Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

人生の折り返し地点を過ぎたら洋書の楽しみ方がやっとわかってきた

今週のお題「読書の秋」


今まで洋書を読むということについては何度か書いていますので、本日の記事を書く前に、ざっと時系列でご紹介します。

2015年3月:ボキャビル目的で洋書を読むのはもうやめます&おすすめの洋書 - Inside the gate

2017年1月:洋書を二度読む理由ーだから私はペーパーバックを買う - Inside the gate

2019年12月:ボキャビルのために翻訳版を読んでから原作を読むのはどう? - Inside the gate


ペーパーバックを買って、オリジナルの単語ノートを作っていた私もすっっかりKindle派になり、洋書を積極的に読むようになりました。といってもたいしたペースではありませんが、Kindleはとにかく便利(これはまた別の記事で書きます)。

 

最近読んだ本が The Ride of a Lifetime: Lessons Learned from 15 Years as CEO of the Walt Disney Company (English Edition) Kindle版 なのですが、これを読んでいる最中、そして読み終わった後に強く感じたことがあります。

1.社会経験等、自分の経験値に見合った洋書を選んで読むようにするとボキャブラリーが身に付きやすい

この本を自分の経験値に基づいて選んだ=私は世界でも屈指の大企業の役員を務めたことがあります!と言っているわけではありません。ただ、企業の規模や役職こそ著者と比べものにはならなくても、私自身もう40代になってしまいました。人生の折り返し地点を回ったわけです。そうやってある程度社会で揉まれた後にこの本を読んだことにより、組織の中で経験する理不尽や、じめっとしたマインドゲーム、そしてなんといっても著者、Robert Iger氏が辛酸を嘗めさせられる様を読んでいると、その時のIger氏の心の痛みがリアルに伝わってくるのです。そういう描写を英語で読むことにより、心に刺さる=単語や表現が記憶に残りやすいと私は思いました。ですから「ああ、こういう気持ちを(ちゃんとした大人が使うまともな)英語で伝えるにはこういえばいいのか」というフレーズが頻出で、もうハイライトだらけ(笑)。
もしも私がこれをフレッシュな社会人一年生の時に読んでいても、ここまで引き込まれなかったと思うし、その分ボキャブラリーを増やすことにもつながらなかったでしょう。もしこの記事を読んでいるあなたがフレッシュだったとしても、読んでみてもよいでしょう。そして今は共感することも感銘を受けることが少なくても、10年後に読み返してみた時に共感できることの多さ=「自分の歩んできた道を振り返ってみて、英語で理解・表現することができる」楽しみができます。

 

2.同じ洋書を時間をおいて読み返す楽しみ

The Ride of a Lifetimeはもう一度読むつもりです。そうですね・・・2023年になったら読んでみようかな。読み返す目的は二つあります。まず一つ目の目的は単語テスト。1回目に読み終えた時から2年経ち、私はどのくらいボキャブラリーが増えたのだろう?自分が生きるステージがその2年の間で多少なりとも上がっていれば、当然表現も簡潔になり、洗練されてくるはずです。どのくらい私の英語は磨かれたのかな?ということをチェックしたい。
二つ目の目的は、ご褒美。「この2年でかなりボキャブラリーも増えただろうから、1回目に読んだ時よりももっと面白く感じるだろうし、深く刺さると思うよ」という感じですかね。2回目はわからない単語、気になる単語があっても止まらずに読むつもりです。1回目はKindleに入っている辞書ですぐにその場で調べちゃっていたから。その分1回目よりも堪能できる部分が大きいと思うので、名著を貪るように楽しみたいと思っています。

 

3.おすすめの書籍 【1】オフィサーを狙っているなら読んでおいて損はない1冊

横須賀のみならず在日米軍基地周辺にはいるでしょう。「オフィサーとお近づきになりたーい」という女性達が・・・。近づくまでは簡単だとしても、問題はその後。ネイビーでキャリア形成を望んでいるオフィサーであれば、真剣な交際(日本に配属されている間にローカルの女性と結婚を前提とした交際を望むオフィサーはまれですけどね)をする相手には自分のビジョンを理解できる程度の知性を求めるはずです。
だけど軍のことを彼は自ら進んでべらべら話はしないでしょう。そこでおすすめなのがこの1冊。
トランプ政権で第26代国防長官を務めたJames Mattis氏のチーフスピーチライターであり、厚木基地に配属されたこともある元ネイビーのパイロットでありコマンダー、Guy Snodgrass氏の目から見たトランプ政権の裏側、そして米軍将兵の生きる狭く特殊な、時に息苦しい世界にも時折言及している一冊。

Holding the Line: Inside Trump's Pentagon with Secretary Mattis (English Edition) Kindle版

このくらいの内容を討論できるレベルじゃないとね、と言っているのではなく(もちろんできるに越したことはないけど、聞き役で十分です。だってあなたはactive dutyじゃないのだから彼の視点から見えるものを理解するのは無理でしょう)、愛する人が生きる世界、愛する人の視界にあるものや美学を知っておきましょうという意味です。
ちなみに私はこれを数か月前に読み終えたばかりですが、疲れたー・・・・でも読んでよかった。そりゃ著者とは頭のできが違いすぎるうえ言葉の壁があるから疲れるのはあたりまえですが、このくらいのレベルの英語をちゃんと読んで脳にストレスを与えないと、ボキャブラリーは増えませんからね。この本もまた2年後くらいに読み返してみるつもりです( ̄ー ̄)b。

4.おすすめの書籍 【2】最後まで騙された1冊

もちろん洋書は学ぶためだけに読むものではなく、楽しむもの!
「あーこの単語/熟語、気になるわ。チェックしよう」という気も起きないほど、ずんずん読み進めてしまった一冊が The Silent Patient 。レビューを読むと「展開が容易によめてしまう」という声も見かけますが、私は最後まで騙されていました。そして最後のあたりで「あ、そこがそう結びつくのね!」と感動すらしてしまいました。

秋の夜長に是非ご一読をおすすめいたします。