一つ一つ丁寧に作ってたらとてもじゃないけど一日24時間じゃ足りないし、身も心も持たない。それが子供英会話レッスン用の副教材。
子供英会話スクールは、年齢別にコースが分かれています。そしてその中でさらにレベル別に分かれていく。だけど使う副教材は全講師ほぼ同じです。だけど先輩方は自分達が作った副教材を使わせてくれませんよね・・・。まぁあたりまえなんですけど。
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「私達が夜なべして作った教材を、新人は入ってきて何の苦労も知らずに共有するだけ」
これではさすがに先輩達が納得いかないのも無理はないでしょう。だけど私は貸してもらっていましたよ。さすがにすぐには貸してもらえなかったけれど、こういう風にしたら貸してもらえました。
1.「なんかちょっと助けてやらないと可哀相だな」と思ってもらえるような存在になる
担当レッスンが増えてきつくなっても愚痴らない。新人なんだから大変で当然なんですよ。私なんて竜巻のど真ん中にいるような気分でした。もう何から手をつけていいかわからなくて、目が回る日々。
だけどひたすら淡々と働き続けつつ、先輩方とのコミュニケーションは自分からとるようにして、「文句も言わずに頑張って働いてる新人さん。しようがないなぁ貸してやるか」と思ってもらえる存在になる。
私は月に一度は一緒にご飯を食べに行ったりしました。だって普段は分刻みでばたばた全員が動き回っていますから、落ち着いて話す余裕すらないじゃないですか。チームメイトとうまくやるには、お酒を飲んでリラックスした状態でお喋りを楽しむ時間も持った方がいいです。まあ私が勤務していたスクールは、スタッフが仲良かというのもあるんですけどね。
2.自分が作った教材も勧めてみる
「(まだまだわかっていない私が作った教材ですが)これでよければいかがですか?」と勧めてみる→新人で大変な時期なのに、こんな風に気前よく貸してくれるなんて・・・と心理的に貸しを作りました。
また「新人が作った教材なんて、要領を得ていなくて使い勝手が悪いだろうから、お勧めするのも失礼かな」と思いますよね。だけど英検コースであれば、新人でも力になれます。
なぜなら英検はテストが開催されるごとに出題される若干内容が違うわけです。となると傾向と対策は毎回ある程度研究し直すことが必要ですから、「2015年度6月出題分も含めてイディオム集作ってみました。先生もしまだ作られていないようなら一緒に使いませんか?」と提供することができるのです。すると先輩方も隠し持っていた素晴らしい教材や資料を貸してくれるんです。
「先輩・・・・こんなものを隠してたんですか・・・・」と冗談を言ってみるのもまた楽しいコミュニケーションになります。
ただしさすがに英検コースの資料を作るには、休日返上しなければなりません・・・。だけど必ずその分報われますよ。英検コースの資料は、集中力と体力のある時にまとめてがっと作った方が私の性格にはあっていました。
月に一回「今週末は休日を捨てよう。その分後で楽するわよ!」という風に、休日を捨てていました。「先輩方も通った道!」と言い聞かせながら、黙々と資料作成。毎週じゃありませんよ。月に1回ですよ!
教材作りの時間を減らして楽をする方法ー◆番外編◆生徒にアウトソースする(笑)
教材作り、女の子なら喜んでやってくれますよ!その中でも頼みやすい生徒は
- 兄・姉と一緒に通っている生徒
- レッスン時間の2時間くらい前にはスクールに来て時間を潰している/レッスンが終わってもなかなか帰らない中学生以上の生徒
です。
1.に該当する生徒は、自分のレッスンが終わっても、兄または姉のレッスンが終わるのを、ラウンジで待たなければなりません。保護者は両方のレッスンが終わってから二人まとめて迎えに来るため、スクールを託児所代わりにしているわけです。
となると必然的にマネジャーが子供達に目を配らなくてはいけないことになりますが、マネジャーも仕事がありますから子供の相手はしていられません。
だから託児所代わりに使われているんだったら、こっちも子供を利用させてもらおうというわけです。その子もちょうど時間つぶしになります。
「○○ちゃん、色塗りしない?」と聞くとたいてい喜んで「するー!」といいます。そしたらオーバーリアクションで感謝を表現しましょう。
「○○ちゃん、ありがとう!先生すっごく助かる!じゃあこれいろ塗りしてくれるかなぁ」
そういって60セットくらいぼんと置いていきます。
「ちょっと多いかなぁ・・・。全部は無理だよね?」
「そんなことない!全部塗れる!」
するとその子はカウンターで黙々と色塗りを始めるため、ラウンジでキャーキャー騒がれることもなく、マネジャーも業務に集中できますし、来客中にカウンター付近で騒がれることもなくなります。
そして自分のレッスンが終わって、その子から副教材を回収する時に、一旦教材を受け取ってよ~くチェックしているふりをします。
「○○ちゃん・・・すごい!先生が思ったよりも、丁寧にやってくれたからシールあげるね!」
小さい女の子達はシールが大好きです。
こうやってお礼をすると、再び快く手伝ってくれます。これ、塵も積もれば・・・って塵どころじゃないですよ。
自分がレッスンをしている間に、この子達が色塗りを済ませておいてくれるだけで、講師の負担はうんと少なくなります。だって講師のスケジュールは分刻みですもの。「5分あったら何ができるか」を常に考えていた生活。常に時間に追われていた生活・・・ああ、もう戻りたくありません。
次にレッスンが始まる2時間くらい前にはスクールに来て時間を潰している/レッスンが終わってもなかなか帰らない中学生以上の生徒達ですが、この子達は大人とお喋りしたいから残っているんですよ。だからだいたいマネジャーが話し相手になっています。
どうせお喋りしているのなら、教材作りもできるだろう・・・。しかも中学生以上だから、はさみやカッターも安心して持たせることができるため、色塗りだけでなく切り・貼りも頼める!うぉぉぉぉ!!!!
じゃあ中学生以上の生徒にも、ありがとうと言ってシールを渡しますか?アナ雪のシールを・・・??
そんなわけないですよね。私は食事をご馳走していました。バイト代を払いたいんだけど、さすがにキャッシュだと保護者に気を遣わせてしまう可能性があります。しかも既述のように、彼女達は「大人とお喋りがしたいからレッスン後もスクールに残っている子達」です。だったらバイト代は「美味しい物を食べながら大人とお喋り」でいいじゃないですか。もちろん私は聞き役に徹しましたよ。
最後に:いくつかのクラスで共通して使うとわかっている副教材は、ラミネートで補強する!
- レッスンのオープニングで使うフラッシュカード
- 低年齢の生徒さんの英検コースのレッスンで、かるたとりに使うフラッシュカード
などなど、最初からラミネート加工しておくと長持ちするため、後々作り直す手間が省けます。特に私が在籍していたスクールのように、講師達が仲良くツールを共有している場合、このラミネート加工は必須でした。ただし一目で自分の教材であるとわかるようにしておくことをおすすめいたします。
- カードの隅に目立たないように自分のイニシャルを書く
- パンチで穴をあけておく(リングにまとめることができて便利です)
【注意】ラミネートフィルムは別売りです
「ラミネート加工した労力のもとをとるには、3年は働かなくちゃいけませんよね。私、こんなハードな環境で3年も働く気ありません・・・・」という講師の方が多いんだろうなぁ。
以上、生まれ変わったら絶対に子供英会話講師にはならないと心に決めている元英会話講師によるアドバイスでした。