Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

女を疲れさせる曖昧な関係 He's still on the market(2)

 

女を疲れさせる曖昧な関係 He's still on the market. - Inside the gateという記事ではちょくちょくデートしているからといってexclusiveな関係(一対一でおつきあいする関係)ではないと書きました。好きな人と一緒に歩いていて、その人の知り合いに出くわしても「僕のガールフレンド」と紹介してもらえないステップです。今日はその次のステップについて書きます。


目次

 

ガールフレンドだしexclusiveな関係だけど・・・・

アメリカで大人気だったけど(噂によると出演者達のギャラが高騰しすぎて)終わってしまったFRIENDSというTVドラマのあるエピソードを使って説明します。

主役級の3人の男性の中でも、最もrelationshiop material(性格的に見て彼氏にするにはいいタイプ)ともいえるロスですが、付き合い始めて間もない美女・モナに「私達のホリデーカード、こんな感じでどうかなって作ってみたの。署名はLove, Ross and Monaって入れるのはどう?」と言われて取り乱しているのがよくわかります。

  1. 出会い「お、いい女!」
  2. 食事やお酒、その他のアクティビティ
  3. 試乗ベッド
  4. 2,3(dating)を数回トライアル
  5. Exclusivityについて話す(The exclusivity talk)
  6. 正式にboyfriendとgirlfriend。私は彼のステディ!
  7. 今日お話しするのはここ

注意:5に至らなかった人は切られたと思ってください。だけど後から諸事情で再雇用される場合もあります。

ステディにはなれたけど、彼の身近な人達へ出すホリデーカードを連名で出すほどの関係ではないモナ。まずモナの"our holiday card"というひとことのourの部分がロスを震え上がらせたことでしょう。そしてロスは「まだ(愛していると)お互いに言ってすらいないけど、ホリデーカードに入れて皆に伝えるのはまあいいんじゃない(苦笑)」と言い、もうその後はしどろもどろでなんとか逃げ切ろうとするのですが、ついにモナが大人の女性としてこう切り出します。

"Where are we? Where is this relationship going?"

当然ロスは追い詰められます。
だらだらつきあっているだけなの?それとも将来のことを考えた真剣な関係に発展させるつもりでつきあっているの?
モナは20代後半くらいに見えますからそろそろ何も考えずにdatingを楽しめる時期は過ぎています。大学教授で長身、そして性格もよいロスとの関係の行き先は当然気になるところでしょう。ところがロスはこの話し合いを避けるために「ホリデーカードを一緒に出そう!」とまで言ってしまいます。

It's not going anywhere.という曖昧な関係において得をするのは男だけ

シリアスな関係に向かっていると約束もできないし、キープするためだけにそういうふりをして変に期待させることもしたくない。後で自分の首を絞めることになるから。だからうまいことをいってはぐらかして、曖昧な関係を続けようとするロス。
彼女は自分のたった一人のgirlfriend(exclusive な関係)ではあるけど、同僚や親友、親戚へのホリデーカードを連名で出すようなことはまだしたくない。こういう関係において得をするのは男性だけです。彼らは着実にキャリアを積み続けられますが、女性は同じようにキャリアを積むことができても、生物学的なタイムリミットを考えるとどうしても焦ってしまうのは無理がありません。

それでも別れない理由=カップル文化

日本人はクリスマスが近くなると焦って一緒に過ごす相手を探しますが、カップル文化が根付いているアメリカではそれが年中行われていると思ってください。ありとあらゆるイベントへの参加がカップル単位を前提とされています。
ちょっとしたパーティーから結婚披露宴まで。勤務先のホリデーパーティーもそうです。だから特定の相手がいない人達は、そういうイベントに一緒に行ってくれる相手(dateやplus oneと呼ばれる)探しに奔走します。「結婚披露宴に自分だけで参列するなんてloserに見えるから絶対無理」という声もききます。ですからイベントごとにdateを探すよりは、曖昧な関係であっても誰かしら常にいる方が便利なのです。それからアメリカ人はすぐに一対一の関係で縛り付けられる日本の恋愛文化と違い、ベストを見つけるために色んな人とデートをすることがあたりまえですから、他にもっとよい人が見つかるまでのつなぎでもあります。

関連記事:commitできないのではなく、commitしたい相手がいないだけ - Inside the gate

 

カップル文化が根付いているアメリカでいかにシングルの肩身が狭いか

以下の動画は大人気だったTVドラマ"Sex and the City"のクリップ。
ミランダというハーバードロースクール出身の弁護士の女性が、speed dating(短時間で多くの異性と知り合うカジュアルなお見合いパーティーのようなもの)に参加するシーンです。

なぜミランダがspeed datingに参加しているのかというと、親友シャーロットの結婚式まで一週間を切ってしまったというのに、結婚式に同伴するパートナーがいないため、そのパートナー探しです。アメリカで生きるって大変・・・。日本はなんだかんだいってシングルに優しいですよね。ちなみにここでいうシングルは和製英語のシングル=独身ではなく、英語本来のシングル=特定の相手がいない、という意味です。


関連記事:外国人にとって紛らわしい日本語「独身」と和製英語「シングル」 - Inside the gate


・・・・とここまで書いて思い出しましたが、来週はNavy Day Ball、そして11月に入るとホリデーパーティーの季節です。dateを探している男性達からあなたにも声がかかるかもしれませんよ。ドレスアップするのは楽しいですよね♪

関連記事