この本を読んでからもう5年も経ったのかぁと思いました。
「やってもやらなくても同じ時給がもらえるなら、やりたくないよね」という人達の中で潰されないようにするために
1年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス
「売れても売れなくてもいいんだ。だってうちはNRE(JR東日本の子会社)だから、安泰だろ」という完全にぬるま湯のところに、「どうやったら廃棄が少なくなるかな・・・」「どうやったらお客様にもっと喜んでもらえるかな」と創意工夫して働くことをいとわないおばちゃんが入ってきたら、やはり周囲は面倒くさいと思うんですよね。
これといった努力もせず、勤務時間を消化するだけで同じ時給がもらえるのに、この人が入ってきたら自分達の仕事まで大変になっちゃった、と思うのも無理はないのです。
だけど著者の三浦さんが実践されていたことは、仕事をする人間としてあたりまえだと思うのです。面倒くさいことは極力避けて、もらえるものだけもらおうという人が大多数の場合、三浦さんのような人に対する風当たりはきつくなるでしょう。そしてそれはベースの中でも同じこと。ビジネスとして考えておらず、勤務先=おこづかいをくれるところ、生活を支えてくれるところと勘違いしている人はいます。
ここまで嫌われると逆にどうでもよくなるのか
九州と言えば由布院が有名ですが、その由布院に比べるとぱっとしないという一見不利な点を逆手にとって、「鄙びた田舎」の演出をすることで黒川温泉を再生させた後藤哲也さん。
黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則 (アマゾンでレビューを書きました)
だけどこの再生のプロジェクトにおいて、後藤さんと同じ方向を向いている関係者はほとんどいなかったようです。孤立してしまった状態でも信念を貫いた後藤さん。それは私的なものではなく「絶対に旅行者に喜ばれる!」という確信があったからできたことです。
冷静に考えることのできる頭。そして周囲の反対にあって何度折れそうになっても折れなかった熱く強い心。ここまで壮大な変化・再生に向けて仕事を任せることはベースの中ではほとんどないと思いますが、社会人生活の中で「そろそろくたびれてきたなぁ・・・・」と思った時に手にとって元気が出た一冊です。
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