Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

ベースで事務職として働いた場合、有給休暇は取りやすいのか

拙ブログがLINEのオープンチャットでシェアされているそうですね - Inside the gate

という記事にれれれのれれ様からいただいたコメントをシェアいたします。これは気になっている人が多いと思いますので。

こんにちは、横須賀基地の事務職に興味があり質問させて頂きます。 全般的に給料が安い印象を受けたのですが、年休の取得しやすさはいかがでしょうか? また、事務職のリモートワーク実施の状況はいかがでしょうか? 給料が安いのは仕方ないが無いとして、ワークライフについてお伺いできますと幸いです。


結論から申し上げますと、私が働いていたコマンド(ここ重要です)は、事務職・技術職共に年休(以下リーブ)がとても取得しやすかったです。ワークライフバランスを考えるのであればベースは最高です。
リモートワークの実施状況は、2023年10月9日現在、横須賀基地ではゼロだと思います。リモートは実施していないはず。少なくとも私の夫や知人、そしてその周りは通勤しています。
有給(無給)休暇とワークライフバランスについてはもう少し掘り下げて書いていきますね。現在ベースで勤務されている方々からのコメントもお待ちしております。

 

1.リーブの種類が多い

ホワイト企業で働いていた人ならば当たり前のように感じられると思いますが、ベースで働く場合、疾病、介護、育児、生理、慶弔休暇、その他にも色々なリーブを取る権利があります(他にどんなリーブがあるのかもう忘れてしまいましたので、知人に聞いてみて随時書き足していきますね)。こういったものがせっかくあるのに取りづらいブラック企業からベースに来た人にしてみたらそのホワイトさに驚かれるかもしれません。これらを使えることは権利として認められているのですから。

2.事務職はリーブが計画的にとりやすい

Tis The Season

私が事務職として働いていたコマンドはMLC(Master Labor Contract 基本労務契約と呼ばれる常用従業員)よりもミリタリーの数が多いせいか、文化がアメリカ寄りだったため、とにかく皆で競うようにチャンスを見つけてはリーブを取っていました。
また、ミリタリーが多いということは、もうThanksgivingあたりになったら業務量ががくんと減ってくる(長期休暇に入る将兵が増えるため)ため、そこをめがけて長期休暇を入れたり、逆に私が担当していた業務の繁忙期となるPCSシーズン(将兵の出入りが増える時期)は長期休暇を控える、といったように年単位で計画的にリーブをとることができて助かっていました。Think I hit a jackpot ;)

だけどリーブが使いやすかった理由はそれだけではありません。Administrative Specialist (管理専門職。以下Admin)がまともな人で、プロフェッショナルだったから。
それって当たり前ではありませんか?と思われる方が多いと思いますが、そうはいかないのが横須賀基地(というかベース)です。

3.自分が全能の神か何かだと勘違いしているAdmin 

Adminの仕事は従業員の労務管理です。従業員のリーブリクエスト対して承認・拒否する権限は彼らにはありません。従業員が上司から承認を得るためには、Leave Application (通称Leave Chit)を上司に提出します。そして上司の承認サインが入ったリーブチットを処理するのがAdminの仕事なのに、承認する権限が自分にあると勘違いしているAdminがいるのも事実です。違います。Adminの仕事はサインされて回ってきた書類の処理。それだけです。
「ただの事務屋なのになんでそんなに偉そうなの?」と思うようなAdminもいますが、まあそういうAdminがいるところは根から腐っているところだと思いますので、そういうところに事務職で入ってしまったら、表面ではにこにこしながら次の職場を探した方がよいです。そういうAdminをやりたい放題させておくトップもたちが悪そうですから。トランスファーのご準備を!逃げろ!

・・・・と脅してしまいましたが、こういう輩がのさばり続けることができる土壌はごく限られています。日本でそこそこの教育を受けてきた人達が集まるところにアプライすればほぼ心配無用でしょう。「それはどこにあるのですか?」と言われると難しいのですが、同じ事務職でもIHAではなくMLCの方が絶対によいです。IHAはフィリピン人従業員が多くて色々大変ですから・・・・。f:id:usmilitarybase:20210516151902j:plain

左から二列目を見ると広報されている空席がMLCなのかIHAなのか見分けられます。尚、この画像は空席が広報されるページ、JN Yokosuka Regionから転載しました。

4.年次休暇を取る理由をいちいち報告する義務はありません

大切なことなので書いておきます。リーブと言っても色々ありますが、病院等からの証明書等の提出を必要とする疾病/出産/育児/介護等の休暇と違い、普通の年次休暇を取るのにその理由を説明する必要はありません。そもそもリーブチットに年次休暇の取得理由を書くところすらありません。

年次休暇に関して従業員が記入するのは、私が覚えている限り所属部隊/氏名/従業員番号/提出年月日/リーブの日数/時間数/自分の署名のみです。自称全能の神★Adminが「なんであなたはリーブをとるのがここじゃなきゃだめなの?」と聞いてきて「理由によっては承認できない」と匂わせてきたら、もはやそれはパワハラです。

もう一度いいます。あなたのリーブを承認・拒否する権限はAdminにはありません。ですからAdminが「これはちょっと・・・」と口を出して来たら「それはパワハラではありませんか?」と言ってもいいと思います。言いにくいと思うけど、最初が肝心なので言っておいた方がよいです。
彼らの仕事は上司が承認・否認のサインをしたリーブチットの処理です。ここまでひどいことをするAdminは私が知る限り横須賀基地では今のところ1人しかいませんが、こんなひどいAdminでもなかなか解雇されないほど(配置転換すらされない)、ベースの常用従業員の雇用は守られているのです。しかもこんなひどいAdminがオフィスにのさばっている労働環境は、幹部が腐敗している証拠。もはや先進国の労働環境ですらありません。頑張るだけ無駄です。逃げて!

5.ぎすぎすせずに人間らしい生活を送ることができる

人間らしい生活を送ることができる。
安月給でも幸せといえる理由はここにあるかと思います。例えば私がかつて働いていたオフベースの企業では、産休に入る社員がフロア全員に一人一人挨拶しながらお菓子を配って産休に入っていました。詳しくはこちらの記事で書いています>>私が働いていた日系企業の無駄な慣習 - Inside the gate


ベースではこんなことしなくていいんですよ!気が付いたら産休に入っていた、とかそんな人ばかり。そこらへんはとてもドライだし気楽。アメリカ人達にしてみると、産休に入る=他の人達の負担が増えて申し訳ない=一人一人に頭を下げてお菓子を配ってから産休に入る、という感覚がまっっっったく理解できないのです。職場というのはお金を稼ぐところであって、隷属する場所ではないから。
アメリカ人の仕事の質は本当にいい加減な部分もあるけど、仕事よりも私生活が大事だと考える彼らは、自分以外の人間の働きぶりにも寛容です。だけど事務職に就いているお局様たちの中には「産休に入る前に挨拶に回りなさいよ。私達の時はしたわよ」と思っている人もかなりいらっしゃることでしょう。
自分達の代で断ち切れるものは断ち切った方がいいのに・・・。こういう人達は産休だけでなく、長期の年次休暇にもケチをつけてくるはずです。2週間くらい休んで旅行に行こうとすれば、対面的には友好的ですが、陰で「2週間だって。ありえないよね」と言っているはず。でもそういう人達には言わせておけばよいのです。彼女達がお給料を払ってくれているわけではないので。
以上となりますが、関連記事として貼り付けた「横須賀基地で働く場合、有給休暇は取りやすいのか?」という記事と重複してしまう部分がかなりあるのはご容赦ください。

 

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