先日歩いて30分弱の目的地までタクシーを利用しました。乗ったのがたまたま個人タクシーだったんだけど、色々考えさせられました。
自分を叱る上司がいない環境でも仕事の質の向上に努める
車一台と身一つで食べていこうと決めた人に受ける接客というものに興味がありました。言葉遣いがちょっと恭しすぎたかなぁというのが気になりましたが、これは個人営業しているのですから当然なのかな。お客様のありがたみというか、重さみたいなものが違うのでしょう。それは言葉遣い以外にも表れていました。
今回乗った際に、「〇〇二丁目のXXマンションまでお願いします」と伝えたのですが、案の定運転手さんはそのマンションを知りませんでした。この反応には慣れていますので「△△で左折してすぐのマンションです」と説明しました。
△△まで来るとちょうど赤信号だったので、左折せずにそこで下ろしてもらうことにしました。精算して、私がそこから左の方へと歩いていくとタクシーもついてきました。ここが個人タクシーと一般のタクシーの違いだなと思いました。
一般のタクシーは私を下すとそのまま進行方向を変えずにさーっと走っていきます。ところがこの個人タクシーは、私を下した後同じように左折して、私に怪しまれない程度にゆっくりと走ってマンションの位置と名前を確認していったのです。これで客に説明させることなくすぐに向かえる場所が一つ増えたことになります。こうやってサービスの質を日々向上させていってるんだなぁと、勉強になりました。
人生設計図は自分で描くもの
タクシーがオフィスであり、自分が自分のボスである。「動くオフィス」と考えると面白いけれど、世間が休みたい時が稼ぎ時でもあるこの職業。
土日、祝祭日、悪天候の日。
そういう日にまとめて働いて、世間が働いている時に休む。だからどこに行っても空いていて、用事を足しに行くにも半休を使う必要すらない。頑張った分自分に返ってくるけど、「今日はなんだか気持ちが乗らないな」と思って休めば当然その分収入は減る。
だけど自分の人生の設計図を描きやすいともいえます。
例えばこういう仕事をしている人の妻は、自分の理想の生活を維持するために夫を酷使しようと考えるような女性ではないはずです。また誰が見ても幸せ=自分の幸せというタイプの女性でもないでしょう。個人タクシーの運転手さんの収入はよく知りませんが、こういう女性達を生活させていくことはできません。
彼女達は夫の職業・年収だけでなく、住む場所、子供が通う学校、それらをすべて思い通りにしてもまだ満たされないはずですから。人生設計図を描きやすい生き方を選んだ男性が選ぶ女性というのは、きっと経済的にも精神的にも自立していて、互いを支えあえる関係にある人だと思います。そういうパートナーを持つと頼もしいし、人生設計図がカラフルになりそう。
ところで、タクシーに乗るって贅沢ですよね。見慣れている風景が違ったものに見えるのです。自分で運転している時や助手席に座っている時、私は頭を使っています。だけど清潔で乗り心地の良いタクシーの後部座席に座ってゆったりしながら窓の外を眺めていると、まるで知らない街のようにも見えてくるから不思議なものです。
中学生の子の投稿。
— Tad (@CybershotTad) 2017年3月20日
「夜遅くまで働く父は『大切な家族の生活を守るため』と言う。しかし父も大切な家族の一員なのに、父の生活はまったく守られていなかった」
(朝日新聞3/20) pic.twitter.com/TNmBSUCkyV