Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

星に思いを レバノンに非難したシリア難民へのメッセージ(2)

アルジャジーラ・イングリッシュが開設しているシリア難民へのメッセージが書き込めるウォールがあります。あなたがメッセージを投稿すると、星になります

ウォールに登場する人を紹介すると、お一人目はバシャールさんでシリア人医師。

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シリアで反政府的活動に参加したことをはじめとする罪で、病院で働いている時に逮捕されたそうです。
拘留された時の恐ろしさをバシャールさんは語っていますが、これはシリアという独裁国家の国家権力によって拘留された場合なので、やはり日本人の私としては想像がつかないものでした。

「他人の手中に自分の人生がゆだねられてしまう怖さ。もう二度と日の光をみることはないかもしれないし、逃してもらえるかもしれない」

現在はレバノンで「小さなシリア」を感じながら医療ボランティア活動にあたっています。難民には医療サービスは高くて手に届かないものだからこそ、力になりたいそうです。
避難先で時々通うレストランでは、レバノン料理を振舞ってもらうお礼に、自分でシリア料理を作ってオーナーに食べてもらったりするそうです。そしてそのレストランで、若いシリア人男女=「シリアの未来」を担っていく世代の出会いの機会を設けているそうです。
またバシャールさんお気に入りのShishaというカフェの出前の様子のショートムービー見られるのですが、火がついた状態の火鉢を片手にもって、片手でスクーターを運転してレバノンの首都・ベイルートを走る店員さんの姿がなんかシュールで風情があって素敵です。


続いてシリアでご主人と五つ星ホテルを経営されていたハイファさん
宿泊客が少しでも快適に過ごされるようにと、それはハードに働いていたそうです。夜中までホテルで働き、早朝には宿泊客用の朝食をもって、自宅を出る生活を送っていました。シリアの伝統的な朝食を。

「クロワッサンは出さなかったわ」

シリアを訪れる宿泊客に、美味しいシリアの朝食を食べてほしい。ところが・・・・

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内戦がきっかけで、当然ホテルの経営は困難になりました。その経済苦のストレスからハイファさんのご主人は心臓発作を起こし、亡くなってしまいました。未亡人となったハイファさんは、「自分だけならシリアに残り、シリアで死んだ。だけど三人の子供達まで道連れにできないから、レバノンに来ることを決めた」そうです。

「どこから来たの?」
「政府寄り?反政府派?」
「スンニ派?シーア派?」

これらの質問はできることなら避けたいそうです。散々聞かれて疲れてしまったのでしょう。ハイファさんのインタビューで一番印象に残ったひとことは"We are unwanted everywhere."「私達はどこでも厄介者なのよ。アラブ人でありながら、アラブ社会でも厄介者」です・・・・。

三人目はアル・フラティさん(ニックネーム)。本名はMohammad Ismael Omarさんという、2009年ドバイで開催されたThe Echo of Poetryという詩の大会で優勝した初めてのアラブ系の方だそうです。
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アル・フラティさんは夜になっても眠れないため、「亡命生活の中での唯一の友達」であるペンを握って夜明けまで書き続けるそうです。書くことがアルーフラティさんを支えているといってもよいでしょう。作品はフェイスブックで発表しているそうですが、本名、ニックネームともに検索したけど見つかりませんでした。


こうやって動画を見ていると、難民と呼ばれたくない、という声をよくききます。「衣食住の確保ができればそれで十分でしょ?贅沢言ってんなよ」という肩身の狭い存在であり続け、自分達は他の人達の厄介になりつづけているのだ、と感じながら生きているのは、言葉では表現できないほど精神を疲弊します。

先日投稿した記事に登場したユセフさん「(レバノンを出て)海を渡って他の国へ亡命することも考えた。海を渡っての亡命は危険らしいけれど、ここ(レバノン)にいても『生きている』と言えるだろうか。だったら海を渡って死んでもいいのではないか」というようなことを言っていました。

皆、祖国に帰りたい。
反政府軍の一つ・アル=ヌスラ戦線(アルカイダ系)の代表が「ISILとの戦いは終わりがまだ見えない」と言っていました。バシャールさん、ハイファさん、アルフラティさんやご家族がシリアに帰られる日はいつになるのでしょうか。

Nusra leader: No end to conflict with ISIL in Syria - Al Jazeera English

アル=ヌスラ戦線といえば、イラク人のフリージャーナリスト、ヤッセル・ファイサル氏が代表のインタビューをする予定でしたが、やっととりつけたアポに向かう途中に何者かによって殺されてしまったのを思い出しました。

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