スラブ系美女Kさん登場記事「「伝えたい、わかってほしい、誤解されたくない」という語学学習のモチベーション - Inside the gate」の続きです。
今まで彼女が登場した記事を読んでいる方は薄々お気づきかと思いますが、彼女結構性格がきついんですよね。
彼女自身もそれは気がついているのですが、彼女の素敵なところは誰に対しても平等にきついというところ。幹部の人間にも媚びないし見ていて気持ちがよいのです。
そんな彼女とは本当に仲良くなり、二人で飲みに行くとたいていお互いに翌朝後悔するわけです。
テーブルの上にはコンビニのレシートがある。日付と時刻だけ見ると飲んだ帰りに買い物をしたんだなということがわかりますが、コンビニに立ち寄ったということすら覚えていない・・・・
そんな風に飲み明かし、語り明かせるようになってから気がついた変化があります。それは会話の中から互いの名前が消えていったということです。特にメッセンジャーでのやりとりにおいてですね。
要するにhun,とかsweetie,はたまたbi**hという風に互いを呼び合うようになるわけです。私は最初それを使ってもいい間柄というものの心理的な距離感がよくわからなくて、あちらが使い始めたら自分も・・・という風にしていました。
仕事のことを話さなくても会話が続く人
実は一緒に働き始めて仲良くなっても、フェイスブックでは友達にならなかったんですよね。同僚だからこそ友達になりにくい人っているじゃないですか。そんな感じでした。
だけど私が基地内の他の施設の面接まで進み、そしてリファレンス・チェックへの同意書を書かなくてはいけないため、「私のリファレンスになってくれない?」とKさんに頼んだところ、こう言われたのです。
"You're leaving me? You're not getting anything from me when you quit. All you're gonna get is this!"
「え?私を置いていっちゃうの?あなたが辞める時には何もあげないからね。あなたがもらえるのはこれだけよ!」
そういって私に向かって中指を立てました(笑)。それだけかい(笑)。だけどI'm gonna miss you.とかYou'll be missed.って言われるより、こういう風に言われた方が「寂しくなるわ」っていうのが伝わるんですよね。私の場合ですけど。
そしてその日の夜、Kさんからフェイスブックの友達申請が来ました。「あなたが辞めてもつながっていられるように」ということでした。そしてそれをきっかけに二人で飲みに行くようになったのですが、恐ろしいくらい仕事の話をしなかった私達。
同僚同士だと、仕事の外でも共通の話題が仕事の話しかないってことはありますよね。だけどKさんと飲むと見事に仕事の話が出なかったのです。
英語をやっていてよかったなと思うけど、語学以前の問題だと思う部分
Kさんと仲良くなっていくうちに、英語をやっていてよかったなと思うことが増えていきました。中東欧で生まれ、多感な時期にアメリカに移民した彼女と縁があってこうやって知り合ったわけです。そして笑って時に衝突して・・・ということができるのは、互いに共通の言語=英語で語り合うことができたから。
Kさんと話していて、彼女が心の深層部のひだに入り込んだものについて話している時、「マリアはノン・ネイティブスピーカーだけど、言葉の壁が原因で誤解されることはないだろうな」と私を信頼しきって話してくれていることがわかりました。言葉の壁を少しでも低くするために、努力をし続けてきたつもりです。
私もよく夫やアメリカ人の友人達に質問します。
例えば自分が五語使って表現していることを、一語に置き換えられないか?
そう思った時に質問しています。たいていの場合は一語で済んじゃうんですよね。そしてその的確な一語を覚えて、後日他のネイティブスピーカーに実際に使ってみる。
するとそれを聞いたネイティブスピーカーは「この人はこういう表現を知っているのか。じゃあこのくらい話しても大丈夫かな」という判断材料にしてくれます。
(「中級者以上に必要なのは英語教材ではなく、質問に答えてくれるネイティブスピーカー - Inside the gate」より引用)
ネイティブ・スピーカーが手加減せずに話してくれることは嬉しいことです。だけどそれは英語力だけが関係しているのでしょうか?
確かに語学力は大切です。アメリカのTVドラマ"Sex and the City"で、主人公のキャリーが仕事も友人達との楽しい生活もあきらめて、ロシアンの恋人・ペトロフスキーについていってパリで暮らす生活を選んだ時、親友の一人であるサマンサがこういいました。
"Your fabulousness will translate."
「(フランス語が話せなくても)あなたの素晴らしさはパリの人達にもわかるわ」
で、結果的には言葉が話せないということから、完全にペトロフスキーに依存するしかない生活の中で寂しさに耐え切れなくなったキャリー。
確かに言葉が話せると、より多くのドアが、窓が開いて見えます。そしてそこに入っていける。だけどネイティブスピーカーが腹を割って話したくなる人が持っているものって、語学力だけじゃないんですよ。
人間関係の土台を築くために必要な「最低限のもの」の一つが語学力であって、それよりも大切なのが人間性ですよね。
彼女の周りにはネイティブ・スピーカーの女友達が大勢います。「こういう風に話して理解してもらえるかな?」「この単語・イディオム・スラングは知ってるかな?」という配慮=ストレスなしで話せる相手などいくらでもいるのです。
なのにノン・ネイティブスピーカーの私とわざわざ出かけたり話したがるのはなぜでしょうか。
それは以前にも書きましたが、傾聴の姿勢です。
スポンサード リンク
シンプルなことなんだけど、とにかくKさんが話し終わるまで待つ。特に内容が複雑で、Kさん本人も考えがよくまとまっていない場合は、話の途中でどんなに言いたいことがあっても絶対に私から話さないし、メッセンジャーにおいてもKさんが書ききるまで待って、それを読んでから答える。
Kさんが私にこういったことがあります。
"I trust you and love talking to you because you never judge me."
「あなたは絶対に私を(「こういう人間だ」と)決め付けないから、あなたを信頼しているし、あなたに話すのは大好き」
これは私が一番気をつけていたことだったので、わかってもらえて嬉しかったです。Kさんの話を聞いていて、どう感じたかを聞かれたら、言葉を厳選した上で正直に伝えました。
だけどごく限られた情報から「あなたはこういう人だから」と決めつけて話すのは、Kさんに対して敬意が欠けている証拠です。これは日本語で話していても同じことですよね。
何語で喋っていても、せっかく開いてくれた心に土足であがりこむようなことだけは避けたいものです。
◆傾聴の姿勢について書いた記事
◆Kさん登場記事:米兵と結婚してうまく行っている女性達が持っているもの - Inside the gate
その他関連記事
もうすぐ2015年も終わりということで・・・・クイズです。
日本の忘年会について、アメリカ人がこういいました。
"I like how Japanese people get together to drink the year ( 副詞 )."
「日本人がこうやって集まって飲みながらその年に別れを告げるのっていいよね」
どんな副詞が入るか覚えていらっしゃる方はいますか?
正解はこちらです。