Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

こういう人達を見ると日本人村の村民なのかなと思う

先日ベースのメインゲートである光景を見て、「この人達は日本人村の村民かもな」と思うことがありました。「日本の中のアメリカ」であるはずの米軍基地の中の濃厚な日本人村というトラップ。

My hanko



どんな光景だったかというと、外から歩いてきた二人の女性が憲兵のところまできて、ゲートを通過してベースに入るためにIDを見せようとしていたところ、自転車を引いた日本人男性従業員達の団体が、反対方向からやってきました。ちょうど帰宅ラッシュの時間帯だったのでしょう。
そしてその日本人男性達は自転車を引く速度を落とすことなく次々にゲートを通り過ぎて行きました。通り過ぎる際に自転車が柵の一部に引っかかってしまわぬよう、すっと持ち上げて皆さん出ていくのです。女性達がベースに入れるよう譲ってあげようとする人が一人もいないことに驚きました。
電車をはじめとする公共のスペースでは、大抵出よう/降りようとしている人達を優先的に進ませるのがマナーではありますし、自分が譲ってしまったばかりに後ろが詰まってしまうかもしれない、と気にかけていたのかもしれません。
だけど私はあまりにも当たり前のように日本人男性達がどんどん自転車を引いていく姿を見て複雑な気持ちになりました。これがアメリカ人男性やフィリピン人男性なら「どうぞ」と譲ってくれるか、あるいは譲ってくれるジェスチャーはなくとも、一旦止まってベースに入ろうとしている女性側の様子をうかがってくれます。ベースに入っているのが女性でなく、男性だったとしても譲り合いの気持ちのようなものを見せてくれます。
だけどこの日本人男性従業員達の団体には、そういう人が残念ながら一人もいませんでした。この様子を見ていた私は「この人達、日本人村の人達なのかなぁ」と思いました。

16時近くにメインゲートを通過して退勤できるコマンドってどこよ。相当早い時間から働いている人達でしょうね。でもあんなに早く退勤しているということは、どこぞのコマンドのように生活残業しなくて済むコマンドに所属している人達でしょう。そしてエレベーターのドアが開いたら我が先にと降りていくであろう人種。日常生活では夫に、そして基地に入れば女性であるというだけでアメリカ人男性やフィリピン人男性に、あたりまえのように何でも先に譲ってもらえることに慣れ過ぎてしまっている自分の方がずれているのかもしれません。

事務職・技術職(MLC)は安月給ながらも安定はしていますが、こういう人達とともに働くことになるんですよね。日本人村で過ごす8時間/日。仕事と割り切ればなんてことないのですが、私が働いていた職場は仕事はハードながらも笑いに絶えない職場で、それがどれほどありがたく、恵まれた環境だったのか今になってしみじみと実感しています。

会社でやってる? 印鑑の押し方マナー - 動画 - Yahoo!映像トピックス


ベースで働くとこういうことからも解放されるんだろうな、と思って入ってきたら、確かに捺印する機会はもうないにせよ、精神文化は引き継がれてしまっているため意味なし。
(印鑑、といえばピザを配達してくれた男の子を見て大急ぎで印鑑を取りに行った、今は亡き祖母をふと思い出しました)

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