Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

京急線に乗っていた痴漢常習犯


電車通勤していた頃のお話です。

私が毎朝乗る電車に痴漢が乗っていました。被害者はジャ○ーズのアイドル系だったり、サーファー系だったり、はたまた岡田准一さんのような正統派の美形だったりと、ストライクゾーンは広いようでしたが、「若くて美しい」ということが共通点でした。そう、その痴漢のターゲットは男の子だったのです。


その痴漢が行為に及ぶ前に、「こいつ変だ」とその男に目をつけた理由は、スーツを着ているのに会社員に見えなかったからです。まるで朝の満員電車の中で目立たないようにするために、スーツを着ているように見えました。
その証拠に下に着るワイシャツは、パープルワインレッドでした。早朝の満員電車に乗って9-5時の仕事に向かう人間が着る色ではない。そして持っているバッグは大き目のスポーティーなellesseのショルダーバッグ。このタイプのバッグを選んだ理由も、後にわかることになるのです・・・。このバッグの上に、ひじから上を乗せてチャンスを待つのです。

電車の混雑具合は、多くの痴漢達にとってと同様に、この男にとっても大変都合がよいものでした。
特にカーブを走っていて電車が傾く時は、その揺れに紛れて、大きなショルダーバッグの上に乗せたひじを支点にして手をすっと動かして、アクシデントを装って、若く美しい男の子に触れるのです。

毎朝狙われていた高校生の男の子が、ある日からこの痴漢のいる車両に乗ってこなくなりました。車両を変えたのでしょう。金沢八景から乗ってくる目がぎょろっとした華奢な男の子だったのですが、「獲物が乗ってこない!」と気がついた時の痴漢のうろたえ方はすごかったです。
八景の次の金沢文庫駅で車両の連結作業のためしばらく停車するのですが、なんと痴漢は文庫で停車中の電車から下りるとホームに出て、1両目からその華奢な男子高校生を血眼になって捜し始めたのです。結局この日はいつもの車両に痴漢は戻ってきませんでした。
次の日も痴漢はいつもと同じ車両に乗っていましたが、高校生を捜すことはあきらめて、その車両で代わりの獲物を物色していました。そして新たな獲物を見つけて行為に及んだのですが、被害にあった男の子は私の目の前に立っていて、私の方を見て「ねえ、今の見ましたよね?!」と目で助けを求めていたように見えました。

サーファー系の気が強そうな男の子でしたが、痴漢に対して「てめえなにやってんだよ」と声をあげることはありませんでした。ただ私の方を見て「これは混雑しているが故のアクシデントで触れたわけではなく、故意に触れていますよね?」と同意を求めるような視線を送ってくるのです。だから私も同意している視線を送り返し、痴漢をにらみつけるのですが、痴漢は恍惚とした表情をしていて私の睨みなどまったく気がついていませんでした。

その日横浜駅で下車した私は、そのまま京急のインフォメーションデスクのところまで言って、今まで見てきたことを話しました。だけどやはり駅員さんいわく「ご本人からの被害の報告がないと、こちらは動き出せません。ただその迷惑行為をする人間がどの電車に乗っているかという情報は会社で共有させていただきますので、何時何分に横浜に到着した電車か教えていただけますか?」と言われました。

眼鏡をかけたデブで角刈りのその中年の痴漢は、おそらく横浜で京浜東北線に乗り換えて最終目的地を目指すのでしょう。

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