Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

米軍関係者の子供同士のトラブルが意外とすごい

言うべきことははっきりと言おう アメリカ風a**holeモード発動 - Inside the gateという記事に登場したカイルというアメリカ人従業員は、父親の背中を見ながら「自分も米海軍に入ろう」と物心ついた時から決めていました。
人生のかなり早い段階で自分でレールを敷き始め、着実にそのレールを歩み続けて現在はオフィサーとしてアメリカの基地に駐屯しています。

軍事司法、海軍内のネットワーク・・・「知っている」ということは強い

Chess

このカイルなのですが、敵に回したら恐ろしい。なぜなら自分や自分の愛する家族、友人をトラブルから守ったり、あるいは自分にひどいことをした人間に反撃するためには、軍のどういうルートを使ったらよいのか熟知していたからです。若いからといってなめてかかってはいけない人でした。

わかりやすくいうと、カイルはミリオタの最高峰みたいなやつだったのです。例えば、カウンターに立って接客している私の隣に立って、お客様と挨拶とスモールトークを始めるのですが、それが自然で且つ膨らみやすいのです。なぜならカイルはお客のユニフォームを見て

  1. 所属コマンド
  2. 過去の駐屯地(とそこに駐屯した回数)
  3. ランク

がすべてわかるので、お客に関するある程度の情報が一瞬でつかめるため、会話の糸口がつかみやすく、引き出しも多いのです。
「あの人はストライプが何本で、あのバッジは・・・・で・・・だから彼の仕事はIT関係で、アフガニスタンに2回駐屯したことのある人」という感じ。私もこれは覚えようと思ったけど、なかなか覚えられませんでした。

2012-58-4 Rating Badge Master Chief Petty Officer of The Navy

United States Navy officer rank insignia - Wikipedia

カイルを敵に回した女の子の悲劇

頭が切れて便もたつカイルには妹がいました。その妹をいじめていた女の子に「いじめるのをやめてくれないなら、こちらにも考えがある」とカイルが言ったら、その女の子はこう言い返したそうです。
「私のパパのランクを知ってるんでしょうね」
出たよ・・・・自分のパパのランクを自分自身の力だと勘違いしている子供、そして嫁。この女の子の父親はおそらくO6くらいだったのかな。カイルのパパより少し高いくらい。
そこらへんつっこんで聞かなかったのですが、カイルはこの時ありとあらゆる卑語を使ってこの女の子を罵りたかったのですが、そこはこらえて後からとんでもない仕返しをしたのです。
その子が両親の不在を狙ってパーティーを開くことを知っていたのです。まだ未成年でしたが、両親の所有する高い酒を全て開けて楽しんでいることを知っていたカイルは、セキュリティに通報しました。そして飲酒だけでも十分まずいというのに、セキュリティがその子の家に踏み込んだらドラッグまで出てきたのです。
その女の子は翌日の便でアメリカに送還され(カイルの家族が欧州の基地で暮らしていた頃に起きたことです)、父親は降格(といってもО”オー”のまま)させられました。
「その女の子、通報したのがあなただって知ってるの?」

「うん、だって後日僕から話したもん。その子から仕返し?あるわけないだろ(笑)」

だいたい親の顔の想像がついてしまう馬鹿な扶養家族

「日本人だからといってなめられないように」と思って虚勢を張ると逆効果 - Inside the gateという記事に登場した愚かな女の子も米軍関係者の扶養家族です。
クレジットカードの件は自分の子供に非があったと認めつつ、このまま引き下がるのが耐えられなかった母親は、翌日早速管理部に電話をしてきてど~~でもいいようなことにいちゃもんをつけていました。この親にしてこの子ありですね。
どうしても悔しいから何かしら言いたかっただけなのでしょうけど、まあ親子ともども馬鹿です。きっと父親も馬鹿なのでしょう。


◆カイルいちおしの一冊 

世界中の政治家達の愛読書でもあるTHE PRINCE

一度読んでもまっったくささらず、ただ読みおえたという感じ。単語も難しかったです。カイルは「そりゃそうだよ。僕も3回読んで、3回目でやっと消化しきって実になった感じ」だそうです。

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