしながら静かにこういいました。
「実はアメリカでアバクロのストアモデルをやっていたんだ」
ああ、そうなんですか・・・。そりゃそうでしょうね。そんだけいい男なのですから。そしてストアモデルをやっていた時のことなどを色々話してくれました。
「アバクロで働く前から自分の外見の良さは自覚していたの?」と聞くと、顔を赤らめてうっ・・・と言葉に詰まった後、「ああ・・・まあ・・・・でも俺、謙虚だから(笑)」と言いました。おまえぜーったい自分が顔も体もいいって自覚していただろ!
「だけどキャンパスを歩いていてアバクロのスタッフに声をかけられて採用された時は、確かに自尊心をくすぐられたよ。」
彼のオーダーしたものができあがり、番号が呼ばれました。
「君、名前は?」
「マリア。あなたは?」
「ジャスティン(仮名)。Take it easy.」
以上、ある日のタコベルでの出来事でした。
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