ベースで働いていた頃、同僚のカイルが"Maria, your husband is here."と私を呼びに来ると、本当の夫なのか、それとも第二の夫なのかわからなくなっていました。そこでカイルが"Davis."とフォローするのです。そして私は「ああ、Davisね」とわかります。
このDavis(仮名)こそ皆が「マリアの第二の夫」とからかっていた若い黒人男性でした。
所詮遊びですから
Davisを何度か接客し、少し仲良くなった頃、やつがさらっと退勤時間を聞いてきました。そしてよかったら一杯飲んで帰らないか?と誘ってくるのです。ゲートのすぐ外にはバーがたくさんありますから、一杯飲むお店には困らない、便利な環境です。
軍人の息子であるカイルと私が二人で飲んでも、何も起こりえないだろうと、まったく気にしなかった(本物の)夫ですが、若い米兵と二人きりで飲むということはさすがにはばかられました。だからDavisにははっきりと断りました。
だけどDavisのような青年は、本気で私を口説こうと思っているわけではないので、断られても痛くも痒くもないのです。既婚女性の方が遊ぶには後腐れなくて便利なわけですから、その程度のものなんですよ。
痛くも痒くもないDavisは、それ以降もちょくちょく来店しては暇つぶしにFlirtしていきました。そして彼が使う表現やボキャブラリーはいちいち面白くて、私を笑わせてくれました。
"I'll add it in my everyday vocabulary."
なんどこう言わせられたことでしょう。だけどそういいたくなるんですよ。私だけでなく、カイルも同じことを言うほど、Davisの話し方はチャラい男のsmoothさに加え、どこかスマートでクールだったのです。
心地よい軽さと寒さだからこそ危険
ある日私が水を入れたピッチャーを持って館内を移動していたら、たまたまDavisが通りかかりました。そしてこういったのです。
"You're making the water boil because you're so hot."
あまりの寒さにふきだしてしまいました。女というのは元気が出ない時に笑わせてくれる人に弱いですよね。身を切るギャグとかでね。
特に私は常に笑いを探し求めているので、こういうcheesyなことをさらっと言って女性を笑わせることができる男性に敬意を表したいのです。
カイルが一緒に働き始めた頃、いつものようにDavisが来店したので、カイルをこう紹介した時のことです。
"This is Kyle. He is my son and just joined us.
歳の離れていたカイルは、私にとって息子のような存在でしたから、こう紹介したのですが、これに対してDavisはこう返してきたのです。
"I didn't know we had a son."
「あれ?僕たち、子供なんて作ったっけ」
たったひとことっでその場にいた全員を笑わせたDavis。とにかく軽いんですよ。だからこういうことを言われる側の負担にならないのです。だからこそ危ない。
私は既婚者だからこれで済みましたが、例えば同じことをDavisが傷心の、若い独身の女の子にやったとします。そしたらうっかり惚れてしまう危なさってあると思いませんか?
気がつけばいつも私を笑顔にしてくれた、的な。私の経験上、特に黒人男性はそういうのが得意な人が多いと思います。とにかく軽くて負担にならない。そんなDavisに私はある意地悪をして反応を見てみました。
やっぱり遊び人ってやつは・・・
"I saw you arguing with a Japanese girl on my way home the other night."
(ちょっと焦って)"Isn't that....like months ago?"
"No, it was a couple of days ago."
(おろおろしだすDavis)
"You're always so smooth that I believe you are quite a womanizer who maybe has multiple facebook accounts."
これを言ったら、あの口八丁手八丁みたいなDavisの顔色がさぁぁぁっと変わりました。複数のフェイスブックのアカウントを持って、女の子とのつきあいの深さによって使い分けているってのは図星だったようですね(笑)。
実はこのDavisですが、先日投稿した記事に登場しています。
この記事です・・・。
カイル登場記事:米軍関係者の子供同士のトラブルが意外とすごい - Inside the gate