Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

日本人でも米軍に入れるのか その答えはYes.(2)-The US Marine編

シリーズ(1)海軍編に続き、今日はあの、泣いて逃げ出す志願者もいるほどきついブートキャンプで有名なthe US Marines(米海兵隊。以下マリーン)への入隊についてです。
他のブランチに比べてもマリーンのブートキャンプはきついと言われていますが、なんと!そのマリーンに入隊された日本人の方からコメントをいただきました。

3/3 Honors Fallen Marine in Afghanistan

(アフガニスタンで戦死した上司 Sgt. Joe L. Wrightsmanを悼む、彼のスクワッドのメンバー達)

シリーズ(1)に投稿された名無しの権兵衛様からのコメントをシェアいたします。

初めまして、私は米国生まれ、日本育ちの日本人です。 米軍に入隊したいと考えている日本の方が多いみたいなので、コメントさせて頂きます。 こちらの記事に書かれている入隊基準はその通り。日本人でも米軍、海兵隊員になるにはどうするか。

1. アメリカの高校に留学して、その後アメリカの大学を入学、卒業してグリーンカード取得

2.貴方が生粋の日本人であれ、出生地がアメリカ合衆国であれば、その他必要な条件が整っていれば入隊は可能(特殊なケース)

私の場合は1.の高校留学と大学進学卒業後、入隊しましたが、ネイティブレベルの英語力と他の特技or技術(軍人がダメだった場合自分で生きていけるだけの物を持っている)があるのなら、別に1.をやらなくても、2.さえあれば行けると思います。
1.も2.も無理な人は素直にグリーンカード取得するか、米軍は諦めて自衛隊orフランス外国人部隊に行ったほうが良い。「格好良いから」で入隊するヒーロー願望持った奴はすぐに辞めていく。

というわけで私もnon-US citizenのマリーン入隊に関し検索してみたら、名無しの権兵衛様がおっしゃったこととほぼ同じようなことが書いてありました。

work.chron.com
上記のサイトを読んでみたところ、やはりネイビーと同じく、外国人としてマリーンに入隊するにあたって重要なのは、アメリカに合法的に居住していることです。またofficer(将校)になるにはグリーンカードを持っていても大卒であっても、citizen(アメリカ国民)でないとなれません。ですから将校としてキャリアを考えているのであればアメリカ人への帰化が必要ということです。これもネイビーと同じですね。
またマリーンはArmed Services Vocational Aptitude Batteryという択一式のテストの出来も大切であるとか書かれていますが、このテスト結果が大切なのはAir Force, Navy, Armyも同じことです。

このテストにはminimum required score(最低でもこのくらいとるべき、というスコア)がブランチ別にもうけられており、噂ではArmyが一番低いといわれています。過去にwannabeではなく本物のギャングが米軍に潜んでいる - Inside the gateという記事を書きましたが、その記事を書いた頃はなぜArmyやその予備軍にごろつきが潜り込みやすいのかわかりませんでした。もしかするとこのテスト結果による振り分けも関係しているかもしれません。

マリーンの特異性

名無しの権兵衛様が「『格好良いから』で入隊するヒーロー願望持った奴はすぐに辞めていく」と書かれていますが、マリーンはフィジカル面での厳しさから米軍のブランチの中でも最も特異なブランチだと思います。

US Marines

「俺達マリーンコープスじゃねーぞー!」→Marine Corpsの正しい読み方

デブなマリーンって一人しか見たことがありませんし(ネイビーにはごろごろいます)、またマリーンといえばその強靭な肉体から精悍なイメージがありますが、そういう表面的な部分に憧れて入ると泣きを見そうですね。映画化された小説"Dear John"でも、主人公のJohnが父と二人きりの陰鬱とした赤貧生活を抜け出す手段として米軍の入隊を考えた際、マリーンは真っ先に消去されていました。ただし消去された理由は、その厳しさだけではなくマリーンの精神的な特異性、文化ももちろん含まれています。
私の知人でマリーンからネイビーに転属した人が二人います。一人は本当に危ない黒人男性 - Inside the gateに登場したネイビーの大尉ですが、マリーンにいた頃に体を痛め、これ以上マリーンに残ってそこで求められる肉体的な強さを維持することが不可能だということで、ネイビーにトランスファーしたそうです。

地獄のブートキャンプ

どのブランチでもofficer(将校)とenlisted(下士官兵)ではそれぞれのブートキャンプが存在しますが、ここで筆者がお話するのはマリーンのenlistedのブートキャンプです。
私の知人がネイビーのブートキャンプに参加していた頃、夜中の二時頃に外で何やら大声を出している集団がいて、それに起こされてしまったそうです。「ったく誰だよ!」と思って外を見てみると、その声は、近くにあったマリーンのブートキャンプから来ていました。若きマリーンの志願兵達が全員ライフルを頭上に抱えさせられ、何か大声で歌いながら走らされていたそうです。夜中の2時ですよ?
私の知人が考えるには、おそらく誰か一人がブートキャンプの厳しくかつ細かい規則を破ってしまい、連帯責任で全員夜中にペナルティを食らったのではないかということです・・・。うげぇぇぇぇぇ夜中の2時ですよ。いくらペナルティとはいえ、罰する側であるインストラクターも辛いだろうな。

www.youtube.com昭和生まれの人ならこのCM, 覚えてるでしょう(笑)?

関連記事:日本人でも米軍に入れるのか その答えはYes. - Inside the gate

外部関連ページ

マリーンなら知らない兵士はいないであろう、というか知らなかったらマリーンじゃない。最も多くのメダルを獲得したマリーン、Chesty Puller

Chesty Puller - Wikipedia


The US Marines Corps 公式ページ

Marines.mil - The Official Website of the United States Marine Corps